望月涼子さんの「大絵画展」を読んだ。
あらすじ:
ロンドンのオークションでゴッホ作「医師ガシェの肖像」を日本人が競り落とした。落札価格は約百八十億円。時は流れ、日本のバブルが弾け、借金で追いつめられた男女にある依頼が持ちかけられる。それは倉庫に眠る「ガシェの肖像」を盗んで欲しいというものだった…。第14回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、痛快にしてスリリングなコンゲーム小説の傑作。
小説はフィクションですが、表紙にもなっている絵を日本人が競り落としたのは事実。
バブル経済真っ盛りの中で、ゴッホの「医師ガシェの肖像」を買ったのは、大昭和製紙名誉会長だった齊藤了英です。
落札額:8250万ドル(約125億円)
この作品・・同じ絵が2枚あります。
1つは、
1897年、ゴッホの弟テオの妻が、300フランで売却。
1904年、売却
1904年、売却
1910年、売却
1911年、シュテーデル美術館が取得
1937年、ナチスにより没収、その後、ニューヨークのメトロポリタン美術館に寄託
1990年、齊藤了英購入
1997年、売却
2007年、売却 (個人蔵のため、現在は所在不明)
・・・ということで、今競売にかけられたら、いくらで取引されるのでしょうか〜?
2つめは、ゴッホが最初の作品を複製したもの。
ゴッホがガシェに寄贈したもので、現在はオルセー美術館に収蔵されています。
ゴッホは、その絵1点が180億円の価値をもった不遇の天才だったのか、生前に400フランの絵をたった1点売っただけの無能な人間だったのか・・・。
芸術の価値とは何か・・・がこの小説の一つのテーマです。
私の評価:
登場人物が多すぎて、途中でわけわからなくなった。