メトロポリタン美術館で、The Last Knight: The Art, Armor, and Ambition of Maximilian I

(最後の騎士:マクシミリアン1世の芸術、鎧、そして野望)展が開催されていました。

 

「最後の騎士」 と呼ばれたマクシミリアン1世(神聖ローマ皇帝在位1493年―1519年)。

没後500周年記念の展覧会です。

マクシミリアンの鎧、絵画、彫刻、タペストリーなど、彼に関連するものが展示されています。

 

マクシミリアン1世の肖像画はいつくか残っておりますが、この肖像画が一番大きいそうです。

 

Bernhard Strigel(ベルンハルト・ストリーゲル)の作。

おかっぱ頭・・・。照れ

 

Maximilian I(マクシミリアン1世)は、ハプスブルク家出身。

「戦争は他家に任せておけ。幸いなるオーストリアよ、汝は結婚せよ」

という言葉に従い、代々ハプスブルク家は婚姻により領土を拡大してきました。

実際、マクシミリアン自身、結婚によりブルゴーニュとネーデルラントを獲得します。

そして、子の結婚により、イベリア半島、ナポリ王国、シチリア王国を獲得。

孫のカールはのちにスペイン王とローマ皇帝を兼ね、ハプスブルク家隆盛の基礎を築きます。

孫のフェルナンドは、ハンガリー・ボヘミアの王家であるヤギェウォ家のアンナと結婚し、結果ハンガリーとボヘミアの王位を継承します。

しかし、戦争よりも結婚と言っているわりには、自ら前線にたち傭兵を従え、正々堂々と騎士らしく戦っていた人物です。

 

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直筆の手紙がいくつか展示されておりましたが、とても字がお綺麗です。

 

 

 

 

鎧がたくさん展示されていました。

 

 

 
つま先がすごい。
これで蹴飛ばしたら、相当痛いだろう・・・・。
 

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こちらは、マクシミリアン1世の娘を描いた絵画。

Jean Hey(ジャン・エイ)によるMargaret of Austria (オーストリアのマーガレット)。

1490年の作。

 
これで、10歳だそう。
え~、うそ!って感じです。
やつれたような、悲しそうな表情をしているから、もっと年上に見えますよね~。
 

彼女は、フランス王シャルル8世の婚約者であったが、のちに破棄される。

 

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フィリップ4世なので、一瞬ベラスケスかと思ったら、Gaspar de Crayer (カスパー・ド・クレイヤー)作でした。
1628年。

 

 
すっご~い豪華な鎧を着てますね。
芸術性高いです。
 
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馬上槍試合の絵。

 
本当に、こんな風に戦っていたんですね~。
 
ゆえに、当時の子供たちはこんなおもちゃで遊んでいたそうです。
 
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レリーフが美しかった。

 
ハリーポッターのグリフィンドールとスリザリンみたい。

 

 

しばし、うっとりしてしまいました。

 

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マクシミリアン1世の名言が壁に書かれておりました。

 

He who makes no memory of himself during his lifetime will have none after his death, and will be forgotten with the tolling of the final knell.  Therefore the money that I extend on perpetuating my memory will not be lost. 

 

(適当な和訳)

一生の間に自分の記憶を作らなけば、死後には何も残らず、弔鐘が鳴り終われば忘れ去られる。したがって、私の記憶を永続させるために費やしたお金は失われない。

 

直訳が過ぎるかしら?

 

マクシミリアン1世は、非常に芸術作品への関心が高い人として有名です。

彼は、自分のプロパガンダの媒体として、肖像画や記念碑などを利用して、彼の功績を後世に残そうとしました。

そのために多額な財産を芸術品に費やしました。

でも、彼の生きていた証と功績を永遠に後世に伝えるために費やしたお金なので、永遠に失われることはない・・・・って、ことを言っているのだと思います。

 

そして、上記の写真をもう一度よく見てください。

展示物の前に人が群がっていますね。

彼らが何を熱心に見ているかと言うと・・・・これです。

 

 

ターミネーターかっ!

 

おねがい

 

マクシミリアン1世の「gauntlets」(ガントレット)です。 

*中世で使用された鎧の手袋です。

 

この展覧会はもうしばらく続くので、また見てみたいです。