自己評価は低いわりに、それなりに恵まれた人生だった。
嬉しいことと悲しいことが、まるでジェットコースターのように乱高下する人生だったようにも思うが、おしなべて幸せだった。
もし今ここで人生が終わるとして、後悔はどこにあるだろうかと考えた時、さほど大きなものはなかった。


親より先に逝ってしまうこと。
夫や子供たちと共に未来を描けないこと。
仕事や職場の仲間たちのこと。


死の恐怖より心配が先立った。
自分のことより、誰かのことを慮れた自分が嬉しかった。


しかし、やはりまだまだ生きたい。
夫や子供や仲間たちと叶えたい夢がある。
40代で、道半ばでくたばる訳にはいかない。


乳癌になった。
非浸潤癌なのに転移した。
新たなしこりを見つけた。
どうやら“糸“ではなさそうだ。



それでも、たとえ暗闇の中でも、光を探し続けたい。
人生は自分次第だ。
「不撓不屈」
絶対に諦めない。