形成外科から乳腺外科まで、まっすぐ歩くことができなかった。
なんとか乳腺外科に辿り着くも、放心状態の私は、主治医の話を1人で聞き取れる自信がなかったので、許可を得て録音させてもらった。



ステージゼロからの転移。
このようなケースを、主治医は見たことがないそうだ。
センチネルリンパをすり抜けた件に関しては、
大変能力の高い癌細胞の仕業であろうと、気の毒そうな顔をした。



私の癌はホルモンレセプター陽性で、女性ホルモンが悪さをしている。
よって、この先10年間のホルモン療法+2年間のベージニオ服用は必須。
抗がん剤の必要性については、オンコタイプDXという再発スコア検査の結果次第となった。



ずっと否定され続けた転移が確定してしまった。
再発•転移だけは避けたかったのに。
怒りと悲しみの渦の中で、
抗がん剤さえ避けられれば良いのだと、自分を励まし続けた。