和やかな外来手術の1週間後。
それは、形成外科医から抜糸の最中に告げられた。 

「芳しくないものが見つかりました」


何度も聞いたフレーズだが、今回の破壊力は凄まじかった。
時が止まるとは、こういう瞬間を指すのだろう。 

  

乳腺外科を受診するのは1週間後の予定だが、それまで耐えられるわけがない。
すぐに手配してもらい、主治医から話を聞くことになった。


「リンパ節に転移したようです」


残酷過ぎる宣告に、息が出来なかった。