糖質制限ダイエットの本がたくさん出版されていて、テレビなどでもよく見かけるようになっています。
そんな状況ですから、糖質制限に関する質問をたくさんいただくようになりました。
「糖質制限ダイエットについてどう思いますか?」とかなら、まだ気軽に答えやすいのですが、「糖質制限ダイエットをやってみて体重は減っているけど、炭水化物を食べたくてすごくつらいので、やめたほうがいいですか?」といった質問が多くて、ちょっと気軽に答えにくいものだと感じてしまいます。
もし、あなたがこういう質問を受けたら、どんなふうに答えるでしょうか?
続けるのに相当な無理を感じているのだからやめた方がよいのだろうけど、やめたらリバウンドをして、体重が増えてショックを受けることになるわけだから、なんともつらいものだなあと感じます。
糖質制限ダイエット、低炭水化物ダイエットは、短期間で結果が出るので、エステサロンやダイエット教室などでも20年以上前から積極的にとり入れられてきたのですが、続けるのは修行のように大変だと感じる人が多くなります。
人は、「制限されると、余計に欲しくなる。」という性質が非常に強いので、そうなるのは当然だと思います。
そして、女性は糖質を摂取しないと特に苦しく感じるようになっているということは、実験などからもわかっています。
アトキンス式ダイエット、炭水化物制限ダイエットは大流行したあと、下火になったのですが、今度は糖尿病の人向けの食事療法から広まってきて、またダイエット方法としても流行してきました。
医師の釜池豊秋氏が主張する糖質ゼロ食という食事法・健康法というものが、続けられる人は効果が高いということで糖尿病や肥満で苦しんでいる人たちに注目されていました。
ただ、なんといってもハードで、実践できる人はかなり限られていました。
それを少しゆるく、より一般受けしやすい形で紹介したのが、医師の江部康二氏による糖質制限食というもので、現状の主流となっています。炭水化物を制限する食事法には、他にもいろいろな流派があります。
何かを食べればやせられる、何かを飲めばやせられるというダイエット方法があきらかに行き過ぎて、そういう流れはちょっと落ち着いたのですが、今度は何かを食べなければやせられる、一日一食にすると健康的とか、食べない方向が人気になっているようです。
何かを食べるとすごくよいという方向で煽りにくくなったので、何かを食べないとすごくよいという方向、すなわち足し算的な方向から引き算的な方向へ向かっているということのようです。
どちらも単純明快なので、魅力を感じる人も多いでしょう。でも、どちらにしても、フードファディズム的要素が強いと感じずにはいられません。
糖質の摂取を制限すると、血糖値はあまり上がらないため、血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが少ししか分泌されず、血糖値の変動が小さくなります。
そのため、血糖値コントロールがうまくいくようになるうえに、空腹感を強く感じないですむようになり、ダイエットもうまくいきやすくなるのです。
ただし、空腹感を強く感じないですむけれど、血糖値があまり上がらないため、満腹感もあまり感じることができなくなります。
おなかは膨れているけれど、なんだか物足りないという微妙な感じになるのです。
ごはんとか炭水化物をとらないと、「食べた気がしない」となる感覚は、よくわかると思います。
血糖値の変動が小さくなるため、空腹感も満腹感もはっきりとしなくなり、別に食べなくてもいいやとなったりします。
空腹感の喪失という現象が起きてくるのです。
食べないでいると、空腹感が起きなくなってくるため、食べなくても問題ないように感じて、むしろ高揚感が得られてしまうということは、摂食障害、特に拒食症になっていってしまう原因ともなっています。
とにもかくにも、私が特に危惧している糖質制限ダイエットの危険性は、糖質をとらないことによって、空腹感や満腹感の信号がよくわからなくなり、そして摂食障害になってしまう危険性が高くなってしまうということです。
40代、50代の男性などは、摂食障害になってしまう恐れは非常に低いので、糖尿病の食事療法としての糖質制限食やダイエット目的の糖質制限ダイエットが自分に合うと感じたならば、実践していけばよいと思います。
ただし、10代、20代の女性などは、話は大きく違ってきます。魅力があるだけに、かなり気をつけないと、摂食障害のわなにはまりかねません。
現代の私たちの食事は、ついつい手軽でおいしい糖質だらけの食事になってしまいがちです。よく考えたら、ほとんど炭水化物しか食べていないことに気づいて、これではだめだとなることも多いです。
だから、糖質をなるべく控えめにしていく、特にジュースの飲みすぎや砂糖のとりすぎは控えるとか、いろいろと気を使う必要はあると思います。
でも、行き過ぎが心配なのです。
糖質=毒、糖質をとると太るから食べないというふうに極端な思考になって、食べることに恐怖感をおぼえるようになって、ふつうに食べられなくなっていってしまうということが大問題なのです。
脅迫的な情報によって、そういう食事法をしなければいけないという強迫観念にとらわれていってしまう人は実際にとても多いのです。だから、怖いのです。
何もかもわからないことだらけであるにもかかわらず、人類にとって唯一無二の健康食だから、子供や若い女性、そして妊娠している女性も糖質制限食を実行すべきだというのは、無責任だと思います。
エピジェネティクスや成人病胎児期発症説の話を知っている人ならば、こういう食事法をこの時期に実行することが相当なリスクをはらんでいることがわかるはずです。
エピジェネティクスや成人病胎児期発症説の話は以前に記事にしました。
http://ameblo.jp/pink-diet/entry-10591133742.html
摂食障害にはまったくといっていいほど関心がないからそうなのだと思いますが、糖質制限ダイエットをすすめる人は、「これは食べてはいけない」という考え方の影響を軽視しすぎていると感じます。
低炭水化物ダイエット、炭水化物制限ダイエットというものによって、本当にたくさんの人が摂食障害におちいってしまったという事実がある以上、そういう配慮は非常に重要であると思います。
くれぐれもそういうわなにはまらないようにして欲しいと思っています。
次回は、糖質制限ダイエットの危険性と効果について、本当のところはどうなのかをより深く具体的に語っていきます。
P.S.
あまり長い記事になるよりも、短めでも更新頻度を上げてくれたほうがよいですという感想がとても多かったので(やっぱりそうですよね・・・)、長くなりすぎないように続きの記事にします。
それから、ダイエットマニュアルの感想を送ったのに、確認テストの問題やマニュアルの補足説明(本物の空腹感ではないように感じるけれど、無視できないような空腹感にどう対処するべきかの方法論などなど)を送ってもらっていないという方は、お伝えください。送れていない人が少なからずいると思いますので。
そんな状況ですから、糖質制限に関する質問をたくさんいただくようになりました。
「糖質制限ダイエットについてどう思いますか?」とかなら、まだ気軽に答えやすいのですが、「糖質制限ダイエットをやってみて体重は減っているけど、炭水化物を食べたくてすごくつらいので、やめたほうがいいですか?」といった質問が多くて、ちょっと気軽に答えにくいものだと感じてしまいます。
もし、あなたがこういう質問を受けたら、どんなふうに答えるでしょうか?
続けるのに相当な無理を感じているのだからやめた方がよいのだろうけど、やめたらリバウンドをして、体重が増えてショックを受けることになるわけだから、なんともつらいものだなあと感じます。
糖質制限ダイエット、低炭水化物ダイエットは、短期間で結果が出るので、エステサロンやダイエット教室などでも20年以上前から積極的にとり入れられてきたのですが、続けるのは修行のように大変だと感じる人が多くなります。
人は、「制限されると、余計に欲しくなる。」という性質が非常に強いので、そうなるのは当然だと思います。
そして、女性は糖質を摂取しないと特に苦しく感じるようになっているということは、実験などからもわかっています。
アトキンス式ダイエット、炭水化物制限ダイエットは大流行したあと、下火になったのですが、今度は糖尿病の人向けの食事療法から広まってきて、またダイエット方法としても流行してきました。
医師の釜池豊秋氏が主張する糖質ゼロ食という食事法・健康法というものが、続けられる人は効果が高いということで糖尿病や肥満で苦しんでいる人たちに注目されていました。
ただ、なんといってもハードで、実践できる人はかなり限られていました。
それを少しゆるく、より一般受けしやすい形で紹介したのが、医師の江部康二氏による糖質制限食というもので、現状の主流となっています。炭水化物を制限する食事法には、他にもいろいろな流派があります。
何かを食べればやせられる、何かを飲めばやせられるというダイエット方法があきらかに行き過ぎて、そういう流れはちょっと落ち着いたのですが、今度は何かを食べなければやせられる、一日一食にすると健康的とか、食べない方向が人気になっているようです。
何かを食べるとすごくよいという方向で煽りにくくなったので、何かを食べないとすごくよいという方向、すなわち足し算的な方向から引き算的な方向へ向かっているということのようです。
どちらも単純明快なので、魅力を感じる人も多いでしょう。でも、どちらにしても、フードファディズム的要素が強いと感じずにはいられません。
糖質の摂取を制限すると、血糖値はあまり上がらないため、血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが少ししか分泌されず、血糖値の変動が小さくなります。
そのため、血糖値コントロールがうまくいくようになるうえに、空腹感を強く感じないですむようになり、ダイエットもうまくいきやすくなるのです。
ただし、空腹感を強く感じないですむけれど、血糖値があまり上がらないため、満腹感もあまり感じることができなくなります。
おなかは膨れているけれど、なんだか物足りないという微妙な感じになるのです。
ごはんとか炭水化物をとらないと、「食べた気がしない」となる感覚は、よくわかると思います。
血糖値の変動が小さくなるため、空腹感も満腹感もはっきりとしなくなり、別に食べなくてもいいやとなったりします。
空腹感の喪失という現象が起きてくるのです。
食べないでいると、空腹感が起きなくなってくるため、食べなくても問題ないように感じて、むしろ高揚感が得られてしまうということは、摂食障害、特に拒食症になっていってしまう原因ともなっています。
とにもかくにも、私が特に危惧している糖質制限ダイエットの危険性は、糖質をとらないことによって、空腹感や満腹感の信号がよくわからなくなり、そして摂食障害になってしまう危険性が高くなってしまうということです。
40代、50代の男性などは、摂食障害になってしまう恐れは非常に低いので、糖尿病の食事療法としての糖質制限食やダイエット目的の糖質制限ダイエットが自分に合うと感じたならば、実践していけばよいと思います。
ただし、10代、20代の女性などは、話は大きく違ってきます。魅力があるだけに、かなり気をつけないと、摂食障害のわなにはまりかねません。
現代の私たちの食事は、ついつい手軽でおいしい糖質だらけの食事になってしまいがちです。よく考えたら、ほとんど炭水化物しか食べていないことに気づいて、これではだめだとなることも多いです。
だから、糖質をなるべく控えめにしていく、特にジュースの飲みすぎや砂糖のとりすぎは控えるとか、いろいろと気を使う必要はあると思います。
でも、行き過ぎが心配なのです。
糖質=毒、糖質をとると太るから食べないというふうに極端な思考になって、食べることに恐怖感をおぼえるようになって、ふつうに食べられなくなっていってしまうということが大問題なのです。
脅迫的な情報によって、そういう食事法をしなければいけないという強迫観念にとらわれていってしまう人は実際にとても多いのです。だから、怖いのです。
何もかもわからないことだらけであるにもかかわらず、人類にとって唯一無二の健康食だから、子供や若い女性、そして妊娠している女性も糖質制限食を実行すべきだというのは、無責任だと思います。
エピジェネティクスや成人病胎児期発症説の話を知っている人ならば、こういう食事法をこの時期に実行することが相当なリスクをはらんでいることがわかるはずです。
エピジェネティクスや成人病胎児期発症説の話は以前に記事にしました。
http://ameblo.jp/pink-diet/entry-10591133742.html
摂食障害にはまったくといっていいほど関心がないからそうなのだと思いますが、糖質制限ダイエットをすすめる人は、「これは食べてはいけない」という考え方の影響を軽視しすぎていると感じます。
低炭水化物ダイエット、炭水化物制限ダイエットというものによって、本当にたくさんの人が摂食障害におちいってしまったという事実がある以上、そういう配慮は非常に重要であると思います。
くれぐれもそういうわなにはまらないようにして欲しいと思っています。
次回は、糖質制限ダイエットの危険性と効果について、本当のところはどうなのかをより深く具体的に語っていきます。
P.S.
あまり長い記事になるよりも、短めでも更新頻度を上げてくれたほうがよいですという感想がとても多かったので(やっぱりそうですよね・・・)、長くなりすぎないように続きの記事にします。
それから、ダイエットマニュアルの感想を送ったのに、確認テストの問題やマニュアルの補足説明(本物の空腹感ではないように感じるけれど、無視できないような空腹感にどう対処するべきかの方法論などなど)を送ってもらっていないという方は、お伝えください。送れていない人が少なからずいると思いますので。