母親が兄を出産した翌年に、その母親、つまり私の祖母が亡くなって暫く経った頃の話。

 

毎日辛いなぁ、と思っていた母親がある日の晩に、不思議な夢を見たそう。

 

どうやら、亡くなった母親に会ったとか。

 

歩き疲れた(だったかな?)母親が、大きな川の向こうに亡くなった母親が立っていて、

 

「◯◯~、◯◯~」

 

と、母親の名前を呼んでたそうな。

 

 

「お母ちゃん、そっちに行きたいのだけど行けないよ~!!!」

 

と、母親はその亡くなった自分の母親に大きな声で言ったけど、
それでも祖母は、◯◯~、◯◯~と、何度も母親の名前を連呼したと。

 

 

そして、ハッ!と目が覚めて、

 

「あれは、もしかして三途の川?

 もし、私があのままお母ちゃんの所に行ってたら、死んでたのかも」

 

と思ったそう。

 

 

この時、とっても悲しくて、涙が止まらなかったと言ってた。

 

 

私がこの話を聞いた時と言うのは、私が既に母親からもDVが続いてた時だったけど、
でも、DVなどと言う言葉は存在もしていなくて、家庭内暴力と言う言葉が世の中に出始めていた頃だったな。

 

家の中が荒れて荒れて、もうどうしようも無い時だった。

でも、それは母親が悪いのではなくて、「違うヤツ」のせいだと思ってたので、母親に同情してしまった。

 

今思えば、勿体ないよ、その同情の気持ちは。