ここでいう「デコピン」は、話題の大谷さんペットではなく、
指でおでこをパチンと弾く、あの昔ながらの“デコピン”です。
デコピンの動作を分解すると──
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親指で弾く指(人差し指など)をしっかり押さえ込み、力を蓄える。
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親指の押さえが外れる瞬間、弾かれた指が一気に加速して伸びる。
このとき、指そのものを速く「動かしている」わけではありません。
親指による**抑え(抵抗)**によって一時的に力が溜まり、解除された瞬間に“蓄積エネルギー”が一気に放出されるのです。
もし親指の抑えがなければどうなるでしょう?
単に指を伸ばすだけの「デコピン」になり、痛くもなければスピードも出ません。
🔹ゴルフスイングとの関係
ゴルフスイング(特にスインガーはほぼ100%)も、この
「抑えて解放する」メカニズムを巧みに利用しています。
スイング中に“クラブを振る”のではなく、
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グリップの軌道と体の動きが**「溜め」**を作り、
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クラブヘッドが慣性と遠心力によって自然に弾かれるように走る。
つまり、ヘッドを「速く動かそう」と意図するのではなく、
**“解放されるまで抑えを効かせておく”**ことが、最大の加速を生むポイントです。
その結果、クラブはまるでデコピンの指のように、
止めていた力が一瞬で解き放たれ、ヘッドスピードが最大化します。
🔹そして、クラブで重要なのが「ライ角」
デコピンの力が正しい方向に伝わるためには、指の向きが合っていなければいけません。
同じように、スイングで溜めたエネルギーを正しくボールに伝えるための角度が――
まさにクラブのライ角です。
ライ角が合っていないと、
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インパクト時にフェースの向きがズレ、
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「抑えて解放」した力が斜め方向に逃げてしまう。
逆に、ライ角が自分に合っていると、
クラブの“弾かれる力”がそのままターゲット方向に伝わり、
デコピンのように一直線にエネルギーが抜けるスイングになります。
また、アップライトなクラブはターンが早くなり、
フラットなクラブはターンが遅れる傾向があります。
したがって、ライ角が合っていないと、スイング全体のタイミングとパフォーマンスが大きく低下します。
