今日もブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日は、日本語教育〔外国人に教える外国語としての日本語〕と、

継承語教育〔日本にルーツがある子供たちの日本語教育〕両方にいえることについて書こうと思います。

 

日本語って、難しい言語のひとつと言われていますが、

それは、

 

1:文法が複雑

2:表音文字〔音を表す文字:ひらがなやカタカナ〕と
  表意文字〔一つの言葉が意味を持っている:漢字〕があること
3:1つ漢字の読み方が複雑

等のほかに
4:コミュニケーションマナー〔人間関係・話す相手によって話し方が変わる〕

という、理由からだと思っています。

今日は、4のコミュニケーションマナーについて、お話したいと思います。
 

コミュニケーションマナーというのは、

やはり「コミュニケーションの場」があって身につくものです。


独学の生徒さんや、能力試験の勉強をした生徒さんはなかなか身についていないことが多いと思います。
最近、中級クラスに、日本語能力試験N3、N2合格の独学の方が来ていますが、


簡単な質問なのに、
聞き取りがうまくできないだけでなく、

聞き取れても単語の使い方を間違っていたり、

単語でしか話せなかったり
コミュニケーションがなりたちません。
でも、テストに合格したくらいなので、知識はたくさんあるんです。
 


単語の使い方や文法ということもありますが、
コミュニケーションの仕方をしらないと〔どんな場で、だれに、どのような話し方をするのか〕
コミュニケーションができないんです。
続かないんです。


これは、じつは継承語教育にも言えることです。
継承語の場合、小さいころから日本語環境があると

聞き取りや会話はスムーズなお子さんも多いです。


が、コミュニケーションマナーができてないと、

せっかくスムーズに流暢に話せてもコミュニケーションに支障が出てきます。


具体的には
限られた環境〔家族とだけ、友人とだけ〕だけで使っていると、
・あれ?家族や友人、いつも話す人以外の日本語が聞き取れない

ということが出てきます。
これは、いつも聞いている人達の「音声」「速度」に慣れているから
それ以外の日本語に耳が慣れていない状態です。



できれば、家族・友人以外の日本語に触れさせてみてください
クラスなどで学びの場がない場合、映画や動画を使うといいですが、

できれば現実的なものがいいです。

 


アニメなどは独特の世界観があったり、

時代が昔すぎたり、仮想のものだと言葉使いが現実的じゃないので、
現実的なものをえらんでみてください。

 


NHK for Schoolや、知育動画などがあればいいですし、

それ以外でもさざえさんは〔昭和すぎますが💦〕

比較的丁寧な話し方をしているといわれていますし、

ドラえもんなんかもいいかもしれません。
学校生活が出てくるものがいいかもしれません。

言葉使いが比較的独特なものじゃないほうがいいです。



また、コミュニケーションマナーができていない場合

だれにでも「あのさ~〇〇じゃん」「~だよね」など
「です/ます」で話せなかったり

子供たちが、男の子のお友達が使っているから相手に「おまえ」と言ってしまったり、

相手に「きみ」と言ってしまったり・・・

わたしの継承語クラスでも、そういうことがちらほらあります。
幼児の場合は、「ちがうよ」と否定はせず根気強く教師が言い直してあげてください
訂正ばかりしたり、リピートさせたりしてると話す意欲がなくなるので

自分から言い直すまでは、根気強く教師が言い直して聞かせてあげてください。



小学生の場合は、教えましょう!

教育番組をつかって、話し方の違いに気づかせ、

クラスでもどんな時には「~です」「~ます」を使うのか
説明し、ルール付けを行います。
今から発表だから、作文だから「~です」「~ます」という丁寧な話し方にしましょうね! 
などとリマインドを常にしていきます


が、1週間に1度のレッスンだけだとなかなか実感してくれないので、定着も時間がかかります。

しかし、ある日クラスで、ある男の子が何も言わなくても丁寧な話し方をしてきました。
あれ?と思ってお母さま(日本人)に来てみたら

『ある日、仕事の関係で日本人の方と日本語で話していたんです。その時、息子がなんで
(~です)とか(~ます)とかいつも自分たちと話すときと違うの?」と聞いてきたんです。

それで、説明したからかもしれません』とおっしゃっていました。


きっとその時、点(授業で私が教えた知識)と点(現実に起こった体験)が線で結びついたときだったと思います。

やはり、卓上で教わる知識だけではなく、体験があればもっとしっかり身につきますね。
体験だけだと知識の面でうまく理解できてなかったり、知識だけだと自分事として身につかないんだな~
と思った瞬間でした。

日本語はコミュニケーションマナーもすごく重要なので、
よかったら、家族や友人以外の日本語に触れる機会、話す機会を作ってみてください。
それも、一緒に遊ぶとかパーティーとか、楽しめる場がいいですね。
 

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親子の絆を言葉でつなぐ

【【国際結婚や海外移住の場合、

お子さんは2つまたは2つ以上の言語環境で育ちます。

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