逃げた魚は鯨だった話と鯨だと思ったらメダカだった話 | 大阪の古本屋【パインブックス】

大阪の古本屋【パインブックス】

本の価値と需要性を最大限に考慮して買い取り価格を決めています。ご不要になった本も必ず必要とする人がいます。捨ててしまうのはもったいない。大手買取会社では古すぎて価格が付かない本も当店では高値で買い取れる可能性があります。ぜひ、その本をお売りください。

本屋さんでせどりをしておりました。

買取が順調であればせどりをせずとも
在庫が充実して良いのですが、そうもいかない
のがパインブックスの厳しい現状でございます。

そこで何度か出会う通称”手袋じいさん”は
白い手袋をいつもしている小柄で少し太っている
おじいさんであります。

このおじいさんとは会話を交わしたことはなく
逆に私のパーソナルスペースを大胆に侵してくるので
少々苦手でありました。

”手袋じいさん”だけではなく私は私のパーソナル
スペースにむやみに入ってくる人が苦手であります。

本日も
”手袋じいさん”は私のパーソナルスペースを
侵してきます。ちょっとだけ離れようとしたその時に
私の顔を見て

「本屋さん?」

と言ってきたのです。

面を食らったのと本屋でせどりしているのが妙に
恥ずかしかったので思わず

「違いますよぉ。」と上ずった声で答えました。


「おれ、本7000冊持ってんねん。
処分したいんやけどなぁ~。」

”手袋じいさん”は言いました。

私は思わず声にならない声で「え"っ」と言ってしまいました。

間髪いれずに後ろから奥様らしいおばあちゃんが来て
”手袋じいさん”は行ってしまいました。

あの時、なんで「本屋です。」と言わなかったのだろうという
後悔の念がうずまきます。

また会えるだろうか。


7000冊か~。
話半分でも3500冊。
私にとっては莫大な量です。

買取りたかったな~。

逃げた魚は正しく鯨でございました。



つづく