おはようございます
午後からは、スッキリ晴れるかも
地裁ではあるけれど、
死刑判決が出ました。
この事件では、
心神耗弱などの判断をどのように評価するのか?
被害者親族の厳罰を求める心情をどの程度考慮するのか?
裁判員による量刑判断をいかにするのか?
そもそも死刑判決をだしてよいのか?
など、論点がたくさんあります。
ここでは、精神鑑定の要否についてみてみます。
この事件では、精神鑑定が
起訴前と起訴後の二回行われました。
で、その判断ですが、
起訴前には、心神耗弱であった とし、
起訴後の判断では、責任能力を十分に問える精神状態であった
と、正反対の鑑定がされました。
精神鑑定で心神喪失とか心神耗弱などと
診断された場合でも、
裁判所で、十分責任能力がある と判断されることは
よくあるハナシ。
今回、心神耗弱について鑑定された理由は、
被告人には 「 幻聴が聞こえる 」 とされたため。
これだけ聞くと、そりゃ精神鑑定必要だろう と思いますね。
結果、精神鑑定がなされ、この点、問題がなさそうにも思えます。
でもこの幻聴の原因は、覚醒剤を使用していたため
だそうです。
とすると、 原因において自由な行為 に該当し、
そもそも精神鑑定なんて不必要と判断されてもおかしくない。
( この裁判では、実際に、覚醒剤が犯罪時に作用していたのかどうか
分からないので、精神鑑定を行ったと思われる。 )
つまり、幻聴や幻視を引き起こす薬を違法に服用し、
その結果、幻聴を聞きながら殺人に及んでいる。
この、 「 幻聴を聞きながら 」 という部分で、
精神鑑定を求めるというのは、筋違いだろうということ。
そうなることは、分かっているのだから。
例えば、お酒に酔っ払うと暴力的になることを
本人が知っている場合に、
酒に酔って訳が分からなくなって人を殴っても、
それは先の 原自行為 にあたり、
違法性も責任も阻却されない。
当然に、刑事罰を科されます。
覚醒剤を服用すると、
訳が分からなくなる。
幻聴・幻視は起こるし、
襲われるという妄想が起こることも、
よく知られています。 多くの人が知っている事実。
この点、本人が知らなきゃ責任を問えないとする説もあるけれど、
裁判所は採用していないし、僕もそうは思わない。
人を殺すときの心情がどんなものかは、想像も付かない。
おそらくそれは、相当におかしな精神状態であることは、
間違いが無い。このおかしな精神状態のすべてが、
心神耗弱などというなら、
多くの犯罪者が減刑されてしまう、ということになる。
それはまた、おかしなことです。
現在分かっている事実関係の範囲で、
精神鑑定の要否と違法性・責任阻却について、
思うところ、書いてみました。