何年か前に
非常に自分の気持ちが
コントロール不能で 困った時期がありました。

退職して 心機一転入ったスパが
殊の外合わなくて
今なら 辞めたらよかったのに、と思うのですが
色々考え過ぎて
正直
頭の中がどうにもならなくなったことがありました。

なんというか
もう一人の 幽霊みたいな自分が形成されていって(食べたくないし 出かけたくない、人と話したくない、何もしたくない)
いつもの自分が
必死に抵抗するけど 乗っ取られるような、凄く怖い体験でした。

乗っ取られたら どうなるかというと 
多分 自殺傾向にあったのでは と思います。

小さくなっていったほんとうの自分が

このままここにいたら 死ぬよ、

って 
訴えていました。

反面 、自殺を助長するような
 まるで 悪霊のような
怖い私が いました。

力を振り絞って親に電話して
事情を話し(鬱だから 帰るって言っただけ)
パッキングが 出来なくて、
日本に帰ってから なーんにも入ってないことに 驚き、でも 

そんなの どうでもよかった。

逃げるようにして 一時帰国したのです。

パッキングは 一つ入れたら疲れてベッドに横になる感じで 
だるくてだるくて
頭の中は 鬱だってことのパニック。
死ぬんじゃないか 、
いつか乗っ取られて
しまうんじゃないか、
そればかりが ぐるぐる。
飛行機を取るのも 相当疲れましたが ほんとうに 必死でした。早く 帰らないと まずいことになる。
乗っ取られる前に。。。

体重は 2週間で 9キロほど激減。帰国して測ったら体脂肪率も 今まで見たことがない数値でした。
無理して食べていたけれど、それでもみるみる痩せて行きました。

たまたま母の紹介で
漢方治療が始まり、
無気力だった私は 徐々に回復しました。
初めは テレビさえ 見ていられなかったと言うか 全く見たくはない。
大好きなコーヒーも いらなかった。
両親は 腫れ物に触るように オロオロしていましたが
次第に慣れ
普通に接してくれるようになりました。
お医者さんの話では 
私は 重度ではなかったようでした。
重度だと自分で病院に来れないって。

実は

あの頃 あまちゃんをやってたんですよね。
あの小さな15分の時間枠も、無気力な私にはちょうどよかったし、溌剌とした主人公や 魅力的な 周りの人達の 輝き みたいなものを 
日々少しずつ 吸い取って 、今では いい療法だったと 感謝しています。
だんだんと 
あまちゃんが観たいなって 思えるように。
シドニーの家は そのまま家賃を払っていたので
そうそう長くはいられませんでした。
引き払うにも もう 貯金が底をつき始め
約2ヶ月くらいだったかな。
その間 誰にも帰国は知らせず過ごし
またひっそりと
完全回復とまではいかなかったけれど
沢山の漢方薬を持って シドニーに戻り
今度は
日本に永久帰国するつもりで
車購入費用と 犬を飼う費用を貯めて 数ヶ月で帰ろう、と決めて 就職活動し始めました。私の地元は
車がないと 就職に大きく影響します。

貯まったら すぐ 、帰ろうって。
ausではもう 自分の限界だと
思っていました。
日本に早く 早く 帰ろう。地元で 
愛する犬と 両親と 暮らす。
それだけを 支えに 立ち上がって、
最初は きつかった。

結局そのまま 何年も経ち。
未だにシドニーですが。

あんな 怖い思いは もう二度としたくありません。
でも 時々 恐ろしい入口が 見える時は あります。

そういう時は 。
きちんとしたものを きちんと作って食べること。
なるべく外に出ること。(だから雨は困る
)太陽の光は 重要です。
この二つは、守ろうと決めています。
作る気力が なくならないうちに
ちゃんと 作ってちゃんとしたものを食べる。歩く。

暗い話や ドラマは 聞かない。見ない。
明るく しあわせな気分になるものを 選ぶ。これも 決めているわけではないですが 自然とそうなります。

鬱は、苦しいです。
恐ろしいのは
架空の世界で起こっていることではなく
現実であること。
心底苦しかった時のことは
覚えていないことが多いです。