夕方から雨の予報で、買い物の時に降られたらいやだなと朝から思っていた。在宅勤務の仕事が終わり、降り出す前にと、曇り空の下を急いで自転車で買い物に向かっていた。
角を曲がったとき、ドンと音がして自転車に軽い衝撃があった。自転車を止めて振り返ると歩道に止めてあったバイクに、私の自転車の後部座席が触れたらしく、バイクのミラーが飛んで転がっていた。
慌てて自転車を降り、バイクが止まっていた歩道の前のお店を覗き込むと、中からインド・ネパール系の若い男性が、ヘルメットを持って出てきた。
事情を話すと、最初「オオ…」と困ったような顔をして、「修理デキルカナ…ヤッテミルネ」とにっこり笑った。バイクのサドル?から工具みたいなものを出して、外れて飛んだミラーのネジを回してみたり、ぎゅっと押し込んでみたりしながら、「ソチラハ大丈夫ナノ?怪我シテナイ?」などと言う。「急イデタンデショ?行カナクテ平気?」と。
それで、子どもを一人で家に置いてきていること、事情を伝えに帰りたい旨を伝えると、「行ッテキテ!」と快く言ってくれた。
私がその場を離れるとき、連絡先をと携帯を出すと笑って手を振って、名前も聞かず、「行ッテ行ッテ」と言ってくれて、私は「必ず戻るんだ(家はすぐそこなんですけど)」みたいな使命感に駆られてまるで『走れメロス』みたいだな、全然違うけどね、と思いながら家路を急いだ。
自宅に戻って娘にかくかくしかじか、と事情を話すと、息をのみ、深刻そうな顔をして、それから意を決したように、「私が一緒に行って謝ってあげる」と言う。
それでずっと忘れてた記憶がよみがえってきた。
幼いころに、父と出かけて、駐車禁止だったか、父が警察に話を聞かれていて、私は車の中で待っていたのだけれど、心配で心配で、ついに父のカバンをもって車を降りて、警察の人のところへ「おとうさんがすみませんでしたー!」と言いながら走って行ったのだった。
若いころ父はこの話を嬉しそうに、何度も話していたのだけれど、あのときの父の気持ちが、すごくよく分かった気がした。私もまた、この話ネットに書き込み、きっと周りにも話し、娘にも何度も何度も話して聞かせるだろう。
バイクのミラーは結局修理を依頼し、値3,500円。安くて助かった。
歩道に止めていた自分も悪いから、自分が2,000円出すよというその人を制して、全額お支払いしてきました。(3,500円で偉そうね
)
ちなみにそのインド・ネパール系の男性は、近所のカレー屋さんを経営しているご家族の一員らしく、別れ際「今度、食ベニ来テネ!」と白い歯を見せて笑った。
若かったらさ!こんなことで、恋が始まったかもしれないよね
と、バカバカしいことを考えながら帰りました。
まじめな話をすると、これはヒヤリハット事例ですね。
ちょっと違ったら誰かを怪我させていたかもしれない。最近この暑さや湿度に疲弊して、注意力が散漫だから、心して暮らそうと思ったことでした。
これはぜんぜん関係ないカレーライス🍛

