古典というのは、印刷技術などない昔、人の手で写し書きして伝えてきたもの。
もっと言うなら、文字を書くのも、いま私がカタカタとキーボードを打ち込むような容易なことではなく、筆を出し、墨をすり、消せない文字を、貴重な紙に綴っていくという作業だったわけで、いま残る古典は、凝縮された、吟味しつくされた文章です。
適当な本を100冊流し読むのより、丁寧に丹念に、一冊の古典をしっかりと読み込むことができたら、本当は一番いいのではないかなと思ったりします。
でも実際には、古典をしっかり読むのはとても難しい。
「試験じゃないのだから、大づかみに意味を追えばいい」と思ってみても、馴染みのない言い回しが続く文章を読み続けるのは簡単ではなく…。
私は、のんびりのんびりと時々古典を読みます。
一番好きなのは、『平家物語』です。
若い頃に、平家物語の著名な研究者の方のお話を伺ったことがあります。
「平家物語は、口で伝えられたものだから、琵琶を弾きながら語る速度で読むのがいい」と、実演してくれたのは目から鱗でした。
たしかに、口語訳などせずに、ゆっくり、語る速度で読むと、しんと、深く理解出来るような気がします。
とはいえ。
全体のストーリーは、頭に入っていた方が遥かに読みやすいという意味で、漫画やアニメは、有効です。
私の好きな平家物語が、昨年アニメになりました。
私はAmazon primeで見ましたが、これが!よかったので!
いつか記事にしたいと思っていました!!
このアニメ。
原文を、非常に上手に使っていました。
例えば、壇ノ浦、安徳天皇入水の場面。
合戦を描くアニメーションの素晴らしさは言わずもがな、ですが、クライマックス、琵琶の音とともに語られる平家物語原文が、原文でなくては出せない臨場感を与えてくれます。
幼き帝(安徳天皇)山鳩色の御衣に
びんづら結わせ給ひて
御涙におぼれ
ちいさくうつくしき御手をあはせ
まづ東をふし拝み(中略)
其の後西に向かはせたまひて
御念仏ありしかば
二位殿やがていだき奉り
波の下にも都のさぶらうぞと
と慰め奉って
千尋の底へぞ入り給ふ
黄緑色の御意を纏った幼い帝が泣きながら、東、西とふし拝み、小さな可愛らしい手をあわせて念仏するのを、祖母である二位殿が抱き上げて、波の下にも都はありますよと慰めて入水する
という場面。
初めて平家物語を読んだ若き日、壇ノ浦(下関市)に、私は初めての一人旅をしました。
この場面に圧倒されて。
懐かしい思い出です。
ゆっくり読む。
丁寧に読む。
私は日常の読書ではなかなかできないのですが、古典だけは、流し読みできるほどの知識がないために、ゆっくり、丁寧に読むことができます。
でもまずはアニメが!
すごくよいので、よかったらお盆休みにでも、是非ご覧になってみてください![]()
◎主題歌もよかったー![]()
