ある税理士さんと飲んでて、夜も更けて携帯電話で仕事の話をしていたら、

「こんな時間まで、電話でるな！」

と言われました。松井は出ますよ、24時間。

というのも、私、社会保険労務士なんで、保険なんで、保険といえば、保険事故があるから、夜中でも電話は出るようにして、事務所の固定電話も転送して、できるだけ、すぐに、その場で社長と話をします。そりゃ、日が出なきゃ、役所も開いてないわけだし、話は何も進まないけど、それでも従業員がケガをしたら、けが人も社長も不安だからねぇ、とりあえず話を聞いて、初期対応を指示するだけでも、ほっとするみたいです。

先だっても、朝も早くから、電話が鳴りました。

「せんせ、社員が顔面打って、鼻血出して、歯が折れて、えらいことなんですわ、もう、どないしますねん、これ、血だらけ、あーあ」

って、社長のマシンガントーク炸裂です。

どうしたんですか？

「いやぁ、経理の山岡が会社の駐車場のポールにかかってる鎖をまたごうとして、足引っ掛けて顔から落ちたみたいで、救急車で運ばれました」

って、なんでそこでこけるかな。どうして手をつかないかなぁ、顔からいくか、普通。

「そうなんですよ、そんで先生、病院で、通勤災害って言うといたらええですね。お金、いりませんね、これ」

朝だし？仕事前だし？通勤災害？

答えはノーです。

正解は業務災害なのです。

業務開始前だし、通勤災害っぽいですが、事業場内の施設でのケガなので、業務災害になるんです。施設の管理も事業主の責任なんですよ。なので、事業所の施設が原因でケガをしたら、業務災害になるんです。

よく似たケースで、出張先に行く途中、出張先から帰る途中も、途中ですから通勤災害になりそうですが、実は業務災害です。「帰るまでが遠足だから、気をつけて」と子どもの頃言われましたね。大人になっても一緒です。「帰るまでが出張だから、気をつけて」くださいよ。酔っ払って、駅の階段から転げ落ちないようにね。よろしく、頼みます。

ということで、

「業務災害って言うといてください。お金は払う必要ありませんから」

その一言で、社長は安心します。

社長が安心して、さくさく説明ができると、ケガした社員もご家族も安心しますから、ま、役所が開いてない時間でも対応してあげるべきなのです。

ところで、業務災害と通勤災害、おんなじ労災保険なのに、なんでこだわって言い直したのか･･･については、明日書こうと思います。

また明日、読んでくださいね。

そこでこけるかぁ～