今回は身の上話で。

昨年までの約8年余り。

日本最大手のセレクトショップのクロージングセクションの商品企画、ディレクション等を主に長い間やっておりました。










こんな感じのとあるレーベルのドレスアイテムを中心に企画デザインをしていました。アウトレットモールを中心に展開していたレーベルなので、意外と全国的にみると馴染みのある方も多いかも知れませんね。

海外生産を軸に会社の中でもこのレーベルは生産数量が1番位に多かったので、

①老舗セレクトショップらしいトレンドとクラシックの共存

②万人にお求めやすい大衆性

③リピートファンを裏切らないクォリティの維持

これらを念頭に全然手が抜けず大変でしたね笑


日本を筆頭にアジアの諸国の工場を廻って良い物作りが出来る様に全力を尽くしてきた気がします。

何ならドレスの物作り極めてきたのかなぁとか調子の乗ってたかも知れませんね。


でも久しぶりに店に戻ると、改めてこのブランドにはまだまだ自分はガキンチョだと思い知らされました。


もうみんなこのブランドはお馴染みナポリのスティレラティーノ。ウチのクロージングスタッフもみんな着てます。

私は天邪鬼なので距離感出してましたが、、

分かりやすくこれはそう簡単には真似出来ないなって改めて痛感しました。

誰が着ても、着た瞬間に感じるカッコいい。着やすい。と感じる事の出来るジャケット

語ろうと思えばいくらでも。でも語らずとも羽織って頂ければ直ぐに分かるイタリアナポリ仕立てのジャケット。


超絶に感じるのはパターン。私もパターンをかじっておりますがスマートに美しく魅せる肩周りとダキ周りながら、余分な逃げがなく非常に着やすい型紙はアットリーニ家の至宝ではないでしょうか。そしてその型紙を存分に表現する縫製技術。



どうしても国内縫製では再現が不可能なイタリア人の秘伝の技術。出来れば譲って欲しいです。


表題は80年代にイギリスで風靡した有名なトリオバンド、ポリスの代表曲「見つけていたい」。彼らって結成前から豊富なキャリアをもつやり手のメンバーなんですがそんな技巧派の3人があえてシンプルな大衆然とした曲を奏でた意味。

これ見よがしに多くを語るのは野暮。万人が直感で良いと思えるモノの背景には実は卓越した技術が隠れてるものなんですよね。


ナポリ仕立てのジャケットはいつまでも見つめていたい至極の美しさでした。