【セイロン沖海戦】急降下爆撃の驚異的な命中精度とミッドウェーの失敗の兆候 | 群盲像をなでる

【セイロン沖海戦】急降下爆撃の驚異的な命中精度とミッドウェーの失敗の兆候

 1942年4月5日~9日に生起した日本軍のインド洋作戦の一環で起こった海戦。第1航空艦隊(赤城、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴)航空隊の活躍により軽空母ハーミーズ、重巡コーンウォール、ドーセットシャーを撃沈するものの、イギリス東洋艦隊を壊滅させるにはいたらず、中途半端な結果に終わった。ともあれ、セイロン沖海戦における第1航空艦隊の艦爆隊の攻撃結果は以下のとおりであり、その命中率は驚異的である。
 赤城 艦爆隊 投弾17発 命中16発(1機投下不能)
 蒼龍 艦爆隊 投弾18発 命中11発
 飛龍 艦爆隊 投弾18発 命中13発
 瑞鶴 艦爆隊 投弾14発 命中13発
 翔鶴 艦爆隊 投弾18発 命中13発

 大東亜戦争において、あまり知られていないインド洋作戦ですが、日本の急降下爆撃の練度が非常に高いことが証明された戦例です。急降下爆撃は水平爆撃に比べて命中精度が高いと言われていますが、それでも25%程度と言われておりセイロン沖海戦の命中率80%は驚異的です。訓練でなんとかしようとするさすが日本人!!
 とはいえ、以下の点で後のミッドウェー海戦における失敗の前兆を感じさせます。
1 暗号が解読され英国東洋艦隊がセイロン島海域で待ち伏せていた。
2 偵察が不徹底で東洋艦隊を発見できなかった。
3 地上爆撃→艦隊攻撃の際に兵装転換を行い迅速な攻撃を行わなかった。
4 第一航空艦隊がイギリス空軍機の接近に気づかず空母「赤城」が攻撃換装中にウェリントン爆撃機9機に空襲された。
あぁ、見事にミッドウェーだ・・・「ヒヤリ、ハッと」を重大に取り扱わないと後々重大な失敗をしますよ・・・他山の石として、心に刻みたい。

写真は
沈没する軽空母ハーミーズ
急降下爆撃の主力99式艦上爆撃機
装備換装中に赤木を空襲したウェリントン爆撃機