February 2013
田中淳夫 「森林異変 日本の林業に未来はあるか」
米倉久邦 「森のチカラ 日本の森林再生プロジェクト」
大成浩市 「森林で働く」
将来、林業とか森林の中で働く仕事に就けないかと思い立ち、まずは本を読んでみることに。図書館の蔵書検索で「林業」というキーワードをたたいて出てきた本たち。
田中淳夫の本は一番リアルな現状を教えてくれている。いろいろな調査結果や統計に基づいている部分が多く、信頼できそう。多少論理展開が飛躍するところもあるように感じたが、林業をとりまく各種業界の浮く雑な絡み合いなどもよくわかった。結論的には日本の林業は負のサイクルに陥っているが、わずかな希望はある、らしい。いろんなジレンマやトレードオフがあって、正直、私にはとてもやっていけない、と思った。
でもなんとかしないとヤバい。林業は単なるカネを生むための業ではなく、国土や水を守る業であることをしっかり理解しないといけないし、逆に国土や水を守る業の副産物として森林を効率的に使ってカネを生み出す、という逆の発想もありえる。
以下は記憶に残った内容
・日本国土の66%が森林、その内40%が人工林。
・備長炭は木炭の内、ある材料(ウバメガシ)と製法でできた木炭を指す。備長は発明した人の名前から。
・苗木は1.2m間隔で植える。
・スギやヒノキの伐採時期は40~60年。暖かく成長の速い土地では20年で伐採する地域もあり。
・森林の境界問題は深刻。どこまでが誰の土地かわからずに手が出せない土地が増えている。
・極相林とは、植生の変遷が終わりきって、それ以上植生が変化しない林を指す。
・緑資源機構が地域の森林組合などと分収林契約をして人工林の増加を促した。
・森林は酸素を作ると言われているが、呼吸や落ち葉の分解などで酸素を使うので、トータルで見ると酸素を作り出す効果はほとんどない。しかし二酸化炭素の吸着効果は大いにある。
・林業を活性化させるには木材の需要を高めるしかない。木は他の材料よりも何が優れているか?もっともすぐれているのは、人の心を和ませる「見た目や手触り」。これを十二分に発揮させて使わないといけない。
田中淳夫 「森林異変 日本の林業に未来はあるか」
- 森林異変-日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)/平凡社
- ¥798
- Amazon.co.jp
米倉久邦 「森のチカラ 日本の森林再生プロジェクト」
- 森のチカラ―日本の森林再生プロジェクト/三五館
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
大成浩市 「森林で働く」
- 森林で働く (なるにはBooks)/ぺりかん社
- ¥1,260
- Amazon.co.jp
将来、林業とか森林の中で働く仕事に就けないかと思い立ち、まずは本を読んでみることに。図書館の蔵書検索で「林業」というキーワードをたたいて出てきた本たち。
田中淳夫の本は一番リアルな現状を教えてくれている。いろいろな調査結果や統計に基づいている部分が多く、信頼できそう。多少論理展開が飛躍するところもあるように感じたが、林業をとりまく各種業界の浮く雑な絡み合いなどもよくわかった。結論的には日本の林業は負のサイクルに陥っているが、わずかな希望はある、らしい。いろんなジレンマやトレードオフがあって、正直、私にはとてもやっていけない、と思った。
でもなんとかしないとヤバい。林業は単なるカネを生むための業ではなく、国土や水を守る業であることをしっかり理解しないといけないし、逆に国土や水を守る業の副産物として森林を効率的に使ってカネを生み出す、という逆の発想もありえる。
以下は記憶に残った内容
・日本国土の66%が森林、その内40%が人工林。
・備長炭は木炭の内、ある材料(ウバメガシ)と製法でできた木炭を指す。備長は発明した人の名前から。
・苗木は1.2m間隔で植える。
・スギやヒノキの伐採時期は40~60年。暖かく成長の速い土地では20年で伐採する地域もあり。
・森林の境界問題は深刻。どこまでが誰の土地かわからずに手が出せない土地が増えている。
・極相林とは、植生の変遷が終わりきって、それ以上植生が変化しない林を指す。
・緑資源機構が地域の森林組合などと分収林契約をして人工林の増加を促した。
・森林は酸素を作ると言われているが、呼吸や落ち葉の分解などで酸素を使うので、トータルで見ると酸素を作り出す効果はほとんどない。しかし二酸化炭素の吸着効果は大いにある。
・林業を活性化させるには木材の需要を高めるしかない。木は他の材料よりも何が優れているか?もっともすぐれているのは、人の心を和ませる「見た目や手触り」。これを十二分に発揮させて使わないといけない。