September 2007

氷点 (三浦綾子小説選集)/三浦 綾子
¥1,890
Amazon.co.jp

手持ち無沙汰で立ち寄った古本屋で買った、3冊100円の本の内の2冊(上と下)。

朝日新聞朝刊に連載したものだけあって、読者を惹きつける書き方で退屈させないストーリー。
ドラマティックで、三浦綾子はきっと熱い人だったんだろうなぁと思う。キリスト教の影響を少なからず感じるが、嫌ではない。
「夫婦とは、家族とは、血のつながりとは、命の重さの違いとは」そんなことを考えさせる内容。

海外で飛行機事故などがおこると、よく、「日本人は搭乗していなかった模様です」などといった一言が必ず付け加えられる。
昔からこの言葉に違和感を持っていた。日本人がいなければどうでもいいのか。
人が死んでいるのに、日本人がいたら大騒ぎして、いなければそれで終わってしまうのか。。。
そんなことを想起させる本でした。

ぴもーには子供はないけど、血のつながっている・いないってそんなに大事なのかなー。
ぴもーはお母さんに愛されてる(と思う)し、自分も愛している(なんて大真面目に言うのも変だけど)と思うけど、ある日「君たちは血がつながってないよ」って言われたら、この感情って消えてなくなってしまうものなんだろうか。
血のつながりってそんなに重要視してないけど、自分が家族を持ったらまた変わるのだろうか。

人とのつながりは自ら築くものであって、生まれつき決められたものなんてどれほどの意味があるだろう。
でも英語の親戚を意味するrelativesってのは、どうあがいても永遠に関係を持つものってのを象徴してるよなー。もちろんそれはその通りで、逃げても隠れても血のつながりはついてまわる。
だけど、より大事なのは生活の中で自分が築いてきた関係。
はっきり言って、血のつながった兄弟だって縁切ったほうがいい場合だってあるし、ずっと大事に育ててくれた親だったら、血のつながりなんてどうでもいい。

企業経営を一族でやってるような会社もあるよね。あーゆーのもなかなか信じがたい。
どう贔屓目に見ても親族よりデキる人はゴマンといるし、親族よりも信頼のおける人もいる。
一族で牛耳ってる会社だけは信用ならんぞ。

話がそれたけど、この本でなんとなく北海道って本州の人とは違う文化を持っているなーという気がした。
やっぱり冬の寒さに独特の感慨を持っている気がする。
北国の人は凛とした強さをあの寒さから学ぶのだろうか。秘めた情熱も。

あまり自分と共感できるところはなかったけど、この時代にこんな小説を書く女性がいたということに驚き。
しかもそれが賞金1千万(当時にしたらスゴイ!!)の懸賞小説だしね。三浦綾子の人生の方がもっとこの小説よりもドラマティックだったかも。