October 2005



友人が勧めてくれたもの。宮本輝が話題にのぽった時にぴもーが「『蛍川』しか読んだことない。」と言ったらこれを貸してくれた。


離婚した男女が偶然再会したのをきっかけに手紙のやり取りが始まった。この本はその手紙のやり取りだけで成っている、珍しい形式の本。


二人の手紙が交互に並んでいるが女の方が主人公のように感じた。女側のほうが一通の内容が多いということもあるけど、共感する部分がやはり多かった。わが子が障害児だと知ったときの苦しみ、夫の浮気を知った後の態度。・・・経験したことないけどね(笑)


逆に男側には共感できる部分はほとんどなかった。女側がこの男の何に惹かれて結婚したのかもあまりよくわからなかった。まぁレンアイ小説ではないから、読者もその男に恋するように書く必要もないいんだよね。


印象に残ったのは、夜眠れない男が暗い部屋で見た光景。猫に捕まえられ、もてあそばれ、生きたまま食べられてしまった鼠。なかなかショッキングな光景。これが何を意味してるかはよくわかんないけど、なぜか一番心に残ってしまった。。。

宮本 輝
錦繍