August 2005



この本は、ぴもーが一人外国に行くにあたって友人が貸してくれた本。いわゆるポスドク(博士号をとったあと)の数学者が一人でアメリカにわたって研究生活をするという自叙伝みたいなもの。


これがまた「うんうん、わかる~」というところが盛りだくさん。初めて外国に渡って、初めの内は少しびくびくしながらだったけど、その内「なめられてたまるか」という根性で対抗するようになり、その後そういった敵対心にも疲れて空しさを感じたり。。。彼の場合は研究で金をもらってる(結果を出さなきゃいけない)というところがぴもーとは決定的に違うけど、ぴもーがリアルタイムで感じてることと近いものはある。


英語話すのに嫌気が差して外に出るのが嫌になったり、ことあるごとに劣等感を感じたり、自分の方が優れている点を必死に探してみたり。言葉で負けてるなら、その分仕事は人一倍努力しようっていうのは毎日心に誓っている。これは著者とほんとに同じ気持ち。でもそうすると、外国人のサマースチューデントに「人生楽しまなきゃダメだ、もっと遊べ」と言われてしまう。でもぴもーにとったら今は十分遊んでるんだよねぇ。


外国人の遊びに対する情熱はほんとにすごい。毎週(平日でも)仮装パーティーやダンスパーティー、コンサート、バーベキューetc・・・外国人に「日本ではこんなにたくさんパーティーをしないし、こんな風にダンスもしない」というと「じゃぁ日本人は週末にいったい何をするんだ」と言われてしまう(×_×)いやいや、あんたたちの遊びの本能がすごすぎですから。。。。


とにかく一般的に、日本人は他の外国人に比べても英語ができない。その分を仕事で見返そうと思うのは著者にもぴもーにも共通すること。でも言葉の壁を超えてしまうと、今度は現地人と同様に振舞おうとしてしまうらしい。でもその内、それも何か違うと気がつく。最終的には日本人らしく(というよりは日本人として育ってきた自分を隠すことなく)振舞うことで自分も周りも実に自然にうまくいくらしい。ぴもーはそこまでの境地には至ってないけど、なるほどねぇと思った。


この本はアメリカの文化のこと、とりわけ大学生と教授の関係なんかもくわしく書いてあって、なかなかおもしろかった。日本のケースと比べるとやっぱり全然違う。どちらも一長一短だけど、教授と学生がファーストネームで呼び合えるのは羨ましい限り!ぴもーの大学の教授はほんと怖いですから。。。(笑)


こうやって自分の体験してることと似たような状況の文章を読むってのもなかなかいい。自分が恋愛してたら恋愛小説を読んだり、自分が人生のがんばりどこにいるときならサクセスストーリーを読むのもいいかもね★ぴもーは基本的に、本を選ぶということにかなり無頓着で、偶然目に付いた本を読む・薦められたら読むというスタイルだから、なんか新鮮でした。


藤原 正彦
若き数学者のアメリカ