February 2005


この本は絵本なんだけど、子供に宇宙のほんとをちゃんと教えてくれる本です。それもそのはず、これは池内了っていうバリバリの宇宙物理の大学教授が書いてるから。天文が好きなら知ってる人も多いと思う。宇宙関係の著書も多いし、子供に対する教育にも熱心だったり、普通にエッセイも書いてたり。


この絵本は、池内さんが自分の子供に話しているように宇宙の歴史について話が進んでいく。当然、科学に基づいた話で、SF的脚色はないからつまらなく思う人もいるかも。でも宇宙の歴史って、事実自身が十分おもしろい物語になっていると、ぴもーは思う。事実だからおもしろいというべきなのかな?物理は嫌いだけど、星や宇宙の話は好きっていう人は多いんじゃないかなー。宇宙人が好きって人たちもいるけど(笑)


話を絵本に戻そう。この本はシリーズもので、ぴもーが読んだのは『ビッグバン』だったと思う。他のテーマで4冊くらいあるっぽい。子供に聞かせるような話だから、例えやイメージを中心に話が進む。その絵もまたかわいい。優しい色づかいで、うまくイメージを描写できてる。動物の絵もたくさんでてきて、真似して描きたくなる。


一番記憶に残った部分は、宇宙膨張の話。宇宙が膨張しているということは誰もが知ってる(かな?ぴもーは知ってたけど)けど、星と星の距離ががどんどん離れていくのかなーなんて思ってない?膨張の中心はどこなんだろうなんて思ってない?例えば、校庭の真中にある朝礼台から子供たちがヨーイどん!で校庭の端に向かってかけていく、ということをイメージして欲しい。この時、子供が星にあたり、朝礼台が宇宙の中心にあたる。・・・というイメージは実は宇宙膨張には当てはまらないのだ。


宇宙膨張は、膨らませる前の風船に升目を描いておいて、それにぷーっと空気を入れるイメージなんだそうだ。星は升目の上に乗っていて、位置関係は変わらないし、中心もどこにもない。ほんとは星と言うよりも銀河団が乗っていると考えた方がいい。


そんなことが書(描)いてある絵本です。まぁ宇宙について物知りな人にはくだらない話だけど、子供にそうやって伝えてあげればいいんだな~という勉強にはなると思う。ぴもー自身は少しは宇宙について知っているつもりだったけど、いやはや感心しまくり。宇宙膨張を記述する方程式知るよりもこの絵本読んだほうが得るもの大きいよ、きっと。


子供がいる人は是非、この絵本を読んであげてください。子供の理科離れが心配されてるけど、こういう絵本を与えることが、きっとプラスになるんじゃないかな?「あたしが歩いてもなんでお月様は離れないの?」と子供に聞かれた時に、それは○○ちゃんがかわいいからよなーんて答えてるようじゃ、これからはダメなのかも(笑)大まじめに説明してもつまんないと思われてしまうけど、何かいい例えを使って説明できたらいいな。そう、この絵本みたいにね。


著者: 池内 了, 小野 かおる
タイトル: ビッグバン