こんにちは。

今年に入ってから韓国の医療事情が大変だというニュースをよく耳にします。

概要としては、韓国の医師不足に対して、政府が定員を30%2000人増加させるという政策を発表したことによります。定員というのは1年間に医学部に入る人数です。

これに研修医や医学部の教授などの猛反対し、ストライキを起こしているということです。

 

日本も韓国も(先進国はほぼ)医学部の定員は国が厳密に調整しており、増減は慎重に行われています。退学などは多少はありますが、基本は入学した人数がそのまま医師になることが想定されています。医師の人数は年によってもあまりばらつきが内容にしています。なので、とある大学がある年に20人程度留年をさせたことがあり、厚生労働省から指導を受けていました。そのくらい医師の人数は慎重に調整を行っています。

 

日本でも医学部の定員を増やそうという動きは常にあります。それもあり、ここ10年くらいは新しい医学部2校できたり、既存の医学部の定員が少しずつ増えたりもしています。しかしながら、それでも10年で増えた定員は300人にも満たないと思います。

医学部の定員を増やすにはさまざまな問題があります。物理的な話として実習スペースや実習先の確保です。医学部は2年間の実習期間が必要です。国際的にこれは決められています。急に人数を増やすとそれが足りなくなります。あとは心理的な要因です。現在の医者、とくに開業医はライバルがふえるのは好ましくないです。なので、日本医師会は最大の圧力団体でもあるので、既得権益を守るために医師の数が増えないように働きかけをしています。

 

なので、今回の韓国の医学部増員、それに反発した医師のストライキを聞いたとき、一番驚いたのは、そんなにいきなり定員を増やすことなんてできるのかということです。日本でこれをやるといっても実現は絶対にできません。

 

なので、韓国で起こっていることは間違いなく異常事態です。こんなことをすれば現場からの反発がでるのは当然のことでしょう。現場をないがしろにした政策だからです。