いままで地域枠について書いてきましたが、今回は金銭面のビハインドを補う地域枠です。

 

これは私立大学に設けられていることが多いものです(国立大学でもあるところはあります)。

私立大学医学部の6年間の学費は3000万円程度であり、大変高額です。

 

年間500万円ほどかかり、裕福な家庭でないとこの学費を支払うことは不可能です。日本に医学部自体は82あります。そのうちの31が私立大学です。金銭面で医学部をあきらめた場合選択肢は半減します。

私立大学は学費と偏差値が反比例します。学費が高くなるほど偏差値は下がります。全医学部の中で最も学費が高いといわれている川崎医科大学は6年間で約4700万円。川崎医科大学出身の友人がいますが、川崎医科大学は進級判定が厳しく、留年も多いそうです。そして留年すると追加でかかる金額が750万と話していました。これを払える家庭は日本ではごく僅かでしょう。

そこであるのが、学費などの免除する代わりに特定の診療科、地域にしか就職できない地域枠です。数年前にラグビー選手が受かったことでも話題になりました。

 

ラグビー選手が受かった順天堂大学、東京都枠を例に見ていきましょう。東京都なんて都会じゃんと思う人もいるかもしれませんが、東京都も医療面において抱えている問題があります。東京都には伊豆諸島や小笠原諸島の島などがあります。そういった地域での医療は人材確保が難しいです。また、救急科や小児科、産婦人科など特定の診療科の医師が必要とされる分に対して少ない。こういった医師や診療科の偏在の問題があります。

それを解消するのが東京都枠です。授業料や入学金が免除になるだけでなく、学業に専念できるように6年間で2800万相当の支給が東京都からあります。

ですが、卒業後9年間、小児科、産婦人科、救急科、もしくはへき地医療への従事が義務付けられています(話がそれるので深く追求しませんが、某ラグビー選手はスポーツ医療にかかわりたいと言っていましたが、この制度をつかっている以上、スポーツ医療を専門に行っている整形外科に行くことは難しいです)。

 

私立大学でも地域枠が増えています。今回ニュースになった昭和大学も地域枠も近年設立されたものです。そして、このお金がもらえる地域枠はこの制約を破ったらもらった分の金額の返却が必要です。一括で返却を求められるケースもあるそうです。未来を担保に借金を借りているだけの制度です。

 

ですが、年間750万支払える家庭であれば地域枠なんて気にする必要はありません。