こんにちは。センターが終わり、1月28日から国立大学2次試験の出願が始まりました。
私立大学の受験は医学部であれば、あらかた1次の筆記試験が終わり結果が出て、2次の面接試験が行われているころですね。
駅を歩いていたら、『がんばれ!中学受験生!』のポスターをみました。私もあの塾に通っていました。
2月1日は中学受験生にとっても重要な日で、中学御三家(男子 開成中学、武蔵中学、麻布中学 女子 桜陰中学、女子学園中学、双葉中学)の入試が同日に行われます。
受験生やその家族にとっては、この時期が一番大変な時期だと思います。日々の努力をぶつけてきてください。
前回に引き続き医療系受験者のための重大ニュースを書きます。
<中学で遺伝子改変ベイビー誕生>
11月、中国・南方科技大学の賀建奎准教授が遺伝子を改変したベイビー誕生を報告しました。
どのように改変したかというと
エイズの原因であるHIVに感染しにくいように、遺伝子を操作しました。
エイズもHIVもどちらも聞いたことがあると思います。これらの違いがわからない人もいると思うので、そこから説明しようと思います。
<エイズとHIVの違い>
『ボヘミアンラプソディー』は、イギリスのロックバンドQUEENのボーカルである、フレディ・マーキュリーの半生と同バンドの軌跡を描いた映画で、2018年でもっとも話題になったといえる映画でしょう。
フレディ・マーキュリーは、エイズで亡くなったことを知っている人は多いと思います。
治らないとても恐ろしい病という認識がありますね。
そもそもエイズはどういった病気なのでしょうか?
メディカルノートには以下ように書いてあります。
エイズ(AIDS :acquired immunodeficiency syndrome、後天性免疫不全症候群)とは、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)に感染することで引き起こされます。
HIVに感染後、適切な治療を受けないと、免疫力が低下して、正常な免疫力を持つ健康な方であれば問題になることのない感染症(日和見感染症)を発症したり、悪性疾患を引き起こしたりします。この状態のことをエイズと呼びます。HIV感染者とエイズ発症者は男性が大半を占めています。
HIVに対する薬剤に関しての進歩は目を見張るものがあり、エイズを発症しないようにコントールすることは、以前に比べて容易になってきています。その一方で、日本におけるHIV新規感染者数とエイズ患者数については、ここ数年横ばいの状況が続いており、さらなる積極的な啓蒙活動や治療が必要とされる状況です。
人間は生きていると様々な菌やウイルスと接します。しかし、人間はそれと戦います。人間には自分自身を菌やウイルスから守るシステムを持っています(これを免疫といいます)。このために、人間は菌やウイルスが体内に侵入しても、もとの元気な状態に戻ることができます。
このシステムが壊れることがあります。壊れ方にも2種類あります。
①停止する
②過剰になり暴走する
車で例えれば、①は車が壊れて止まってしまうことを想像してください。②は、勝手に動き、猛スピードで走りだしてしまっているようなことを想像してください。
エイズは①にあたります(完全に止まるわけではありません)。(②の例としてはアレルギー反応などが当たります)
つまり、体内に入った来た菌やウイルスと戦えません。そして、普通の人だったらかからないような感染症にかかってしまいます。この状態のことをエイズと言います。
なので、エイズは感染症にかかりやすくなっていますよっていう状態をさします。
では、子供はインフルエンザなどにかかりやすいからエイズかと言われると、そうではありません。
エイズはその原因があります。それがHIVです。
HIVはHuman Immunodeficiency Virusの頭文字をとったものであり、Humanは人という意味で、Immunodeficiencyは免疫不全、Virusはウイルスと日本語訳することができます。先ほど書いた、自分自身を菌やウイルスから守るシステム(免疫)が壊れる(不全)で、これを引き起こすウイルスなので、このような名前がついています。
なので、HIVに感染しなければ、エイズになることはありません。
<HIVに感染方法>
HIVの感染方法としては、接触感染という方法で、感染している人の体液(血液、唾液、精液など)と接触することで生じます。ただ、触ったりしただけでは感染しません。かなり濃厚な接触(輸液、セックス、母乳を与えるなど)をしないと感染はしません。
なので、インフルエンザや風邪のように同じ空間にいたり、その人が咳をしたからうつるなどはありません。HIVはうつりにくいウイルスということができます。
もし、HIV感染者がいて、うつる可能性があるとすれば、その家族やセックスパートナーです。
賀准教授が遺伝子を改変したベイビーは父親が、HIVに感染していました。
そこで、賀准教授は、HIVに感染しにくいようにベイビーに遺伝子の改変を施しました。
<なぜ、遺伝子改変でHIVの感染を防げるのか>
HIVは身体に入るとき、CCR5という入り口(受容体)を通って入ります。この入り口をなくせば、HIVに感染しにくくなります。
賀准教授はこの入り口をなくすように遺伝子改変を行いました。
これによって、HIVへの感染を防ぐことができたと報告しました。
長くなってしまったので、一度ここで切りたいと思います。
エイズは現在発症を抑えることができ、きちんと薬を飲めば、HIVに感染していない人と同じような日常を送ることができます。
長い文章お読みいただきありがとうございました。