こんにちは。前回は医学部の推薦入試に関して書きました。今回は、なじみのあまりない学士編入について書いていこうと思います。
皆さん、学士編入って聞いたことがありますか?
もしかすると読んでくださっているかたの中に、会社の元同僚がこのために会社を辞めていったなどという方がいるかもしれません。
では、項目に分けて説明していきましょう。
<まず学士ってなに?>
ざっくりいうと大学を卒業した人です。
ただし、医学部の編入学において学士という場合は、4年制大学を卒業している人を指します。つまり、短大を卒業している人は、この場合、学士ではありません。
<受験資格>
学士編入制度における受験資格は、上にも書いた通り、学士つまり4年制の大学を卒業していることです。
4年制の大学であれば、文系でも理系でも構いません。
<編入できる大学は?>
学士編入を実施している大学は国公立大学31校、大学4校の計35校です。
圧倒的に国公立大学が多いですね。
<倍率は?>
学士編入を実施している大学は数がそこそこあることがわかりました。
大学が1学年、学年編入者をどの程度受け入れているのが問題になります。1学年5人という大学が多いようですが、最大で20人(弘前大学と東海大学)の学校もあります。
国公立大学であっても1年で何校でも出願することができます。受験には、その大学に受験しに行かなくてはいけないので、お金と時間がかかりますが、受けることができるすべての大学に、出願をして、受験をすることも可能です。
しかしながら、倍率は大学にもよりますが20倍や30倍ともいわれます。
これだけ聞くとすごいそんなの運ではないかと思いますが、実際に学士編入で入ってきた人達は、そう思っていないようです。学士編入はいわゆる『記念受験』をする人が多いといわれます。受かったらラッキーというような人が受けることもあるので、実際に合格に絡んでくる人たちだけの倍率はもっと下がるそうです。なので、きちんと勉強している人は受かることができ、実際に入学している人ほど、複数の大学に合格しています。
<どんな人が受かるの?>
学士編入はおおまかな流れとして①学力試験→②面接となっているようです。
①学力試験においてはどのような科目が課されるかは大学によって大きく異なります。自分の受けたい大学にどのような試験があるのかをしらべある程度対策をしたら、学力試験は問題がなく通ると思います。私の大学でも学士編入が実施されており、学士編入で入ってきた人がいますが、統計を課している大学が多いそうです。
先ほども書いたとおり、きちんと対策をし勉強をすれば学力試験は問題がないと思います。
問題は
②の面接だと思います。
一般入試では、正直、面接が形骸化されています。一般入試において、面接で落ちる人はよっぽどの人だと思います。面接を点数化している大学であっても、その点数の比率は、学力試験にたいしてかなり小さいです。
一方で、学士編入では、面接を点数化し、学力試験にたいしてかなりのウエイトを占めています。なので、面接で逆転ということもあります。
そもそも学士編入を行う理由は、医学以外の学問を修めたい人にその知識を医学に生かしてほしいとの考えがあります。そのため、①の学力試験は医学部の勉強をやっていくのに最低限の学力を問うものであり、学士編入試で学校側が問いたいものは、②の面接だと思います。企業の就職面接に近いものがあります。
大阪大学の学士編入の合格者に生物系の研究をしている人が多いといった話を聞いたことがあります。これは不公平ではなく、大学側のメッセージだと思ます。
<年齢制限はあるの?>
たいていの大学では、2年次から医学の専門が始まるので、2年生に編入することになります。私の学校でも学士編入制度が実施されているで、2年生になり新しい教室に入ったとき、お兄さんたち(学士編入として入ってくる人は私の大学では圧倒的に男性が多いです)が増えていたのでびっくりしました。
つまり、学士編入で入った場合、それから5年間大学で勉強をする必要があります。また、研修医が2年間あるので、一人前の医師として働けるようになるのは、編入してから少なくとも7年かかります。
これを踏まえ常識の範囲内であれば、年齢制限はないと思います。
これまで学士編入について書いてきました。私自身は学士編入試は受けていないので、詳しいことはわかりませんが、実際に学士編入で入ってきた同期に聞いたことをもとに書いています。学士編入で入ってくる人は、医学部をあきらめてほかの学部に入ったがあきらめきれなかった人、医学に近い分野の勉強をしていて医学を学びたくなった人、ほかの仕事をやっていたが医師にあこがれ医学部を目指した人、司法試験も受かったし次は医師国家試験だ!(←うそのようですが、結構います。)という人、などなどいろいろな動機の人がいます。
税金を使っておっさん、おばさんを医師として育ててもその後、働ける期間が短いので無駄ではないかという意見もあります。(私の同期の学士編入で入った人が自虐で言っています(笑))
しかしながら、学士編入で入った人はまじめな人が多いです。わざわざ、ほかの道をやめてまた大学に通っているのですから、意気込みが違うように見えます。
いくつになっても、自分次第で人生は大きく変わります。そういったエネルギーがあるってとても素晴らしいことだと思います。
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。では、また✋
P.S. 大学の同期が学士編入学対策のオンライン家庭教師をやっているそうです。気になった方はお問い合わせください。
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