ELTについて知っておかなければならないことを書いていきます。

・作動条件

・121.5と406.01の違いについて

です。

 

 

 

まずELTの作動条件。

いつ作動するか知っていますか?

どこのメーカーのELTかによって違うとは思いますが一般的にC172で使われているELTは2.3Gが生じた時に作動します。

これはELTのメーカーが出している資料に載っています。

おそらくどこのELTのメーカーも仕様に関しての資料は出していると思うので、確認してみてください。

 

 

次に121.5と406.0では何が違うのでしょう。

答えはこれです。

 

 

重要なのは静止衛星の有無、位置精度、警報発信時間、送信持続時間です。

静止衛星の有無・・・静止衛星によってそのELTの信号を持続的に受け取れるので制度の向上には欠かせません。

位置精度・・・静止衛星のおかげで406.0の方が精度が上がってます。

警報発信時間、送信持続時間・・・精度が高い方が捜索に時間がかからないので発進時間は短くて済みます。

 

周回衛星と静止衛星を使っているのはなぜ?どっちかだけじゃダメなの?

周回衛星・・・ドップラー効果による位置の特定に優れているが、個別の信号は送れないし、衛星が回ってくるまで待たないといけない。

静止衛星・・・識別信号や固有の信号を送るのに優れているが位置精度は甘い。→これがあると捜索がスムーズになる。

だから両者で短所を補い合ってるんだよ。

下に難しく書いてあるから興味のある人はどうぞ。

 

・406MHz帯のELTはコスパス・サーサッ トシステム の 周回衛星及び静止衛星を利用することができる。また、遭難信号の内容に国籍コ ード、 航空機アドレスなどの識別情報をデジタルで送信することにより、周回衛星を利用する場合でも航空機アドレス等がわかれば現在位置を概略推定できるため一回の衛星通過によるドップラー効果をもとに位置推定が可能である。しかし衛星がELTの可視範囲を通過するまでの時間とその後の解析に時間を要する。しかし、静止衛星を利用すればドップラー効果による位置推定ができないが、遭難信号に位置情報を何らかの方法で取り込んで送いる。この場合の利点は遭難位置及び機体情報がデータとして得られるため、その後の確認作業及び捜索・救難行動が即座に可能とな り警報の即時性に優れている。それゆえに両者を合わせて使っている。

 

ところで送信持続時間のマイナス20°というのはどういうことでしょう?

これは、バッテリーの話しではないでしょうか。温度が低いところではバッテリーの持ちが悪いですから、マイナス20°でも24時間以上、または48時間以上は持つようなバッテリーを使ってね、ということでしょう。すぐに切れちゃったら探せないですからね。だから「以上」ってついているのでしょう。

バッテリーは気温差に弱く、外気温の影響を受けやすい特徴があります。 バッテリー本来のパフォーマンスを引き出せる適度な温度は、おおよそ20~25度です。 寒い時期になると0度で約2割、マイナス20度では約5割もの性能低下を引き起こします。

 

 

ちなみに、ELTの詳細な技術的基準は406MHz帯についてはRTCA/DO−204に、121.5MHzはRTCA/DO−183に記載されています。