変わったのは、モクの鳴き声がないだけ。
そんな朝も、少しずつ慣れて来た。
家の裏に行ったら、犬小屋と首輪と食べ残したドッグフードがそのままのエサ入れが置いてあった。

2つぶの涙が流れた…。
犬小屋には、小学4年生の私が油性ペンで書いた、消えかけの“モク”の文字。
1番最後まで、面倒を見てた母。
死んだ直後は冷静だったのが、最近『寂しいなぁ…ぽっかり穴が開いたみたい』と口グセのように言っている。
そして、『寂しいから、また犬をもらってこよっか


…って

ちょっと、あんた

今は、そんな気持ちにもなれやんし、また悲しい思いをするのは嫌や!と返したけど…
犬小屋などは処分されるから、首輪だけでも庭に埋めようと思う。