田沢です。
 
今回の記事は、どちらかというと指導者向けの専門的な内容になりますので、興味のない方は読み飛ばしてください。
 
ただ、なるべくわかりやすく書きたいと思います。
 
当スタジオには産後のママさんにもたくさん通っていただいているので、ご自身のお子さんの頭などを思い浮かべながら読んでいただければ、今回の記事を身近に感じていただけるかもしれません。
 
 
さて、赤ちゃんが生まれてくるときの脳の容量ってどのくらいだか、皆さんは知っていますでしょうか?って、自分もつい最近まではそんなことに全く興味もありませんでした。
 
ちなみに、これが生後5日目の赤ちゃんの脳画像です。
色は全てそのあとに加工したものですので、それほどグロテスクではないはず!!
 
Holland et al., 2014
 
赤ちゃん、右を向いていますね。
 
大人のMRIを見ると、もっと頭の形が縦長なので、MRIで見ても赤ちゃんの真ん丸具合は可愛いものです(笑)
 
 
さて、脳画像とかグラフとかにアレルギーのある人は、本当に読み飛ばしてください(笑)
 
下のグラフは、縦軸が容量(㎤)で、横軸が生まれてからの週です。
 
 
なので、横軸の52週は1歳、104週は2歳ということになります。
 
脳の組織は、大きく分けて「灰白質」「白質」「脳脊髄液」に分かれますが、上のグラフはその中で主に神経細胞で構成される「灰白質」神経繊維で構成される「白質」の2歳ちょっとまでの容量の変化を示したものです。
 
Hollandら(2014)によると、生まれたときの脳の容量が350㎤だったのが、生後3ヶ月の間に64%も大きくなるというものでした。
 
1日1%近く脳が大きくなる、、ということで、生まれた直後の脳の変化はものすごいものなんですね。。
 
もし大人の私たちが1日1%ずつ脳が大きくなったら、、と考えると恐ろしい。。
 
ちなみに、大人の脳容量の平均はペットボトル1.5Lよりちょっと少ない程度。
(1.5Lより大きい方もいます!!)
 
生まれたての赤ちゃんは、大人の約1/4の脳のボリューム。
 
 
そして、脳の総容量は幼児の時にどのような成長曲線を描くかというと、、
 

Knickmeyer et al., 2008

 
0歳 350㎤弱 → 1歳 855㎤ → 2歳 984㎤
 
という感じで、2歳になると生まれたときの3倍近くまで脳の容量が増えるのです。
 
その間に、ヒトは立てるようになったり、簡単な会話ができるようになったり。。
 
赤ちゃんってすごい!成長ってすごい!と思うわけです。
 
ということで、長くなったので今日はこの辺で。
 
当たり前ですが、「脳容量が大きい=優秀」とかではないので、脳の容量で全てを語るようなことはできません。
 
ただし、ヒトの身体は驚くべきスピードで成長しているのは間違いありません。
 
田沢 優
 
参考資料:
Holand et al. JAMA Neurology, 2014
Knickmeyer et al. J Neuroscience, 2008