田沢でございます。
会員様はご存知の通り、田沢は今年の4月より東大大学院に入学し、「脳と運動」についての研究者としての歩みを始めました。
正直、実力的にはまだまだで、研究者としての卵にもなっていないレベルです。一人では何にも出来ない半人前。。
ただこのような立場で日々過ごすことは、自分自身大いに刺激になりますし、「身体の本質」や最新情報を知るとても良いきっかけになっています。
今年の4月から、だいぶ講師業や指導数を減らしました。減っているものの、毎日の気づきが多すぎて、指導力はむしろ上がっていると、自分自身では感じています。
それは、特に脳神経系の正しい知識を知ることで、今までの勘違いや思い違いが減ってきているからなように思います。
短期的なスタジオ運営においては決してメリットばかりではない、田沢自身の大学院での研究ができていることを、B&Bのスタッフに感謝しつつ、このブログでは少し難しめですが、
「ピラティスや運動は脳にとって良さそうだぞ」
という、現在の田沢の考えについて解説させてもらえればと思います。
さて皆さん。
脳の中のある特定の部分が、大人でも運動をすることによって容積や密度が増加するということは知っていますでしょうか?
少し前に流行った「脳トレ」ブームの時に、少し解説されていたこともあったのですが、実はこの事実が分かったのは2004年。
そう、まだ10年ちょっと前のことだったのです。
逆に言うと、10年以上前までは、
「成長期を過ぎ、大人になったら脳は大きくなったりしない」
と思われていたのです。
その研究は、ネイチャーという世紀の発見をしないと掲載してくれない、研究者であれば一生に1回は掲載してみたい論文誌に2004年に発表されました。
初心者の大人がお手玉のような動きをさせるジャグリングを3ヶ月間すると、視覚と運動を繋げたり、空間認知をつかさどる、脳内の部位の密度が濃くなっていることが発見されたのです。
これは、実際にNature誌の2004年論文の記事内の写真です。
筋肉などは、筋トレや筋肉を活発に動かすことで大きくなることは、見た目にもわかりやすいので、おそらく人類が筋肉という存在を知った時からの常識だったのかもしれませんが、脳が大きくなったり密度が濃くなることは、10年前までは非常識だったということ。
脳の研究って、見た目に変化がわからないわけで、それくらい研究の難しい場所なんですよね。
しかも、再現なく脳の部位が大きくなれば、頭蓋骨を飛び出てしまうわけで、そんなことは今までの人類至上、おそらく起きていないと思いますので、あまり考えたことはなかった。。
下の写真は、Wikipediaに掲載されている脳のスライス写真を載せるので、一応閲覧注意。
矢印の部分が灰白質という大脳の外側の場所ですが、繰り返しになりますが、ジャグリングをすると視覚と運動の関連する部位などが、数ヶ月のトレーニングでも密度が濃くなることが判明したのです。
その後、様々な研究結果が発表され、まずは2008年頃に追加実験などで、この2004年のNatureの論文をさらに裏付けられるデータが出たり、上の写真でいうと内側の白くなっている部位を「白質」と呼び、2009年にはこの白質の部分も大きくなっていることが証明されるようになりました。
専門用語ばかりで済みません。つまり一言でまとめると、
ジャグリングをすると、大脳の灰白質や白質と呼ばれる部分の形が、大人になってからも成長する
ということなのです。
ジャグリングの練習時間は1日30分。そして皆上手くなった。
ちなみに、高齢者が同じような実験をしても、脳内の同じ部位が大きくなることが、これも2008年に証明されています。
こうなると、ジャグリング愛好者は喜ぶわけですね♪
「ジャグリングは脳トレだ!!」
自分は本当にその通りだと思います。
例えば骨折して下半身があまり動かせないアスリートがリハビリの一環で行ったりすると、もしかしたら復帰後の競技力向上に間接的に良い影響を与えるかもしれません。
ただ、一方で
「ジャグリングだけが脳トレ」
ではないんですね。
様々な論文を読むと、必ず、
「ジャグリングは運動スキル学習の効果を測定するのに、わかりやすい」
と書かれています。
つまり、ジャグリングの成長度合が計測しやすいため、他よりも「実験しやすい」のです。
良く科学誌に投稿されて、
「これが脳に良い」
とか
「これがダイエットに良い」
などと単純化されることがありますが、実験者の立場からすると、「実験しやすい」「論文として説得しやすい、成立しやすい」から、研究として論文誌に投稿するという背景が、たまに切り捨てられるときがあるのです。
こういう視点で、世間の科学ニュースが見られるようになったので、
「どれが偏見が少ない記事や情報か?」
「どれが誤解を生みやすい記事や情報か?」
ということが、良くわかるようになってきました。
ピラティスは、ジャグリングよりも「ピラティスの動きが上手くなった」ことの数値が非常に難しいため、研究対象としては向きません。
ただ、明らかに推測できることは、
新しい運動の学習をすると、大人になっても、
脳の構造が変化し、成長する
ということ。
様々なピラティスマシンやマットを使って自身の身体をコントロールすることによって、それ自身が全身の筋肉の構造を変えているだけでなく、脳の構造も変化させています。
全身を使うため、ジャグリング以上に脳全体にアプローチしており、認知症予防などにも大きな役割を果たしている可能性もあります。
ジョセフ・ピラティスは、
BODY、MIND、SPIRITが三位一体となるものがCONTROLOGYだ
と言っていました。
今の話は、まさにCONTROLOGYのMINDの部分を、今のように科学技術が発達し脳画像によりその構造や機能がわかりやすくなった21世紀ではなく、戦前レベルから予言していたことに、尊敬の念を抱きます。
田沢 優
※少し専門的な話になり、会員様には難しいお話かもしれません。
ただ、このブログは同業の方にも読んでいただいているので、その方々への知識の共有が、指導者全体のレベルアップにつながりますので、なんとなく「運動はやっぱ脳に良さそう」「ピラティスも良さそうなんだなぁ」と思っていただければ幸いです。
会員様はご存知の通り、田沢は今年の4月より東大大学院に入学し、「脳と運動」についての研究者としての歩みを始めました。
正直、実力的にはまだまだで、研究者としての卵にもなっていないレベルです。一人では何にも出来ない半人前。。
ただこのような立場で日々過ごすことは、自分自身大いに刺激になりますし、「身体の本質」や最新情報を知るとても良いきっかけになっています。
今年の4月から、だいぶ講師業や指導数を減らしました。減っているものの、毎日の気づきが多すぎて、指導力はむしろ上がっていると、自分自身では感じています。
それは、特に脳神経系の正しい知識を知ることで、今までの勘違いや思い違いが減ってきているからなように思います。
短期的なスタジオ運営においては決してメリットばかりではない、田沢自身の大学院での研究ができていることを、B&Bのスタッフに感謝しつつ、このブログでは少し難しめですが、
「ピラティスや運動は脳にとって良さそうだぞ」
という、現在の田沢の考えについて解説させてもらえればと思います。
さて皆さん。
脳の中のある特定の部分が、大人でも運動をすることによって容積や密度が増加するということは知っていますでしょうか?
少し前に流行った「脳トレ」ブームの時に、少し解説されていたこともあったのですが、実はこの事実が分かったのは2004年。
そう、まだ10年ちょっと前のことだったのです。
逆に言うと、10年以上前までは、
「成長期を過ぎ、大人になったら脳は大きくなったりしない」
と思われていたのです。
その研究は、ネイチャーという世紀の発見をしないと掲載してくれない、研究者であれば一生に1回は掲載してみたい論文誌に2004年に発表されました。
初心者の大人がお手玉のような動きをさせるジャグリングを3ヶ月間すると、視覚と運動を繋げたり、空間認知をつかさどる、脳内の部位の密度が濃くなっていることが発見されたのです。
これは、実際にNature誌の2004年論文の記事内の写真です。
筋肉などは、筋トレや筋肉を活発に動かすことで大きくなることは、見た目にもわかりやすいので、おそらく人類が筋肉という存在を知った時からの常識だったのかもしれませんが、脳が大きくなったり密度が濃くなることは、10年前までは非常識だったということ。
脳の研究って、見た目に変化がわからないわけで、それくらい研究の難しい場所なんですよね。
しかも、再現なく脳の部位が大きくなれば、頭蓋骨を飛び出てしまうわけで、そんなことは今までの人類至上、おそらく起きていないと思いますので、あまり考えたことはなかった。。
下の写真は、Wikipediaに掲載されている脳のスライス写真を載せるので、一応閲覧注意。
矢印の部分が灰白質という大脳の外側の場所ですが、繰り返しになりますが、ジャグリングをすると視覚と運動の関連する部位などが、数ヶ月のトレーニングでも密度が濃くなることが判明したのです。
その後、様々な研究結果が発表され、まずは2008年頃に追加実験などで、この2004年のNatureの論文をさらに裏付けられるデータが出たり、上の写真でいうと内側の白くなっている部位を「白質」と呼び、2009年にはこの白質の部分も大きくなっていることが証明されるようになりました。
専門用語ばかりで済みません。つまり一言でまとめると、
ジャグリングをすると、大脳の灰白質や白質と呼ばれる部分の形が、大人になってからも成長する
ということなのです。
ジャグリングの練習時間は1日30分。そして皆上手くなった。
ちなみに、高齢者が同じような実験をしても、脳内の同じ部位が大きくなることが、これも2008年に証明されています。
こうなると、ジャグリング愛好者は喜ぶわけですね♪
「ジャグリングは脳トレだ!!」
自分は本当にその通りだと思います。
例えば骨折して下半身があまり動かせないアスリートがリハビリの一環で行ったりすると、もしかしたら復帰後の競技力向上に間接的に良い影響を与えるかもしれません。
ただ、一方で
「ジャグリングだけが脳トレ」
ではないんですね。
様々な論文を読むと、必ず、
「ジャグリングは運動スキル学習の効果を測定するのに、わかりやすい」
と書かれています。
つまり、ジャグリングの成長度合が計測しやすいため、他よりも「実験しやすい」のです。
良く科学誌に投稿されて、
「これが脳に良い」
とか
「これがダイエットに良い」
などと単純化されることがありますが、実験者の立場からすると、「実験しやすい」「論文として説得しやすい、成立しやすい」から、研究として論文誌に投稿するという背景が、たまに切り捨てられるときがあるのです。
こういう視点で、世間の科学ニュースが見られるようになったので、
「どれが偏見が少ない記事や情報か?」
「どれが誤解を生みやすい記事や情報か?」
ということが、良くわかるようになってきました。
ピラティスは、ジャグリングよりも「ピラティスの動きが上手くなった」ことの数値が非常に難しいため、研究対象としては向きません。
ただ、明らかに推測できることは、
新しい運動の学習をすると、大人になっても、
脳の構造が変化し、成長する
ということ。
様々なピラティスマシンやマットを使って自身の身体をコントロールすることによって、それ自身が全身の筋肉の構造を変えているだけでなく、脳の構造も変化させています。
全身を使うため、ジャグリング以上に脳全体にアプローチしており、認知症予防などにも大きな役割を果たしている可能性もあります。
ジョセフ・ピラティスは、
BODY、MIND、SPIRITが三位一体となるものがCONTROLOGYだ
と言っていました。
今の話は、まさにCONTROLOGYのMINDの部分を、今のように科学技術が発達し脳画像によりその構造や機能がわかりやすくなった21世紀ではなく、戦前レベルから予言していたことに、尊敬の念を抱きます。
田沢 優
※少し専門的な話になり、会員様には難しいお話かもしれません。
ただ、このブログは同業の方にも読んでいただいているので、その方々への知識の共有が、指導者全体のレベルアップにつながりますので、なんとなく「運動はやっぱ脳に良さそう」「ピラティスも良さそうなんだなぁ」と思っていただければ幸いです。

