田沢でございます。

先週の土曜日、桑原匠司PHIピラティスAsia Bloc Directorと、都内のレストランでピッツバーグ研修の後日談や、今後のPHIピラティスの活動についての意見交換などをさせていただきました。

今まで自分が考えていたことでまだお話していなかったことと、桑原代表が同じことを考えていたことがわかったり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

さて、その桑原代表はピッツバーグ研修の時に完璧な通訳をしていただいたのですが、その中でPHIピラティス創始者のクリスティンとベン先生が研修中にお話された内容を、Facebookで紹介されました。

クリスティンが「Our philosophy」と言ったそのエピソード、ベン先生が微笑みながら話してくれたエピソードがまとまっているので紹介させていただきます。

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PHIピラティスの哲学。PHIピラティスのインストラクターの
中には盲目の人、車いすの人、そして腕を挙げることが出来ない人もいます。

ある女性は、ピラティスの先生になるべく、トレーニングを受けていましたが、途中で「あなたは一生ピラティスの先生にはなれない」と告げられました。それは、うでを完璧に挙げることができなくなったからです。この女性は先生になるトレーニングの途中で乳がんがみつかり、手術をして乳房を切除しました。その後、懸命なリハビリし、ある程度の可動域は可能になったものの、完璧に腕は上がりませんでした。知り合いを通じ、PHIピラティスの創始者であるクリスティンに相談したところ、一所懸命キューイングの勉強をし、腕を上げる見本をみせられなくても、質の高いキューイングにより、良い指導ができるようになりました。彼女はPHI のインストラクターとして指折りのトップインストラクターに今ではなっています。

私は見本をみせることができないと、自分がそのエクササイズできないと先生にはなれない、よい指導者にはなれない、という哲学を否定しているわけではありません。現にPHIピラティスジャパンでは、アートチームというグループを作り、PHIピラティスのエクササイズを完璧にこなし、指導することを目的としたチームも始動します。PHIピラティスの哲学は、よい指導者を育成する、ということである、ということが言いたいのです。

PHIピラティスは指導者を育成する養成コースがあります。それは指導する力を養成するコースです。指導する力といっても多種多様あります。人体生理学、機能解剖学、ピラティスのオリジナルワーク、様々なキューイング方法、カウンセリング力など、多くの要素を学び、経験を積んでいく必要があります。

ベン・ルーター博士はPHIピラティスのインストラクターでもありますが、運動生理学の研究者でもあり、多くの学会で発表をしている先生です。彼のクライアントの中に60代男性がいました。彼は銀行勤めを定年し、とても活動的で明るい老後を送っていました。ベン先生のところでピラティスの指導を受けたのは、彼が家族のために汗水たらして働いた銀行勤めでわずらった背中の痛みを解消するためでした。みるみる姿勢はよくなり、表情も明るくなり、より活発的に山登りなどをするようになった矢先、末期のガンが見つかったそうです。

彼は、抗がん剤での治療を拒み、余命一ヶ月の命を好きなことをして生きることを望みました。より活発になり、ピラティス教室へも以前より多く通うようになり、山登りも、ウォーキングも積極的にするようになりました。ある日、彼はベン先生に、「私のこの身体が弱っても、最後まで歩けるように、、、なりたい」と告げました。ベン先生は弱っていく彼の身体に、歩行のパターンを促すピラティス、股関節周りを鍛えるピラティス、体を起こすために背中を使うピラティスなど、ありとあらゆる指導を駆使し、彼に歩行が最後までできるように指導をしました。

ある日、ベン先生のもとに彼の妻が訪れ、彼がこの世を去ったことを告げました。

そしてある映像をベン先生に見せ、お礼を言い、スタジオから去っていきました。

それは、彼がこの世を去る前日、呼吸器を付けながら満面の笑みをうかべ、待望の孫の乗ったベビーカーをおしている、動画でした。その歩行は死の前日とは思えぬほどしっかりとしていたそうです。

PHIピラティスの哲学。 それは人の人生に関わる身体の指導者として一所懸命に情熱をもって指導する。 当たり前のことのようですが、それがPHIピラティスの哲学なんだと、改めて強く、心に刻むことが出来ました。

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このような哲学がジャパンにも脈々と受け継がれています。

指導者の一生を、クライアントの一生を変える力がピラティスにはあると思っています。

そして、その想いを1回1回のセッションにおいて全力でぶつけていきたいと思っています。


10月には、平日ですが都内でマットピラティスインストラクターの養成を開催させていただきます。

このブログを読んでいない方もいらっしゃるので、この哲学についてのお話も、自分の感情も込めて、養成中にはさせていただければと思っています。

田沢 優