
今日は仙腸関節というものが、いかに大切である理由をお話したいと思います。
腰痛は、仙腸関節のズレが原因である場合が非常に多いそうです。「仙腸関節」、あまり聞きなれない言葉ですが、これが腰痛に、いえ、すべての体の不調、疾患につながる大変重要なものなのです。
ただ仙腸関節は、”関節”といっても膝や肘、その他の関節のように可動する関節とはちょっと違います。接した所が平面なので「平面関節」「不動関節」などと呼ばれたりもします。でもちゃんと動いているんです。ちょうどハサミの要の部分を想像してもらえばいいと思います。歯の部分に比べて動きは小さいですが、ちゃんと動いて、むしろ動きの中心ですね。そこが動かなくなったり、ズレたりするとハサミで紙をちゃんと切ることが出来なくなってしまいます。人間の身体も同じです。
動作の中心はこの「仙腸関節」です。二枚の歯の部分は、人間でいうと二本の足と言えるでしょう。しかし人間の身体の場合、中心である要であると同時に、直立するための背骨(脊柱)を支えている土台の役目も果たしています。この場合例えるなら、仙腸関節を含む骨盤が土台、脊柱が大黒柱といったところです。土台が斜めになると、当然その上に立っている柱は、まっすぐに立ってはいられません。
人間の脊柱は、首で7個、胸で12個、腰で5個の合計24個の小さな骨の連結したものです。これらがうまく可動して私たちは身体を反らせたり、お辞儀をしたり、横を向いたり出来るのです。しかし仙腸関節のズレによって曲がってしまった土台の上で脊柱を立てて、日常生活をするためには、倒れないよう微妙にバランスをとらなければなりません。
Sの字に曲がった脊柱を支えるのは、脊柱起立筋をはじめとする腰部、背部の何層もの筋肉です。絶えず緊張した状態で脊柱、上半身を支え続けなければなりません。骨盤自体もそれ以上ズレが大きくならないように、防衛反応として周辺の筋肉や靭帯が緊張し、ガッチリガードします。筋肉は使いすぎると硬くなり、硬くなった筋肉が周辺の血管を圧迫すれば血液の循環を妨げ、神経を圧迫すれば痛みや痺れになります。それが腰痛です、だから痛んでいるところは、硬く、冷たいはずです。
人間の身体の中心「仙腸関節」がズレて、脊柱が曲がってしまう、これは腰痛だけではなく全ての疾患につながる大変重要な事なのです。皆さんが「えっこんな症状も関係があるの?」と驚くような症状も多々あるかと思います。
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そこでピラティスは、このように骨格の要である仙腸関節をも矯正することにより、全身の関節が持続的に動けるようになり、指圧のような表面の筋肉の治療だけでなく、体の深層筋や内臓、脳まで刺激されというわけです。
ちなみに整体の中でもよく知られているカイロプラクティックなども、脊柱の歪みを矯正するものですが、脊柱の土台である骨盤を治さないと、また元に戻ってしまいます。その点、骨盤矯正は、カイロプラクティックと異なり、根本療法と言えるわけです。
骨盤は体の土台にあたります。土台である骨盤から治さなければ、脊柱を真っ直ぐに正すことは不可能です。例えば、傾いた土台に家を建てようとしても、家は真っ直ぐに建ってくれま せん。その結果、ふすまがスムーズに開かないなどの不都合が発生してします。人間の体も同様で、骨盤が歪んで、脊柱が歪むと、神経や筋肉が萎縮し、血行が悪くなったり、体内腔が歪んで内臓が圧迫されたりして、痛みやさまざまな病気の原因になります。
長々と書いてきましたが、こういう理由でピラティスは、(骨盤の中で一番大切な仙腸関節を含めた)深層筋を根本的に矯正するのに最適なエクササイズといえます。それらは、ジョセフ・ピラティスがピラティスを負傷兵のリハビリテーションとして考案し、現在まで愛され続けていることを考えれば、事実であるといえるのではないでしょうか。