以前にもアップした話ですが、心因性の咳に苦しんでいる中学生のお母さんから問合せ後、リストラティブヨガを体験して、特別なニーズのあるお子のための個別ヨガセラピーとして継続することになりました。

 

思春期外来で薬をもらっても咳は止まらず、とてもお困りのようでした。

 

咳をする本人が一番つらい
周りにも迷惑をかけていると思うとさらにつらい

 

いろいろ検索をしていたら私のHPでリストラティブヨガのことを目にしたそうです。


セラピーとしてのヨガがもしかしてストレスからの解放に役立つのでは?
さらに、前から気になっていた姿勢や体の歪みにもよいのなら、ぜひ受けさせたいとのことでした。

初めてお母さんに連れられてきた彼は苦しそうな咳をして、声を出すのもやっとでした。
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動かないヨガでリラックス
リストラティブヨガの説明をしてから、お母さんには席を外してもらいまいた。

道具を使い身体が楽になる体制をとり、最初のポーズに入りました。

動かないヨガは、同時にとても静かなヨガです。中学生の男の子が気まずくならないように、ブランケットでお顔もカバーをして私の存在さえも視野に入らないようにしました。

10分も立たないうちに寝息が聞こえてきました。

身体の緩みが分かるように、彼の手足の力が抜けていくのが見て取れました。
深いリラックス状態に入ると、呼吸も楽になり咳も出ませんでした。
 

2つのポーズでしたが、約60分があっという間でした。

 

起き上がってきた彼は、「楽になった」といいました。

 

一般的なヨガのイメージとは違うスタイルのヨガですが、体力や気力が落ちていたり、不調の時にはゆっくりと身体を休めるリストラティブヨガはとても助けになります。

呼吸が楽になる時間が少しでも作れるように、睡眠の時間や質についてお話ししてこの日は終わりました。


2度目は笑顔で

私が彼と言葉を交わしたのはほんの少しです。

お迎えに来たお母さんに様子をお話しして、学校でのことや咳が出始めたきっかけと思われることなどお話してくれました。

私が何か診断したり判断することはもちろんありません。

お母さんが話している間の彼の様子を見ながら、興味があるという動くヨガのことなどを少し話した程度です。
帰り際に彼が「やってみたい」と言ったことを嬉しく思いつつ、見送りました。

そして、数日後、お母さんから再び連絡をいただきました。
「○○が通いたいと言っています」と。

2回目にお母さんの隣に立っていた彼は、マスクを外し表情がよく見えました。
Tシャツにジャージとやる気!が分かる服装に笑顔で立っていました。
1回目から1週間後でした。
 

 

安心感と楽しさ

どんなお子さんもすぐになついていくれる自負があります。
それは、あなたといると子どもたちが安心感と楽しさを感じるから、と言われたことがあります。
小学校の特別支援学級教諭だった経験から、小さいお子さんや障がいのあるお子さんがほとんどでしたが、子どもが楽しいと思うことは何か子どもの心をつかむものは何か、子どもが何を見ているのかどう感じているのかがまるで手に取るようにわかることがあります。
中学生と接する機会はまれでしたが、直感がありました。きっと彼が楽しかったと思うだろうと。

 

動くヨガは、気管支を刺激しないような呼吸法から始まり、ごくごくシンプルな動きを一緒に行いました。
今どきの中学生は、、、と言ってはダメかと思いますが、筋力ない!
身体の使い方が分からないのもありますが、思った以上に動けなくて一緒に大笑い。
彼も恥ずかしがりながらも、上手くできないことを嫌がらず何度もチャレンジしていました。
普段から全く運動をしないという彼が、こうして身体を動かすことを楽しんでいるその姿に嬉しくなりました。
身体の使い方を教えるということはあっても、私が何かを指導するというつもりはありません。
ちゃんと自分で感じることがあるから。そこを少し分かりやすくするお手伝いはします。
そして、一緒に楽しんでみる。

 

 

居場所

体調によって早退も多いそうですが、保健室の先生とお話するのは好きと言います。
きっと彼にとって、学校以外での居場所が必要だったのかもしれません。
安心できる大人とおしゃべりだけではなく、ヨガで身体を動かすことがきっと今までにない爽快感に繋がっていくことが期待できます。
居心地よく過ごせる場所は多いほどメンタルヘルスにもよいです。
家でゲームばかりしていることを考えると、躊躇せず外に出かける場所があれば逃すべきではないですね。
大人数の習いごととは違って、個別ヨガは、自分が心地よくいられる場所でじっくり身体に向き合ってみることができます。
「通いたい」と彼は、お母さんにはっきりと伝えていました。

塾の予定もあるのに、ヨガを優先したい!ぐらいの勢いでスケジュールを合わせて予約を入れてました。
「塾のあとすぐ来れるよね」という彼に、お母さんもびっくりしてました。



思春期のお子さんや発達障害・グレーゾーンのお子さん、難しさを抱えているお子さんの力に
現在、ダウン症、知的障害、自閉症、脳性麻痺、染色体異常による発達遅滞、器質性脳障害による発達遅滞など障がいも年齢もさまざまな7組のお子さんの個別ヨガセラピーを行っています。1人ひとりの持つニーズは異なりますが、どのお子さんも5か月以上継続して様々な変容が見られます。リハビリや訓練との相乗効果もあると思います。
 

しかし、障がいという診断名がついていたり、何らかの判定を受けているお子さんは療育や訓練などを受けることができますが、そうではないお子さん、目には分からない困難を抱えているお子さんはどうでしょうか。
例えば発達障害と言っても、一括りにはできません。学習面では問題なくても集団活動や対人関係に課題があるお子さん、逆にコミュニケーションや対人スキルには長けていても学習につまずきのあるお子さんなど。
また、親御さんにとっても療育相談や病院へ行くことはためらわるケースも多いです。
小さいうちはまだよくても年齢や学年が上がってくると、二次障害的に学校に行きずらくなったり、教室にいられない状態がつづいたり。
思春期になり、身体も大きくなってくるとさらに難しさが増していきます。

学校以外ならのびのび出来るという子もいます。しかし、発散できると運動系の習い事などを始めても、多人数の中でまたコミュニケーションの問題が出てきたり、人と競うことで心が折れたりというケースもあります。

お子さんが何に苦しんでいるかにもよりますが、最も大事なのは安心できるかどうかです。
他を気にすることなく受けとめられる居場所を見つけることです。
ご家庭はもちろんですが、子どもはいずれ親元を離れ巣立ちます。
親がいつまでも子どもの面倒見れる訳ではありません。
自立を願わない親御さんはいないでしょう。
そして、1人で生きていける人はいません。
少しでも人との心地よい繋がりを作っていく。

そのために、まずは自分の心と身体を繋げることが必要です。
私は、ヨガの呼吸法と動きを通して、自分を感じ、自分を大切にすることができるようにサポートしています。
特別支援学級の教師だった経験から、お子さんの困り感を的確に把握することができます。
学校や学習に向かう姿勢の素地を重視しています。
なぜ集中できないのか、なぜおしゃべりが止まらないのか、なぜ座れないのか、なぜ嫌なことをいってしまうのか、、そこを追求するのではなく、どうしたら集中できるのか、どうしたら落ち着いて人の話も聞けるようになるのか、などを考えお子さん自身が気づき納得でき、行動することができる支援を行ってきました。


経験だけではなく、お子さんの心をつかむ天性のスキルがあります。
すみません、自分でいうのもなんですが、これって本当にセンスだと思うのです。
センスってどんなに努力しても変わらない部分、本質ですので、私は教職も含めて今の活動も天職だと思っています。

だから、お子さんの障がいや抱える困難を理由にできないとか諦めることはないです。

ヨガをツールに心と身体にアプローチすることに正攻法はありません。一人ひとり違うから。
それをお子さんの状況に応じて、瞬時に判断していきます。

特別なニーズのあるお子さんの個別ヨガセラピーは、ただヨガのポーズを練習することではありません。

そのプロセスを通して、お子さんたちの成長・変容を引き出していく個別指導です。


障がいのあるお子さんや思春期ゆえあるいはストレスにより不調があるお子さん、集団活動で困難を感じているお子さんなどの、身体を動かす個別の運動教室、習い事と捉えていただいてもいいと思います。

お子さんだけはなく、親御さんも困っていたり心配に思うことがあったら、相談したり頼れる場所や人が複数あることは重要です。
抱え込こみ、頑張り過ぎると必ず心身に大きなストレスがかかり、変調をきたすことがあります。

何かいいものはないか、お子さんが安心して通える場所はないかなどお探しでしたら、ぜひお子さんのための個別ヨガも選択肢に加えてみてください。

人生は長い、お子さんの成長と自立にはどれだけ多くのサポートがあるかです。そして、それを活用できるかです。

現在、私のスケジュールが厳しく、特別なニーズのある子のためのヨガセラピーは1枠のみですが、必要としている方に届きますように。
※就学前のお子さんで、平日の日中(曜日は限らています)に受講可能でしたら、増席検討可能です。
 

困り感のあるお子さんの個別ヨガ指導詳細はこちらから

 

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