1960年代から70年代初頭

以下はレトロロックバンドのリードシンガーと私のやり取りです。

「客層を見て決めるけど『ヴィーナス』はイントロを延ばしてあおれるようならあおって(中略)」

「客層ですが、私の両親と叔母が来る予定です。平均年齢76歳」

演奏しているのは彼らが10代～20代の頃の音楽です。一方バンドメンバーのほうは生まれる前が過半数。

ディープ・パープルも含めて私が演奏している曲を古めかしいとばかにする人がいるのですが、その人自体30年も前のイングウェイ・マルムスティーンとMR.BIGが大好きです。20代の若者にとっては50年前も30年前も大差ありません。この人の論理でいくとヘンデルとバッハはいらないことになります。ネットで昔の音楽が検索できる時代なので昭和歌謡を演奏している若者もいます。対バンのツェッペリンバンドのドラマーは27歳でした。

暗譜問題

母が言いました。

「あんた大丈夫なの？」

「いや、あんまり覚えてないんだよね。昔の曲ってさ、そんなに難しいのないんだけど同じところをぐるぐる回ってるのが多くて覚えられないんだよね。ヤバいな、楽譜持ってくかな」

「そうしなさいよ。楽譜持っていったほうがいいわよ」

三日前でこの体たらく。本番は視ないかもしれないけど一応持参することにしよう。

楽譜を持参したのですが現場で一度も出すことはありませんでした。結果、本番は失念のオンパレードですよ。一曲目の出だしから間違えました。レジストは変え忘れ連発です。頼みの綱の「Hush」も鍵盤ソロで変な音だと思ったら変え忘れ。ダメだこりゃ。

一段鍵盤

お客様から尋ねられました。

「いつも立ち弾きなんですか」

「違いますよ。フュージョンでは二段座り弾きでディープ・パープルでは二段立ち弾き、このバンドだけ一段立ち弾きです」

対バンの鍵盤弾きの人は61鍵を一台とダンパーペダルのみ持参です。その代わりステージ衣装としてレギンス&ブーツを持ち込み楽屋で履き替えます。キャリーカートで会場へやってきました。

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暗譜問題

一段鍵盤

1960年代から70年代初頭

レトロなライブ