少し前にひとときの別れを告げ、新たな地に移り住んで、馴染もうとしているのが今。惰性に過ごしていたときとは違う、濃密な時間の流れを久々に感じている。
彼の地に住んでからは、今日で六日目となる。
すべての事を自ら管理するようになってから今まで、恐ろしいスピードで体重が減少している。単純にロクな食生活を送っていないのもあるが。家畜の豚も、野生に放せば猪ぐらいにはなれるだろうか、減ってゆく数値を見るのが毎日の楽しみである。
振り払いたかった鎖も、今は透き通り消えかかろうとしている。いっそ跡形もなく消え失せてしまえばいいと思うこともあった。それはできない。俺にとっての命綱でさえあってくれれば、これ以上は望まない。
強かに、しなやかに。
このこそばゆい気持ちは、しばらく消えそうにない。