私の付き添い生活の中で常につきまとっていた
「正しさ」との葛藤。
答えが出るはずもないその葛藤に感じていたのは
尋問されるような息苦しさ。
ときには、胸を握りつぶされるような気持ちになることも・・・。
入院から数週間が過ぎたころ。
体調のよくなった渓太郎は個室から大部屋に移ることになった。
大部屋と言っても、いざ病室に入ってみるとそこにいたのは、
渓太郎とほとんど同じくらいの小さな赤ちゃんがひとり。
ガランとしている部屋の入口側にその赤ちゃん。
そして、斜め向かいの窓際に私たちのベッドが置かれた。
付き添いのいない赤ちゃんと渓太郎と私。
3人の不思議な共同生活がスタート。
時々看護師さんがミルクを与えに来てくれる時以外は、
ずっと寝たままの状態のその赤ちゃん。
気になる・・・
気になる・・・
気になる・・・
気になって耐えられなくなった私は
渓太郎をベッドに残し
その赤ちゃんのところにそっと近づいた。
驚くこともなく、泣くこともなく、
ただ上を向いている赤ちゃんを見つめながら
自分に問いかける。
私が抱っこしてもいい?
抱き上げて、頭をヨシヨシしてあげてもいい?
愛しい気持ちとかわいそうな気持ちに襲われて
サークルベッドの柵を握り締めながら
ふと湧き上がったのは
「私がずっとこの部屋にいられるわけじゃない・・・」
という思い。
どうすることもできなくて渓太郎のもとに戻ったものの
その日から私の話し声は
小さく小さくなっていった。
私と渓太郎の話す声を
あの子がどんな気持ちで聞いているのだろう・・・
渓太郎の「キャッキャ」という笑い声を
どんな思いで・・・
そんな思いと同時に湧き出した、怒りの感情。
どうして一度も面会に来ないんだろう。
あの子がどんな思いをしているか分かっているのだろうか。
誰かから聞いた、その子を置いていってしまったというお母さんに対する
一方的な怒り。
でも本当は・・・
私がそのお母さんの選択を責められるはずもなかった。
「渓太郎と一緒に旅立とう・・・」
そう思って何度も病室を抜け出そうとした私・・・。
渓太郎のいのちの時間を決めようとしていた私。
「なにがなんでも、この子の命だけは・・・」
そう思えているのは、
そのお母さんの方なのかもしれない、と感じていた私・・・。
「正しさ」との葛藤。
答えが出るはずもないその葛藤に感じていたのは
尋問されるような息苦しさ。
ときには、胸を握りつぶされるような気持ちになることも・・・。
入院から数週間が過ぎたころ。
体調のよくなった渓太郎は個室から大部屋に移ることになった。
大部屋と言っても、いざ病室に入ってみるとそこにいたのは、
渓太郎とほとんど同じくらいの小さな赤ちゃんがひとり。
ガランとしている部屋の入口側にその赤ちゃん。
そして、斜め向かいの窓際に私たちのベッドが置かれた。
付き添いのいない赤ちゃんと渓太郎と私。
3人の不思議な共同生活がスタート。
時々看護師さんがミルクを与えに来てくれる時以外は、
ずっと寝たままの状態のその赤ちゃん。
気になる・・・
気になる・・・
気になる・・・
気になって耐えられなくなった私は
渓太郎をベッドに残し
その赤ちゃんのところにそっと近づいた。
驚くこともなく、泣くこともなく、
ただ上を向いている赤ちゃんを見つめながら
自分に問いかける。
私が抱っこしてもいい?
抱き上げて、頭をヨシヨシしてあげてもいい?
愛しい気持ちとかわいそうな気持ちに襲われて
サークルベッドの柵を握り締めながら
ふと湧き上がったのは
「私がずっとこの部屋にいられるわけじゃない・・・」
という思い。
どうすることもできなくて渓太郎のもとに戻ったものの
その日から私の話し声は
小さく小さくなっていった。
私と渓太郎の話す声を
あの子がどんな気持ちで聞いているのだろう・・・
渓太郎の「キャッキャ」という笑い声を
どんな思いで・・・
そんな思いと同時に湧き出した、怒りの感情。
どうして一度も面会に来ないんだろう。
あの子がどんな思いをしているか分かっているのだろうか。
誰かから聞いた、その子を置いていってしまったというお母さんに対する
一方的な怒り。
でも本当は・・・
私がそのお母さんの選択を責められるはずもなかった。
「渓太郎と一緒に旅立とう・・・」
そう思って何度も病室を抜け出そうとした私・・・。
渓太郎のいのちの時間を決めようとしていた私。
「なにがなんでも、この子の命だけは・・・」
そう思えているのは、
そのお母さんの方なのかもしれない、と感じていた私・・・。