Bear fruit(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

それから数日後。

 

「え・・ナニコレ、」

 

事務所に荷物が届いた。

 

「・・Keisuke Shidara・・って。 設楽啓輔さんですか?え、ナルさん設楽さんと知り合いなんですか?」

 

送り主の名前を見て加治木は驚いた。

 

 

その彼の疑問には答えず慌てて開けてみると

 

ガラスのピアノのオブジェだった。

 

「わーー、きれい!」

 

小和が思わず声を上げた。

 

20cm四方ほどの精巧につくられたグランドピアノ。

 

『For a Happy Life』

 

のプレートが入っている。

 

「設楽さん、」

 

成は驚いてしまって固まった。

 

そこにカードが入っていた。

 

 

『ナル 結婚おめでとう。 ナルはいつでもどこでもHappyに生きられる人だよ。』

 

無口な彼らしい

 

たった一行のメッセージだった。

 

奏から聞いたのかもしれない。

 

まさか設楽からこんなお祝いを貰うとは思わなかった。

 

 

いろいろあったけれど

 

ずっと憧れの人だった。

 

 

「・・家宝だな、」

 

そうひとこと言って大事そうに抱きしめた。

 

 

 

「きれいですね、」

 

自宅に持ち帰ったそれを見て柚はうっとりした。

 

「いや、もう。 設楽さんから何かもらったとか。 初めてかもしれない・・。 なんかそこに感動しちゃって、」

 

成はまだ感動の余韻に浸っていた。

 

「設楽さんて。 ホント天才肌で、自分以外の他人のことってあんま気にしない人なんだよ・・。 それでけっこう敵も多かったけどー。 本当は子供みたいに純真な人なんだよ・・。 放っておけないっていうか。 あのピアノ聴いてると、どんな無茶を言われてもやっぱりついて行っちゃうんだよな・・」

 

その横顔が本当に嬉しそうで。

 

「なんか。 紆余曲折あったけど、おれ。 どんどん幸せになっていく、」

 

柚を見て微笑んだ。

 

「悩んだりしたことも。 全く無駄になってなくて、全て今のおれを作る栄養になってくれた。 最近、それをすごく感じる、」

 

「ナルさんは。 私にも幸せをくれましたよ、」

 

柚はそっと成に身体を預けた。

 

「本当に。 つらかったことがあったから、その先の幸せに出会えました。 ナルさんはいつでも大きく枝を広げてくれる逞しい樹木みたいで。 安心して、寄りかかれる、」

 

成も彼女の頭に自分の頭をそっと寄りかからせた。

 

「まあ・・これから。 どんなことが起こるのかなんて誰にもわからないけど。 今度はゆーちゃんも一緒に・・大きくなっていこう。 どんな嵐が来ても。 2人なら大丈夫だよ。 ずっと笑顔でいようね、」

 

「はい、」

 

柚はそっと成の手に自分の手を重ねた。

 

そして。

 

「ねえ、ゆーちゃん、」

 

神妙に呼びかける。

 

「・・はい?」

 

彼を見つめると

 

いつになく真面目な表情。

 

「・・お腹すいた、」

 

ロマンチックにつぶやいた。

 

 

尊敬する設楽からのプレゼントに感激の成。 困難を抱えながらも、どこかフットワークよく問題を解決していった成の結婚物語でした。 このお話は今日でおしまいです。 長い間ありがとうございました!(^.^) 明日からのことは後ほどおしらせします!

 

 

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