5月11日(日)福岡・博多スターレーン(13時開始)
「ピュア・バイオレンスHA・KA・TA~春山&ライディーン凱旋~」

第1試合 20分1本勝負
藤ヶ崎矢子 VS 林結愛
 4月20日の後楽園ホール大会で林結愛がデビューし、その対戦相手を務めた藤ヶ崎矢子。1年先輩であるにもかかわらず、2分52秒、腕ひしぎ十字固めで敗れてしまった。たとえ、林が6年間もJWPプロレス教室に通っていたとはいえ、プロのリングで揉まれてきた矢子としては、屈辱以外のなにものでもなかったはず。まして、自身はまだ初勝利を上げていないことから考えても、夜も眠らない日々が続いていることは想像に難くない。しかし、リベンジの機会は早々にやってきた。ここは、矢子にとってはレスラー生活において大事な大事な分岐点となる。もちろん、強引に抑え込んででも勝ちにこだわらなければならないが、やはり倍返しをして先輩の意地も見せつける必要がある。矢子の根性が試される一戦と言っても良さそうだ。一方、林からすればせっかく華々しいデビューを飾った直後だけに、ここでも矢子を下しておけば、今後、何度も対戦していく中で精神的にかなり優位に立って戦うことができる。また、先輩に連勝すればさらに上の選手、そして他団体に流出したJWP認定ジュニア&POP王座奪還の期待すら懸かる可能性もある。とにもかくにも、博多の地でJWP若手選手の激しいサバイバルマッチが展開されることになりそうだ。


第2試合 20分1本勝負
KAZUKI VS 松本都
 独特の雰囲気を漂わせる崖のふちプロレス代表の松本都が、久々にJWPへ参戦してKAZUKIとの一騎打ちに挑む。松本はリング上で相手の動きをかく乱するパフォーマンスで知られるが、遠く博多でもそのキャラクターを浸透させるチャンスとなる。これに対し、KAZUKIは正統派プロレスもできれば、こうした個性派にも対処できるオールマイティーな選手。それだけに、恐らくは松本の世界観に付き合いながらも、あまり松本の好きなようになせてしまうと、KAZUKI自身が埋没してしまう恐れもあるため、締めるところは締めるような試合をしてくることが予想される。まして、JWPのリングで他団体のアピールばかりを許すことは、「試合に勝って内容で負けた」と言われるに等しい。それはKAZUKIにとっては許し難い事態にもなるため、相手の良さを引き出しつつ、自分のアピールにも余念はないはず。当然、勝敗は大事ではあるものの、博多のファンの印象に残ることも必要となってくるだけに、KAZUKIが松本をどのように御してくるのか注目だ。


第3試合 30分1本勝負
中森華子&ジャガー横田 VS 阿部幸江&ライディーン鋼
 今大会は「ピュア・バイオレンスHA・KA・TA」とタイトルが付き、サブタイトルには「春山&ライディーン凱旋」とある。当然、ライディーン鋼が主役の一人であることに間違いない。そんな鋼が阿部幸江とのザ☆WANTED!?で、中森華子&ジャガー横田との対戦に登場する。首都圏ではもちろんだが、地方に行けば行くほど、ジャガーの知名度は抜群。それだけに、鋼にとっては大先輩の胸を借りるだけではなく、大きな注目を集めることができる。だからこそ、ジャガーに対してガンガン向かっていく気迫を見せつける必要もありそうだ。また、コンビを組む阿部はジャガーの直弟子。ある意味、ジャガーについては知り尽くしているだけに、心強いパートナーとなる。少しでも多くの情報を阿部から聞き出し、ピンチの時はフォローしてもらいながらジャガーを攻略していきたいところだ。しかし、ジャガーとてわざわざ顔見せのために博多まで赴くわけではない。知名度があるということは、それだけ期待も高いということ。プロ意識が誰よりも強いジャガーのことだけに、主役の座を奪うつもりでリングに上がってくるはず。また、パートナーの中森もジャガーに呑まれてしまっては、JWPの存在感も薄くなってしまう。鋼と同様、中森、阿部もジャガーを踏み台にしてアピールするような気持ちでリングに上がることが期待される。


第4試合 30分1本勝負
勝愛実 VS ラビット美兎
 2011年にデビューした同期によるシングルマッチだが、勝愛実が7月13日の板橋グリーンホール大会を最後に引退することを表明したため、特別な試合となった。先にプロとなったのは勝だったが、約4ヵ月遅れてリングに上がったラビット美兎が、翌年にJWP認定ジュニア&POP王座を獲得。出世争いでは勝にリードした。しかし、勝は自力でラビットを下してジュニア2冠王座を奪取。4度の防衛に成功してきたが、Sareeeに敗れたことで燃え尽きたのか、引退することになった。これまで、ライバルとして、時には盟友として過ごしてきた両者だが、残された時間は少ない。ややもすれば、これが最後の一騎打ちとなる可能性すらある。勝の引退について、ラビットだけに起こる感情があることは間違いないし、勝からしてもラビットにだけ寄せる思いがあるはず。こればかりは、お互いにしか分からないものであるからこそ、リング上で示していく必要がある。それでも、多くのファンがもう一度、いや何度でも2人の戦いを見てみたいと感じていることから、その試合へと繋がるようなファイトが期待される。実績がある選手のような引退ロードとは銘打ってないものの、それが勝の引退ストーリーの中軸となってくるだけに、まずは成長した勝とラビットの姿を博多で見せ、東京に大きな土産として何かを持ってくることが必要となりそうだ。


第5試合 30分1本勝負
中島安里紗&春山香代子&Leon VS コマンドボリショイ&木村響子&DASH・チサコ
 ライディーン鋼と今大会のもう一人の主役である春山香代子が、メインイベントで中島安里紗、Leonと組んでコマンドボリショイ&木村響子&DASH・チサコと対戦する。もちろん、地元の声援を一身に浴びることになる春山だが、このカードの敷居はかなり高い。というのも、5月4日の板橋グリーンホール大会で、コマンドボリショイ&木村響子がラビット美兎&つくしを破ってJWP認定タッグ&デイリースポーツ認定女子タッグ王座を獲得。JWPで2人並んでの入場はチャンピオンとなって初となるだけに、4本のベルトはかなり目立つことになる。さらに、そのボリショイ&木村と組むDASH・チサコは、JWP認定無差別級王者の中島に挑戦を表明。ここは中島を意識した試合をしてくることは間違いなく、気が強い中島もそれを受けて立つことが予想される。そして、技のスピード、キレ、正確さなどから、どんな試合でも会場を沸かせるLeonの存在も見逃せない。そんなメンバーの中に入って、春山が主役を張ることができるのかという危惧もある。しかし、春山もこれまで踏んできた修羅場の数が違う。いつでもファンの期待以上に応えてきたことも言うまでもない。今や、ベテランの域に達している春山だが、故郷で初心に帰り、ガツガツとした新人時代のように、自分が一番目立つことだけを考えて試合に臨んでもいいかもしれない。そうすれば、相乗効果で他の選手たちも負けじと熱が入ってくるはずだ。春山の春山らしい試合ぶりが博多の地を熱くするだけではなく、他の選手を引っ張っていくことにもなるだけに、強く、元気があり、誰もを楽しませる春山のファイトが期待される。