12年前、大事な大事な電気屋さんがあった場所でピクオニのお店をはじめる事を許してくれたお義父さんでした。
古いもの、長く大切にされてきたもの、変わらず輝き続けるものを集めてお店にしたいと伝えたら、
「これはどうだ?」
「こんなのあるぞ」
と眠っていた電気器具やパーツを出してきて、私が気に入ると喜んで取り付けてくれたお義父さんでした。
(探してね)
このペンダントライトを天井で支えている碍子もそうです。(画質悪くてごめんなさい、実物見てね)
年季の入った重たいシャッターの開け閉めと、その柱の取り外し、取り付けを引き受けてくれていた父でした。
11時近くになると、
「もう開けてもいいか?」
「いいよ~♪お願いしまーす♪」
「よし!なら開けるな♪」
と確認してから張り切って開けてくれ、閉める時には、
「お義父さん、お店終わったからシャッターお願いしまーす♪」
とお願いすると、
「お、まぁいいか?なら閉めるな♪」
と言って閉めてくれていました。
時間が早いと、
「もう終わりか?はっえーーなぁ!!」
と毎回驚きながら(笑)
そんな義父も、1年ぐらい前に腰痛でその役目を引退していました。
駐車場がいっぱいになって混雑してしまった時には交通整理をしてくれたり、雪の日には駐車場やお店の周りの雪かきを一緒にしてくれたり、屋根から落ちてくる雪に注意するようお客様に声をかけてくれたり。そんな時は必ず、
「みんなニコニコしてよぉ、「ありがとうございます♪」「ありがとうございます♪」って、本当にいいお客さんばっかだなぁ(´˘`)」
と嬉しそうに報告してくれていました。
お店の周りにゴミがあると何も言わずに片付けてくれていたり、大雨が降ってお店が静かになると「そりゃこんな雨じゃあ、皆外出るのも嫌だわなぁ」と私の気持ちをフォローしてくれるような言葉をかけてくれたり、(本当にたまにだけど)残ったシフォンケーキをおやつにプレゼントすると「おお!これは柔らかくて好きなやつじゃ♪」と、喜んで食べてくれたり。
入院中、もういろいろがわからなくなっているはずの義父の横で屈んで声をかけると、私を指さし、そして頭をいい子いい子してくれました。
私が知る義父は最初から最後まで、優しくて、頑固で、ちょっぴりキュートで、そしてめちゃくちゃカッコイイ人でした。