インディアンの中でも最強で最後まで抵抗したスー族
そのシャーマンには幾十と種類がある
ほとんどは動物や鳥だが
稀にはアイヌの雷のような自然現象のシャーマンや
両性具備で子供に命名するためのシャーマンもいる

スー族の言い伝えでは
雷に撃たれた夢をみた人間には悲惨な一生が待っているという
遠い子供の頃にも
つい少し前にも雷に撃たれる夢をみたぼくは
つくづくスー族に生まれなくて良かったなと思う

雷の夢をみたスー族の人間は
次の日からまるで詩人金子光晴『反対』のように
あらゆる事の正反対をやらなければならないという

夏の日は沢山着込んで「寒い寒い」と唸り
冬の日は素っ裸で「暑い暑い」と叫び
可笑しい時は泣き叫び
悲しい時には笑い転げ

靴は右左逆に履き
親の葬式でも泣く代わりに
際限もなく狂人のように笑い転げるしかない

詩人や作家ばかりでなく
あらゆる芸術家や創造者も政治家もまた
スー族シャーマンのように哀れな生き物であるかな 

注意;スー族では、他部族に比べると女権が強いというが・・
月経期の女性はシャーマンの働きにマイナスと考えられ恐れられている。
その点では、日本の沖縄や東北恐山やアイヌのシャーマンとはかなり違う。