昨今の鉄道車両は撮り鉄にも乗り鉄にもあまり魅力が感じられず、代わりに昔の廃線跡や到達がハードな「秘境駅」を巡る方が増えているようですね。

 

沿線に過疎地域が多い北海道には「秘境駅」があまた存在しますが、かって函館本線の札幌~小樽間に張碓という駅がありました。

 

昭和の時代のことですが、当時ここに停車するのは一日3往復程度の列車だけで、時刻表を綿密に調べたら午前中札幌から上り列車に乗ると1時間程度の滞在で下りが来て楽に折り返せることが分かり、その行程で一度だけ訪れたことがあります。

 

現役の秘境駅でキングと言われる室蘭本線の小幌駅同様ここも高い崖と海に挟まれた猫の額ほどのロケで、駅の外には何処へも出られず夏場の海水浴客以外は利用者がいなかったそうです。崖下にある駅舎には何故か駅員がいましたが、切符類は販売しておらず何か信号所のようでした。ただここは複線なので何故駅員がいたのかは定かではありません。

 

ご覧のとおり訪れたのが極寒の真冬だったので周囲をじっくり観察することも敵わず、小さな待合室のような所でボーっと過ごして一時間後の下り列車を待ちました。

 

やって来たのは711系電車ではなく今だったらイベント列車になるような雑多な編成の気動車ですが、これが非電化区間からの直通列車だったのかは覚えていません。

 

これは夏に付近で撮影したデーデー牽引のイベント列車ですが、背後に見える恵比須岩の更に先にこの張碓駅がありました。

 

ついでですがこの時代の地平駅だった頃の札幌駅での情景です。函館~網走間をロングランしていたキハ80系特急「おおとり」の到着シーンで、隣りには711系電車もチラッと見えます。

 

張碓駅は2006年に正式に廃止されましたが、ここと双璧をなす小幌駅も訪れたことがあるので、近い内にまたご披露したいと思います~