プレミアムドラマ「奇跡の人」第4話 | 日々のダダ漏れ

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プレミアムドラマ
「奇跡の人」




第4話
一択(峯田和伸)が海(住田萌乃)と一緒に家出
をした。娘が心配な花(麻生久美子)は風子(宮
本信子)たちに相談するが、どうせ金がなくてす
ぐに帰ってくるからと励まされる。が、八袋(光
石研)が一択に金を貸したことが発覚し、花は
居ても立ってもいられない。故郷の山形に向か
った一択は実家に向かうが、祖母(白石加代子)
に怒られるのが怖くて家に入れない。そこにな
ぜか、花の元夫・正志(山内圭哉)がまたもや現
れた。


**********
 

よく、「お前は一体何を考えてるんだ!」。

…と、バカに対して怒る人がいますが、

あれはやめた方がいいですね。

だって、何も考えてないんですから。

怒る方がむなしくなります。

でも、何が起こるか分からな分からないのが、

バカの面白いところ。

 

誰かが言いました。

本当のビッグサプライズは、

バカにしか起こせない。

そして、ビッグサプライズを、

奇跡、と呼ぶのです。


**********
 

八袋) いや、その…役に立つのかな
   と思って。お嬢さんの。
花) えっ?
八袋) それに…何か、嬉しくて。
   だって、私に、「お金を貸してくれ」
   なんて言う人、いないから。
風子) え~? だって…。
八袋) はい。ずっと一人で、誰とも関わらず
   生きてきました。それでいい、それがい
   いって思ってました。でも、何となく、だ
   んだん申し訳なくなってきてしまって。
   だって、そうじゃないですか。お嬢さん
   見てたら、自分がぜいたくっていうか、
   罰が当たるんじゃないかなって。
   だから…。
花) そうですか。
福地) 素晴らしいですね! 
   福祉って、こういう事だと思うんです!
   与えるだけじゃない。与えられるものの方
   が大きいんだ。その喜びがあるから…。
佳代) いや、与えられてないで与えろよ!
   本当腹立つ!
福地) 何がですか? 
   何か、間違った事言ってますか?
佳代) 「人と比べて自分はまだマシだ。恵ま
   れている。だからもっと頑張らなきゃ」とか。
   そういうの、上から目線で大っ嫌いなんだ
   よね。
福地) そういうのを全て否定してしまう事も、
   上から目線なんじゃありませんか?
佳代) はあ?
八袋) すいません、すいません。
風子) どこ行くの?
八袋) も…元の、自分に戻ります。
風子) 責任取りなさい。
   八袋さん、ここにいてもらいます。
八袋) あっ…いやいやいや。

花) あの。
八袋) は…は…はい。
花) 海の様子は、どうでしたか?

八袋) 嫌がってるとか、そういうんじゃ
   なかったと思います。
花) そうですか。ならよかった。
  ありがとうございました。
八袋) そんな…。


**********

一択) 何かのどかって感じじゃねえな。
   ここで皆生きてんだなあ。
   何考えて生きてんだろうな。
   …って、俺もここにいたのか。


**********

風子) 一択がくれた、お休みなの、今日は。
花) えっ?
風子) あなたはず~っと海ちゃんに
   付きっきりだったでしょ。
花) それはそうですけど…。でも、それは
  しょうがないし。母親だから、私。
風子) でも今は、海ちゃんはいない。
   アパートにいても、
   何もする事も、できる事もない。
   だったらその時間を、有効に使おう。
   大丈夫。一択はちゃんと海ちゃん
   連れて帰ってくる。その時は、連絡も
   入るし、留守番も置いてる訳だから。
   ねっ。


**********

風子) あんたね、自分は大丈夫って
   思ってるとこあるでしょ?
   そんなオシャレとかしなくても、
   元は結構かわいいから、割と私
   は大丈夫、みたいに思ってる。
花) えっ?
風子) それはない。
   女に大丈夫はないの。ない。
花) マジで?
風子) そろそろヤバくなってきてるよ~。
花) そうですか?
風子) そうです。


**********

花) ありがとう、風子さん。
風子) いいえ。
花) 楽しい。
風子) うん。
花) 楽しい…。(泣) 
  楽しいよ…。
風子) よしよし。
花) 楽しいよ…私。
風子) うんうん、うん。
花) そっちも食べていい?
風子) もちろん。はい。
花) フフフフ。
風子) フフフフ。
花) おいしい。(泣)
  こんなの知らなかった。
  会いたいよ。
風子) えっ?
花) 海に会いたい。海にも食べさせて
  やりたいよ。教えてあげたいよ。
風子) そうだね。あっ、海ちゃんの服
   買って帰ろう。ねっ。
   どこにあったっけ? 
   子供服の女の子のかわいい服。
花) あっちにあった。かわいい店。
風子) あ、そう? アハハハハ。
花) あんなのより海のがかわいい。
風子) そうだね。


**********

一択) 海の年には、
   俺はここにいたんだよな~。
   何もかも嫌いだったよ、俺。
   学校も先生も同級生もさ。
   みんな嫌いだった。
   俺、間違ってこの世界に生まれてき
   たんじゃねえかなって思ってたね。
   ハハッ。バカだね。
   ここは学校だからさ、
   何かを教えてくれる場所でしょ?
   知らない事を教えてくれるってのは
   ありがたい事だけどさ、
   俺は大嫌いだったよ、ここ。
   聞いてもない事をよ、あれもこれも、
   いろいろ教えられてさ。
   お前のためだって。こっちはそんなの、
   知らなくていいんだっつうの。
   新しい事知っちゃったらさ、
   前に覚えてた事、忘れちゃうんだって。
   忘れたくない事いっぱいあんのにさ。
   だから俺はさ、
   俺の世界だけでよかったの。海は?
   それともあれ? 知りたいって
   気持ちも分かんねえのかな。
   海の、頭ん中の事考えると、
   ポカ~ンって分かんなくなるよ。
   まるで宇宙の事考えてる時みたいに。
   とりあえずあれだよな。
   スプーンは悪くないって事と、
   揺れるのは楽しいって事は
   つかんだよな。なっ?
   海。ブランコ。ブランコ。
   よし。手、離すなよ。離すなよ。
   よし、いくよ。

(ブランコに揺られて楽しそうな海)

**********

一択) お前らさ。
同級生) ん?
一択) ここにいる時、俺の事とか、
   本当、興味なかったでしょ?
   見てなかったっていうかさ。
同級生) 何でだよ!
一択) だけどどう見たってさ、あん時の俺
   より、はるかに今の俺の方が、幸せそ
   うだべ? 楽しそうだべ? だべ? そう
   見えね? 今の俺のこの幸せを感じ取
   れない? この子のおかげで、ひょっと
   したら、世界の真実ってやつに、出会
   えそうなんだよ。
同級生) はあ~そうなんだ。
正志) おい! 一択やんけ!
一択) えっ? …えっ? 何でお前…。
正志) どうでもええねん、そんなん。
一択) お前ここ出身か?
正志) んな訳ないやろ。
同級生) 一択、俺ら行くわ。
    じゃあまたな。元気でな。
一択) 何だよ、お前。
正志) 気持ち悪いな、お前。
一択) 何がだよ?
正志) 何か気持ち悪いわ~。いや、俺な、単
   に、花に惚れたバカ男やと思とってん。せ
   やから、こいつの事もしゃあなしにみたい
   な。せやなかったら、あの~おるやん。何
   か可哀想な人を、助けるのが、大好きな人
   たち。ハハハ。まあせいぜい、頑張ってと
   か、ご苦労さんとか思ててん。せやけどお
   前、ちゃうねんな。マジで気持ち悪いわ~。
   何が世界じゃ。笑わすな、ボケ!
   おったわ~。おったおった。
   お前みたいな事言うやつ。
   この子は世の中の汚いもんを知らない、
   美しい存在だとか言いよんねん。
   笑わすやろ? 
   天使なのよとか言うとんねん。
一択) それが?
正志) 天使なんやったらお前にやるから
   連れて帰れいう話やろ。
   ほな聞くけどな。お前動物で目も
   見えへん、耳も聞こえへんやつ
   生まれたらどないなんねん。
   死ぬだけやろ?
   何にもでけへんねんから。
   そんだけの話やろ?
一択) ふざけんなよ、てめえ。
正志) こんなもん生きてたって
   しゃあないねん。

(正志に殴りかかる一択)
正志) おい、ええんか? 
   ここでボコボコにされても。
   あいつ一人でどないなんねん!
   あぁ!?
   あっ、大変! そっち危ないで!
   あっ、聞こえへんのやった。残念。
一択) 海!
正志) 全然守れてへんやんけ! 
   おい、行ってまうぞ。
一択) 海~!
正志) だから聞こえへんねんて!
   おっ、大変! 落ちてまうぞ!
   危ない!
一択) 海~! 海~! 海~! 海!

(海を抱えて落ちる一択)
一択) うっ、ああ…。
海) あ~あ~あ~あ~!
一択) 何でこんな所にいるんだよ!
   海の事心配だったんだろ。
正志) ハハッ。
   俺はお前認めとないわ。ほなな。
   あっ、ちょっと金貸してくれや。
一択) 金なんかねえよ!
正志) 使えんのう。
一択) くそ~っ!


**********

一択) あっ、ばあちゃん。
ばあちゃん) 一択!
      悪い事は言わねえ。
一択) ん?
ばあちゃん) 逃げおおせるもんじゃねえぞ。
      日本の警察は優秀だ。自首しろ。
      ばあちゃん一緒に行ってやる。
一択) 何だよそれ。
ばあちゃん) 人生最後に何食いてえ?
      何でも言え。
一択) 最後って何だよ。
   何にもしてないから、俺。
ばあちゃん) この子…。
一択) 海っていうんだ。いい子だよ。
   俺の子じゃねえけどね。
ばあちゃん) 一択。
      ばあちゃんの顔まっすぐ見ろ。
一択) えっ? 分かったよ。
ばあちゃん) 入れ。
一択) よかった~。


**********

ばあちゃん) 汚れたら拭けばいい。
      壊れたら直せばいい。んだべ?
一択) んだ。
ばあちゃん) 金あんのか?
一択) えっ? ああ…金はないけどさ、

   でも、いいよ。貧乏だけどさ。俺の貧乏は、

   一生懸命働いたけど、それでも貧乏って

   のと違うからさ。ちゃんとやんねえから、

   貧乏なだけだからさ。
ばあちゃん) 胸張って言うな。
      じゃあ要らねえのか?
一択) いや…ちょっとだけ、要る。
ばあちゃん) 東京帰れるか?
一択) 帰れる。
ばあちゃん) そうか。
一択) ありがとう。あっ、言っとくけど、

   ばあちゃん俺、逃げてきた訳じゃねえよ。
   海をさ、乗り物に、乗せてやりたくてさ。
   そしたら、山形に着いちゃった。
ばあちゃん) そんな訳あっか。
一択) だって俺、山形しか知んねえし。
   ああ…ばあちゃんに、
   会わせたかったのかな。海を。


**********

一択) 何この…死んでもいいぐらいの、
   夢みたいな状況。
花) はあ?
一択) あっ。
ばあちゃん) 花ちゃん。
花) はい。
ばあちゃん) 一択の、どこがいいんだ?
花) えっ?
一択) エヘヘ。よせよばあちゃん。
花) どこもよくないです。
ばあちゃん) んだなあ。一択。
一択) 何だよばあちゃん。
ばあちゃん) おめえが惚れるのは分かる。
一択) だろ?
ばあちゃん) 無理だべ、おめえじゃ。
花) 無理だって。そうなんです。
  一応私、人妻ですし。
一択) 別れたじゃないですか。
花) うるせえなあ。…っていうか、
  まずちゃんと詫びろよ。
一択) はい。すみませんでした!
花) 今度やったらマジ殺すから。
一択) はい!
ばあちゃん) さあ、食うよ。
花) は~い。
  ステイ! あんた、犬なんでしょ?
一択) えっ? あっ…そうだった。


**********

ばあちゃん) 一択! 
      いがったなあ、生きてて。
      やる事があっていがったな。
一択) うん。


**********

花) まあ、いろいろあったけど、
  来てよかった。
一択) えっ?
花) …とか思ってないから。
一択) あ…はい。
花) やめるなら今だよ。海、よく分かんな
  いけど、あんたにちょっと心許してる。
  いつか放り出すなら、今やめて。
一択) しませんよ。放り出したりなんて。
   しないです。
花) そう。
一択) 正志とは違うんで。
花) 呼び捨てすんな、あんたが。
一択) あいつと一緒に来たんですか?
   花さん。
花) はあ? 意味分かんないけど。
一択) 昨日会ったから。山形で。
花) えっ? 正志が来たの? 追いかけて?
一択) どこでつけられてたか、分かんない
   けどね。気付いたらいて、文句つけら
   れて。よく分かんねえけど、あいつ最
   低だ。本当許さねえ。何なんだ、一体。
   海ちゃんの父親でしょ、だって。
   それなのに。(舌打ち)
花) あんたにそんな事言う資格ない。
一択) えっ?
花) 絶望した事もないやつに、
  正志をどうこう言う資格なんてない。
  分かんないでしょ? このままいったら、
  ひょっとして自分は、自分の子供を殺
  してしまうんじゃないかって。そう思っ
  ちゃう気持ち。分かんないでしょ?
  正志は正志なりに、精一杯頑張ったよ。
  でも、絶望したんだ、自分に。
  だから逃げた。
一択) でも花さんは
   逃げてないじゃないですか。
花) 一人が逃げたからだよ。私には、
  絶望する事もできないんだよ。
  正志を責めるやつは、私は許さない。
一択) 絶望の先には何があるんですか?
花) そんなの分かんない。
一択) 希望がなきゃいけないんじゃない
   かな。俺は、そう思うなあ。
   バカですみません!
花) 海。

(海の手のひらに文字を書く一択)
一択)「ママ」。
(一択の顔を触る海)
一択) 「いったく」。
   希望は、ありますよ。
   花さん、これって何て花でしたっけ?
花) 知らないよ、そんなの。
一択) そうですか。
花) ねえ。
一択) はい?
花) 手、貸してみな。

(一択の手のひらに文字を書く花)
一択) なんて書いたんですか?
花) さあね。
一択) えっ? えっ、ちょっと
   教えて下さいよ!
花) 教えな~い。
一択) 何でですか? 教えて下さいよ!
花) うるさいな。しつこいんだよ!
  教えないっつったら教えないの。
  今度教えろっつったら蹴るよ!
一択) イテッ。マジ痛てえ。
花) フンッ。

(海の手のひらに文字を書く一択)
花) 何て書いてんだよ。
一択) 教えません。
花) 何だよそれ。教えろって!
一択) しつこいなあ。今度教えろっ
   つったら抱きしめますよ!
花) はあ? ふざけんな、コラ! 待て!
一択) ちょっと待って。

(海を抱きかかえる一択)
花) あっ、卑怯だぞ。
(海に蹴られる一択)
花) ハハハハ! だっせえ。アハハハ!

**********
 

山形のばあちゃんが、怖くてあったかくてすごくいい。

 

汚れたら拭けばいい。
壊れたら直せばいい。んだべ?

 

んだね。ものは汚れるし、壊れるもの。本人がケガ

しなければ、好きにさせてあげてもいいんだよね。

転ばないように先回りするのも愛情。転んでも、立

ち上がるのを見守るのも愛情。海ちゃんが自分の

子供だったら、心配しすぎて囲いこんでしまいそう

な気がする。子育ては、いろんな立場の人がいて

くれた方が、お母さんは楽になれるかもしれないね。

 

他人と関わるのは怖い。でも、関わらないと、大切

な人になる人は見つからないし、出会えない。ドラ

マだから、できすぎの出会いではあるけれど、ドラ

マじゃなくても、いい人がいないわけじゃないんだ

よね。やさしくなりたいと思っている人は、実はたく

さんいるような気がする。やり方がわからないだけ

で。ハンディキャップのある人を、手助けしてあげ

たい気持ちは、大げさじゃなく持ってる気がするよ。

 

一択が、ロックなバカがどんどん好きになってくる。

人間は、中身がいいやつが一番だよね、本当に。



●「奇跡の人」HP

 

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奇跡の人~第3話
奇跡の人~第4話
奇跡の人~第5話
奇跡の人~第6話
奇跡の人~第7話
奇跡の人~第8話

 

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