「てるてる家族」(再放送)第125回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第125回

拓夫(森田直幸)は生意気なことを言う半面、自
分たちがどうしたらいいかわからない幼さもあり、
和人(錦戸亮)と冬子(石原さとみ)を戸惑わせる。
シャトーでは、浪利(杉浦太陽)の組んだフォー
クソンググループが演奏して連日盛況だったが、
聞きつけた佐藤(大村崑)がどなり込んで来る。
佐藤と浪利が言い合う中、久しぶりに安西(中村
梅雀)が顔を出す。数日後、米原(近藤芳正)と
バッタリ会った冬子はあることを思いつき…。

**********

和人) 何で勉強せえへんね? 学校休んで
    る分、俺が教えたる言うてるやろ。
拓夫) いらんわ。
和人) そんな事言わんと、
    やる事やっとかなあかん。
拓夫) 何のために勉強すんのや?
和人) 何のためて、自分が幸せになるためや。
拓夫) 勉強してあんたは幸せんなったんか?
和人) えっ?
拓夫) ごまかさんかてええね。お金儲けるため
    に勉強すんのやろ? 学校出なええ会社
    に入られんのやろ? そやから勉強すん
    のやろ? 学校行かれへん者が、学校の
    勉強したかてしゃあないわ。
和人) 何で、学校行かれへんね?
拓夫) お金がないからや。ほんなら、
    ほかの事していくしかあらへんやん。
冬子) 何すんの?
拓夫) 2人で生きていくだけの事や。
冬子) 2人で、ずっと生きていくの?
拓夫) 2人しかいてへんやろ?
和人) どうやって生きてくね?
拓夫) 知らん。あのお金頂戴。
和人) えっ?
拓夫) あの人が持ってきたお金や。俺らの
    ために持ってきてくれたんやろ?
    そやから頂戴。そしたらここ出ていくし。
和人) 出てってどないすんのや?
拓夫) 分からん。誰も教えてくれへんし。
冬子) そんな、寂しい事言わんといて。
    私らにかて、何か教えてあげられる
    事あるわ。
拓夫) ほな教えてくれ。俺らはこれから
    どないしたらええねん?
冬子) あっ、光ちゃん、絵うまいんやね。
    才能あんのと違う?


**********

春男) 何や、今日も冬子いてへんのんか?
秋子) 夕方弘子ねえちゃんに「用事ある」
    言うて、どっか行ったみたい。
春男) 用事?
春子) ほんまに冬ちゃん、
    恋人でもできたんと違う?
春男) ハハハ! まさか。
春子) 宝塚では厳しい規律があったから、その
    欲求が一気に芽生えて、春が来たんや。
春男) 芽生えへん。
    あいつはずっと冬のままや。
秋子) お父ちゃん、いつまでも冬ちゃんを子供
    扱いしたいのは分かるけど、現実に冬ち
    ゃんかてどんどん成長してんねんよ。
春男) そら成長してもらわな困るわ。

(拍手)
浪利) ええ~皆さん、ようこそ!
    僕たちの根城、シャトーへ!
春男) いつからあいつの根城になったんや。
浪利) 僕がリーダーの、ローリーです!
浜口) おいおい!
    いつからお前がリーダーなったんや?
浪利) まあまあ…ええやんか! 僕たちの、
    グループ名が決まりました! 僕たち
    今日から、ローリーストーンズで~す!
    サンキュー サンキュー サンキュー!
川辺) 何やねん、それ!
    お前の名前しか入ってへんやん。
浪利) いやいや…リーダーやから。
浜口) 何がリーダーや!
    ローリング・ストーンズはロックや。
    俺らはフォークや!
浪利) そやから、ローリーストーンズや。
川辺) 意味ない。意味ない。
浪利) あるよ! 浪速の利益の、礎ですやん。
川辺) そんなんあかんわ。
春男) アホな事で仲間割れすな。ほんまに…。
佐藤) 浪利!
浪利) あっ、おじい様! いや…。
佐藤) お前、ここで何してるんや?それ。
    ええ? うちの浪利やろ?
春男) ええ。間違いありません。やつです。


**********

春男) ハハハ…。
佐藤) わしはな、お前にな、そんなけったいな
    事をな、してもらうために、大学に行かし
    てんのと違うぞ。
浪利) けったいなもんちゃいますやん。
    フォークですやん。
佐藤) フォークとナイフで
    何の勉強ができるね?
秋子) けど、砂糖のおじ様も学生の時分は、
    小説書いてはったんでしょ? おばあ
    ちゃんから聞いた事あります。
佐藤) いや、そら…文学の「学」は、学問の
    「学」やないか。音楽の「楽」は、楽す
    る「楽」やないか。
春子) 夏ちゃんはいっこも楽な事してへんな?
春男) あっ、そうそう。そやな。
佐藤) いやいやいや! 本職はええんや。
    浪利はまだ学生やないか。
浪利) おじい様は、何で、小説書くの
    やめてしまったんですか?
佐藤) 何でて…食べていかれへんかった
    さかいやめたんじゃ。
浪利) 食べていかれへんかっても、
    書いたらよかったのに。
秋子) そうですよ。
佐藤) いや、そんな事、もう考える暇もなし、
    一生懸命、働いてきたんじゃ!
浪利) 何のために働いてきたんですか?
佐藤) 何のためて、そんな…。
浪利) 秋ちゃん。
    人は、何のために働くんでしょ?
秋子) 怠け者て言われへんため。
春男) 明快やな!
佐藤) 何をゴチャゴチャ言うてんねんな。
    あのな、そんなんと違うねて。
    そういう事を考える暇もなしに、
    一生懸命額に汗して、わしら働いて
    きたんや! そやから今日の戦後の
    日本があるんや!
浪利) けど、それ考えんと、ずっと働き
    続けてたら、どうなる思います?
浪利) みんな濡れ手で泡つかむ、そういう
    のが理想になってしまいますやん!
秋子) 「濡れ手で粟」の「あわ」は
    あぶく違うよ。穀物の「粟」や。
浪利) えっ?
春男) 濡れ手でパンは作られへんで。
    生地がベタつく…。
佐藤) 何をゴチャゴチャ言うてんね!
    あんたはもう! もう!
浪利) 僕は、経済の礎は、創造と、共感と、
    独自性やと思てますね。今僕は、
    それを学んでますね!
佐藤) 春男君!
春男) すんません!
佐藤) 聞いたか!?
春男) もう、ひどい、お前は!
佐藤) お前…偉い!
春男) 偉いんですか?
佐藤) 本当、偉い。フォークとナイフを究め
    たらな、こら立派な学問やないかい。
    はあ~! ええ事言うたなあ! ええ?
    考える力が、ついてきたっちゅう訳や!
冬子) ただいま!
春男) あっ、うちの「考える力」や…。
春子) 冬ちゃん!
秋子) どこ行ってたん?
冬子) うん…それより秋ちゃん!
    今そこで、珍しい人に会うてしもてん。
秋子) えっ?
    あっ…! 博士~!
安西) ハハハ…! 秋子君!
    やあ、しばらく!
    大きなったなあ! 元気そやなあ!
秋子) はい!
安西) 皆さんもお久しぶりです。
浪利) 博士! お懐かしい!
安西) え…? 誰?
冬子) ローリーです。
安西) ロ…ローリー? おお! おったな、
    そういうのが! ああ~懐かしなあ!
浪利) あっ、あの、僕のおじい様です。
佐藤) どうも、初めまして。あの、あなた、
    池田食品の、社長さんですか?
安西) はいはい! …という事は、
    あなたが、佐藤さんですね?
佐藤) はい。
安西) いや~おうわさはかねがね!
佐藤) あなた、会社を立派にされて。
    ええ? 大したもんやな!
安西) いやいや、ぼちぼちですわ。
春男) 人類やのうて麺類さん、どうぞ。
安西) 春男さんも元気そうで。
    照子さんはいてはらへんのですか?
春男) あいにく…。
秋子) 母は今東京です。
安西) 東京?
秋子) はい。歌手になった夏子姉ちゃん
    の方に行ってるんです。
安西) ほう! そうですか。ハハッ!
春男) 麺類博士が来たのに自分がいて
    なかったらもうがっかりしますわ。
安西) いやいや、私もがっかりや。
春子) どうぞ。
春男) あっ、長女の、春子です。
春子) お久しぶりです。
安西) あの…スケートやってはった
    お姉さんやね。
春男) まあ、ご存じかと思いますけど、
    春子、オリンピック出ましてん。
安西) えっ、オリンピック!?
春男) 知らはれへんかったんですか?
安西) 知らんかった。それはすごい!
    大したもんや! いや、この家にはね、
    才能を伸ばす力がある思てましたわ。
佐藤) いや、そらな、照子はんの執念でっせ。
冬子) 私は! パン屋になりました。
安西) ああ、そう…。
冬子) パン嫌いやった。
秋子) 博士! おばちゃんも史郎君も麻紀
    ちゃんも、みんな元気ですか?
安西) ああ、元気や! いつもな、秋子君の
    事を懐かしがってるで。
春男) あの…今日は、また、何で?
安西) いや~ね、考えに行き詰まると、
    どないしてもこの池田の町を歩き
    たなってしまうんや。
佐藤) あんさん、経営に行き詰って
    はるんですか?
安西) いやいやいや、そういう事や
    あらしまへんねけどな。
冬子) ニコニコめんは、
    今もよう売れてますよね?
安西) まあねえ。しかしね、あれを出してから
    いうもの、まあ、雨後の筍のようにぎょう
    さん即席麺が出てきたやろ? もう競争
    が激しなってな。スーパーマーケットで
    は、値崩れがどんどん始まっとる。
冬子) 私らは、安う買えてええけどね。
春男) そやな。
安西) もう、これからは日本だけではあかん。
    世界に売り出していかんとあかん。   
    それでな、まずアメリカで、「オンリー湯」
    やったろ思てな。視察に行ったんや。
秋子) はい。
安西) ところがこれがうっかりしててな…。
秋子) どういう事ですか?
安西) あのな、秋子君。
秋子) はい。
安西) アメリカには、箸も、丼もないんや!
一同) ああ~!
安西) それでな、アメリカのバイヤーはやな、
    秋子君、どないしたと思う?
秋子) う~ん…コップで食べた?
安西) さすがや! さすがわしの娘や!
    よう分かった! 大したもんや!
春男) 娘ちゃうで。そこは違うで。
    娘はちゃうで。
安西) …でな! それでな、彼らは、紙コップ
    を持ってきてやな、その中に、麺を入
    れて、割って入れてやな、それでな、
    フォークで、食べたんや。いや~食文
    化の壁っちゅうやつやなあ。
    しかしながら秋子君。
秋子) はい。
安西) いいか!? 麺類に、国境はない!
    人類は…麺類や!
秋子) はい、博士!


この秋子姉ちゃんと千吉さんの再会は、
やがてまた、世紀の大発明につながる
事になるのでした。


安西) ところで、ローリー君。
浪利) は…はい。
安西) 君たちは、音楽をやってるのかね?
浪利) はい!
佐藤) ああ、この子ね、ナイフっちゅうの
    やってますんや。
春男) フォークです、フォーク。
安西) フォーク! フォークなら私も歌おう。
    秋子君!
秋子) はい!
安西) 君も共に立ち上がろう!
    さあ、ちょっと貸したまえ。
浪利) 弾けるんですか?
安西) ヘヘヘ…。
浪利) えっ、えっ! すごい、すごい…。
    冬ちゃん! 春子ねえさん!
    スタンダップ!
春子) えっ? えっ…?
秋子) スタンダップ!
浪利) スタンダップ!
安西) ♪How many roads must a man
waik down~ (♪風に吹かれて)
春男) 近所迷惑ですわ。
    佐藤さん…佐藤さん…。


**********

それから数日後の日曜日でした。

米原) あっ、冬ちゃん!
冬子) えっ…? あっ、米原さん。
米原) お出かけですか?
冬子) はい。あっ…米原さん、お暇ですか?
米原) はい。これから冬ちゃんとこに、
    行こうかと…。
冬子) あ…ほな、ちょっとだけ
    来てくれはりません?
米原) えっ?
冬子) なっ? ちょっと…。
米原) どこへ?
冬子) あっ…! あの…絵の具…
    今絵の具持ってはりません?
米原) えっ?
    いや、家に腐るほどありますけど。
冬子) 行きましょ…先生、行きましょ! さあ!
米原) えっ、冬ちゃん…?


**********

冬子) さあ、何でも描いてええからね。
米原) 絵は、うまく描こうなんて思う事は、あり
    ません。うまい絵とはえてして大人から
    押しつけられた、法則にすぎないのです。
    君たちに、そんな法則は必要ないので
    す! 感じたまま、想像力を使って、
    遊べばいいのです!
冬子) 要するに、あの、何でも描いたらええね。
    思いっきり描いたらええね。

(絵を描き始める光樹)
光樹) クジラ!
米原) そう! クジラ! すばらしい!
    それが絵です! 光ちゃん最高です!
拓夫) よっしゃ、俺も!

(絵を描き始める拓夫)
冬子) よし! フフッ…!
    どや? 拓ちゃん。楽しいやろ?
    楽しい事が一番やね。お金も大事やし、
    勉強も大事やけどな、楽しなかったら、
    自分が誰か、分からへんようなってし
    まうやろ? 何のために勉強すんのか
    いう事も、楽しい事の中から見つけて
    いかなあかんて、私は思うね。
米原) ほら…! 大きく! うん!
冬子) えっ? あっ、あっ、そこは駄目!
    全くもう…。やだなあ、もう…。何で?


**********

和人の部屋であのラーメンが登場した時から、
安西博士再び? と思っていたら…期待通り!
いよいよ、あのカップヌードルを発明する流れ
になるのかな? また、秋子がそれに関わる?
本当に、全てがつながっているドラマだなあと。
すべてがブツ切りの現朝ドラとのあまりの違い
に毎日呆れるというか、いろいろと勉強になる。

何のために勉強すんのや?
勉強してあんたは幸せんなったんか?

何のために勉強をするのか…。ものすごくざっ
くり考えたら、和人の言う通り、自分が幸せにな
るためというか、幸せになれるチャンスを少しで
も増やすためなのかなあと。勉強して幸せにな
ったかと聞かれれば、勉強のおかげかどうかは
分からないけど、幸せだと思う。自分にとって大
切な人との出会いは、勉強して行けた学校だと
思えば…確かに勉強で幸せになったとも言える
かもしれない。子供の頃は分からなかったけど。

楽しい事が一番やね。お金も大事やし、
勉強も大事やけどな、楽しなかったら、
自分が誰か、分からへんようなってし
まうやろ? 何のために勉強すんのか
いう事も、楽しい事の中から見つけて
いかなあかんて、私は思うね。

冬子の言葉がストンと心に落ちてくる。うんうん。
楽しい事が一番。子どもの頃は、本を読む事が
楽しくて楽しくて。とにかく知らない世界を知るこ
とが楽しかった。自分は、何が楽しいのか、どん
なことを楽しいと思うのか、それを知るために…
つまりは自分がどんな人間かを知るために、勉
強するのが一番の近道なのかもね。やってみな
けりゃ分からない。宝塚に行ってみて、やっぱり
自分はパン作りが合ってると気が付いた冬子の
ように。子供達が、「楽しい」に出会えますように。


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