映画 「夏の終り」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

 

映画 「夏の終り」


結婚して子供もいる年上の作家・慎吾(小林薫)
と長き
にわたって一緒に生活している知子(満
島ひかり)は、
慎吾が妻と知子との間を行き来
する生活に不満もなく、
妻と離婚してほしいと思
ったこともなかった。そんな
ある日、かつて彼女
が家庭を捨てて駆け落ちした相手の
涼太(綾野
剛)と再会。それ以来知子の生活は揺らぎは

め。慎吾との関係を継続させつつも涼太と以前
のよう
な関係に戻ってしまい……。

 


**********

知子) 落ち着かないの。
慎吾) わがままなんだ、君は。
    イヤになるね。


**********

知子) 気配りは忘れていないのよ。
    買ってやったもんを着せてあちら
    さんへ帰すようなことだって、
    絶対にないんだから。  
涼太) いいの? それで。
知子) いいって?
涼太) 嫉妬はないの?
知子) もう恋はないんだもの。
涼太) じゃ、何があるの?
知子) 愛してんのね。
涼太) 無神経な女だよ。2人の男に迎え
    られて、あなたは幸せそうな顔して、
    さっさと先生と引き揚げる。あの日
    銀座に出て、あなたたちと別れた
    あと、俺がどこでどう過ごしたかな
    んて考えたこともないんだ。
    聞けよ!
知子) ちょっとどなんないでよ!
涼太) あなたを待って待って、
    あげく仲良く帰るの見送って…。
    ふしだらで、淫らでだらしがないよ!
知子) よ~く分かったわ。それが愛だわ。
    だらしがないものよ。ちょっと…。
涼太) めでたい人だよ。
知子) あんたなんかに
    何がわかるっていうの?
涼太) じゃ、なぜ向こうは
    別れようとしないんだ?
知子) 私が望まないからよ!
    慎と私にはね、あんたの知らない
    生きてきた時間ってもんがあんの。
涼太) じゃ、俺のことは何だ?
    浮気か? 浮気か!?
知子) 離してよ!
涼太) 何だ!? 言え!
知子) 言わせないでよ。憐憫よ!


**********

知子) 別れ話ができないのは、8年の習慣
    のせい。愛なんかより習慣のほうが、
    ずっとずっと強いんだから。
    そうよ。つくづく気付いたわ。
涼太) のむんだ、タバコ。
知子) 慎にしたってそう。長い習慣がある
    から、離婚なんてできやしないのよ。
涼太) 卑怯な女だ。あんたは、俺には分から
    ないって言ったんだ。それが愛だって。
    言い訳するのが愛なの?


**********

慎吾) 涼太の愛を、
    利用してでも別れるとは何だ!?
知子) やり直したいの。
慎吾) うん…。
知子) 違うの。この家すら出て、
    一人でやり直したいのよ。
    そりゃこんなままの方がずっとずっと
    楽よ。でもどうにもなんないでしょ?
    慎だって、分かってんだ。


**********

慎吾) 一緒に、死んでくれないか?
    ずっと前から…死にたいんだ。
    イヤなんだ、もう…。何もかも…。
知子) はい…。

(慎吾に押し倒される知子)
知子) いたっ…。
(笑い声)
慎吾) 笑ってるのか?
知子) だって、どうして奥さんに
    頼まないんですか? フフフ…。
慎吾) それは…かわいそすぎる。
    あいつはいつだって…一生懸命なんだ。


**********

満島ひかりは、実際は瀬戸内寂静なんだよな
~と思うと、何とも不思議な気持ちになって…。
ヒロインが、いや…瀬戸内寂静が、かなり業の
深い女であることは、よ~く伝わってきた。自分
が男だったら、絶対手を出さないタイプというか。

たぶん、原作小説を読めば、もっと伝わってくる
ものがあるんだろうけれど、ヒロインが「愛」とは
何たらかたらと語る場面には失笑してしまった。
こういう自分本位の女っているよなぁ~と思って。
愛より習慣のほうがずっとずっと強いというのは
分かるけど、そもそも、愛も習慣のような気も…。

人物には共感しないけど、画はとても美しかっ
た。満島ひかりは美しい。それだけで十分満足。

唯一リアリティを感じたのは…心中をどうして奥
さんに頼まないかと聞かれて答えた男のセリフ。
いや~あれはない。いっぺんで百年の恋も冷め
る。そりゃ別れようって思うわな…。男性がやら
かしがちな、いわゆるそれは言ってはいけない、
ゲス回答がリアルだった。グダグダ別れられな
かった女が、別れを決断するのに十分なセリフ。
心中も、太宰治クラスなら価値もあるだろうけど、
才能のない男に誘われてもね…心底萎える…。

やっぱり、最終的に決断するのは女の方なのか
もね…と思ってしまった。好きなうちはどこまでも
我慢するけれど、気持ちが離れたら、一瞬で何
の未練もなく捨ててしまうのは、女の方かもと…。

 

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