ふれなばおちん (11) | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

ふれなばおちん (11) 
小田ゆうあ

ふれなばおちん(11)

私が生きている間に
あなたに出会えたこと、
その奇跡に深く深く感謝。
そして、あなたも同じように感じてる。
この想いは本物で、
私たち以外の誰にも邪魔されない、
邪魔できないものです。

そのことを私たちは知っています。

それだけでいいのです。

ふれなばおちん(11)

**********


パッとしない、女を捨ててしまったようなダサい主婦だ
った夏が、売れないイケメン俳優との恋に落ち…。ま
るで、少女のようにときめいて、綺麗になって、手をつ
ないだだけで、キスをしただけで舞い上がって、でも、
その先には踏み出せない、切なくも苦しい恋をする夏。
ふれなばおちん。ふれればすぐにでもおちそうにも思
えた恋は、とうとう最後までおちなかった。その、おち
ない事こそが、この物語を成立させるアイデンティティ
ーだと思うので、最後まで貫かれた事にはホッとした。

今や、不倫はあまりにも簡単で…既婚者が夫以外の
男性に身を委ねる語なんて腐るほどあるし、リアルで
も珍しくないお話で。そう…今では、ある意味セックス
をしてしまう方が簡単なんだと思う。携帯はあるし、メ
ールもある。固定電話でしか連絡ができなかった頃に
は考えられなかった、一体一での連絡方法がたくさん
ある。個人が個人にすぐにダイレクトに繋がれる時代。
秘密は簡単に守られる。簡単に繋がれる中で、一線
を守り続ける事は、しかも、互いに求めながら我慢を
続ける事は、想いが強くなればなるほど、思った以上
に困難な事だと思う。もうすでに、性を知らないわけじ
ゃない大人の恋人同士にとっては…。秘密はバレな
ければ秘密ではなく、バレなければ、何もなかったの
と同じこと。夏の夫も、かなり疑いはしたものの、結局
2人の恋を確信するには至らないまま終わっていた。
夏が自分の中の罪悪感と闘う覚悟さえあれば、いつ
結ばれてもおかしくはない、ギリギリの、危うい恋だっ
た。それゆえに、一線を越えてしまわないかハラハラ
する気持ちもあって…。作者は絶対に超えさせないだ
ろうと信じてはいたけれど、安易な恋になってしまうと
ころだけは見たくないと、ずっと思っていたから。この
難しい恋をどう終わらせるのかだけが気がかりで…。

体がつながらなくたって、
心がつながってたらいいとか、綺麗事よね。
抱かれないのもつらいよね。女だって。


小牧さんの言葉が、深く突き刺さる。最後まで抱かれ
ない物語であってほしいと強く願う思いと同時に、心
のどこかで、夏の想いを成就させてやりたい、龍に抱
かれる幸せを味あわせてあげたいと思う自分もいて。
ドラマとしては、つい、最後に一度だけ…のパターン
にしてあげたくもなるというか…。最後に一度だけ…
を見たい気持ちもある。期待に応えたくなるというか。

最後まで一線を越えない恋を描き切ることを期待しな
がら矛盾するのだけれど、女心としては、越えさせて
あげたかったとも…思う。このマンガの中での一線は、
絶対に超えてはならないものと知りつつも、ついね…。

**********

手紙のやりとり 九通
二人だけで会った夜 一回
キスが 三回

数をかぞえると  
こんなにもはかない私たちの秘密は
どうにかこうにか
おおむね人に知れず消えていこうとしている。
でも でも もし彼と
次の世でまた出会えたとしたなら
次に 彼に 触れられたら わたしは
わたしは 今度こそ おちていくだろう。
女として 深く 深く どこまでも どこまでも。


**********

もし、2人が再び出会う事があれば、それは既に運命
なのだから、もうあふれる想いは止められないと思う。
たとえ2人が、おじいちゃん、おばあちゃんになってい
たとしても、そのときは、もう誰にも止められないと…。

そんなたわいのない希望さえ、作者は潔く断ち切って
しまった。はっきりとは描かれなかったけど、おそらく
二度と会えない未来を予想させるカット。ふれなば…
おちないためには、そうするしか、ないのだけれど…。
淡くも切ない恋で終わったはずが、これからが、夏に
とって、辛く残酷な終わらない恋の始まりとなってしま
うような気がして、想像するだけで胸が苦しくなります。

読者としての勝手な希望としては、遠い未来、年老い
て互いに一人になった二人が再会し…なんて妄想す
る余地ぐらいは残してほしかったかなあと思いますが。

大人の恋は切ないね。そして…怖い。
そんな奇跡の恋には、落ちたくないと…思うのでした。


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