ごちそうさん(132)~一人に慣れて、見送る人に。そして終戦 | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第132回
「い草の味」
~一人に慣れて、見送る人に。そして終戦


め以子) こんなことのために…。
     ご飯作ってきたんと違う!


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和枝) め以子はん。開けまっせ。



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ハナ) うち、捜してきましょか?
和枝) 行かんでええ。
ハナ) けど、変な気ぃ起こしはったり…。
和枝) 死ねんかった。
    このくらいでは、わては死ねんかった。




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(お腹が鳴る音)

め以子) かっちゃん。
     お母ちゃんなあ…かっちゃんおったとしても、
     そっちには…行けそうにないわ。お腹のすか
     ん国には、行かれへん。かっちゃんもなあ!
     戻ってきた方が、なんぼかええんとちゃうか
     いな!


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ハナ) さすがに、捜した方がええんと違います?
武夫) ごめんください。
ハナ) 大丈夫ですか!?
武夫) 山ん中で、道に迷いはったらしい。
ハナ) ええっ!?
和枝) 武夫さん、おおきに。お茶でも飲んでって。
武夫) はい。
ハナ) 奥様? 奥様!


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和枝) 枯れてるやろ! せっかく出てきた芽ぇが!
    あんさんが放り出したからやで。あんさんがや
    る事やったらへんから、死んでもうたんやで!
    あんさんが殺したんや!
め以子) その…とおりです。そのとおりです…。
     あっ、あの子を殺したんは、私です。




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和枝) 草抜きましたかいな?
    ほな、おかいさんでもおあがり。
    活男君の戦死、ホンマかどうか、確かめに行こ
    うとしはったんか? あのな、一つだけ、教えと
    いてあげますわ。活男君がホンマに亡うなった
    かどうかは知りまへんけど。子供を亡くすいう
    んは、1年やそこら泣き暮らしたかてどないも
    なりまへんで。慣れんのに10年、20年。人によ
    っては、一生かかりますさかい。それは覚悟し
    た方がよろしいで。
め以子) あ…あの。ご飯、一緒に、食べてください。
     一人で、寝て、起きて働いて。
     ご飯食べるだけやなんて、私…。
和枝) あんさんは見送るお人やろう。
    心も身体も、生きる力が強うて。おそらく、見送
    って見送って、最後は、一人で生きるお人や。
    一人に慣れはった方がええ。

**********

め以子) 頂きます。
     (かじる音)
     ごちそうさんでした。

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(玉音放送)
茲(ここ)に忠良なる爾(なんじ)臣民に告ぐ。
朕(ちん)は、帝国政府をして、米英支蘇、
四国に対し、其の、共同宣言を受諾する旨、
通告せしめたり。




め以子) 終わった…?
     …終わった。


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なんで、簡単に落とすんだ! 大事なはずの手紙を!
演技に入り込めないと、余計なツッコミが先にたって。
本当に、和枝ちゃん、いえ、キムラ緑子さん一人のお
かげで、ドラマとしての体を保っているというか、観る
気にもさせてくれるというか。本物の役者の力という
のは、ダメな脚本、演出にも負けずにいられるのか!

力のある役者さんによって、さすがに杏ちゃんも、役
者としての力を引き出されたようで…。鼻水をたらし
ながら泣く姿は、久々に見た、役者らしい姿でした…。
でもね、鼻水OKならなぜ、せめて白髪だけでもいい、
ほうれい線を描けとはいわない。なぜ、少しの老けメ
ークが出来ないんだろう? ハナちゃんの隣にいても、
20代の若々しいツルツルお肌ってのは…興ざめで。
せっかくの、ヒロインなりの熱演が、もったいない…。

それにしても…こんなにのどかな終戦の絵面は、記
憶にないというか…。とことん、肝心な場面はスルー
して、言いたい事だけ言い倒す手法は、ブレないとい
うか…。ここまではさすがにふざけられないと脚本家
が言っていた2週間が過ぎ(十分おふざけはあった
と思うけど)、かなりはじけるらしいおふざけが始まる
のかと思うと、め以子の「終わった」のセリフが、違っ
た意味で、観ている側に響いてくるのでありました。
(ボケっとした顔にナスを持たせて、「ボケナス」を体
現させるなんて、演出もイケズだよねえ…違う?w)

一人で、寝て、起きて、働いて、ご飯を食べる。女で
なくても、誰でも、それぐらいはできる「生きる力」を
持っていたい。それが出来る人間で…いたいと思う。

生きる力が強ければ、生き残る人間は、人を見送る
立場になる。生き続けるということは、見送り続ける
ことでもあるんだなあ。和枝ちゃんの人生に、涙…。


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