日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「日々のダダ漏れ」は、感動したもの、面白いもの、美味しいも
の、私が好きなもの等を、勝手気ままに綴るお気楽ブログです♪

ドラマの記事につきましては、期待しているドラマの初回の紹介、
ドラマの中で私が好きなセリフ、シーンを記憶に残すために書い
ています。基本的に、面白いと思ったものを、お勧めのドラマに
ついて、自由気ままに書いていますので、面白いと思った回だけ
を単発で書いたりすることもあります。記事のスタイルは、まだ
まだ模索中なので大きく変更する事も。ご了承下さい(*^。^*)

「ばけばけ」第60

第12週「カイダン、ネガイマス。」

 

 

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しばらく、注意喚起させていただきます。

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

<大雄寺>

(「水飴を買う女」の墓に向かい、

手を合わせたトキ)

トキ) 先日はヘブン先生が

 ありがとう存じました。

住職) あっ、いいえ…。

 その後、どげかね?

トキ) あっ…はい、おかげさまで。

 もう金縛りはもうすっかり…。

 寂しがっちょるぐらいです。

 フフッ…。

住職) そげかね。なら安心だが…。

トキ) はい。

住職) …で、何か、

 相談があるとか?

トキ) はい…。

 「水飴を買う女」を、もう

 いっぺんお聞かせ頂きたく。

住職) ほう…怪談の?

トキ) はい。

 

**********

 

<花田旅館>

平太) あと少し、

 待っちょってごせ。

トキ) あっ…。

平太) もう1~2分で…。

 いや、4~5分、5~6分で、

 出来るけんの。

トキ) フフフ…はい。私が早く

 来過ぎたのがあれですけん。

平太) いやいや…。

 急ぐけんのう。

トキ) フフッ。

(こっそりあくびをするトキ)

 

**********

 

<表>

ツル) ありがとうございました。

ウメ) ありがとうございました。

ツル) はあ~しかし、だいぶ

 日が延びてきたわねえ…。

ウメ) ほんに。こないだまで

 この時間は真っ暗でしたけん。

ツル) ねえ? もうすぐ春だわ。

 

**********

 

(土間に入る)

ツル) こげに同じことば~っか

 し言っちょるうちに人は…とい

 うか、私、花田ツルは、死んで

 いくんだろうねえ…。あれ?

(トキが立っている)

ツル) 寝ちょる…。

 あっ、寝ちょるよね?

ウメ) 寝ちょりますね。

ツル) はあ~器用だねえ…。

ウメ) おトキさん? おトキさん?

ツル) (小声で)し~っ、し~っ。

 寝かせてあげよう。

 疲れちょるんよ。

ウメ) あっ、はい…。

(トキの前に立ち、

両手を突き出すツル)

ウメ) 何しちょるんですか?

ツル) 決まっちょるが。おトキち

 ゃんがいつ倒れてもええように

 備えちょるの。おウメは、後ろ。

ウメ) 後ろ?

ツル) 後ろ。こげに。

 あっ、早いこと早いこと。

ウメ) あっ、はい…。

ウメ) こげにこげに…。

(背中側にまわるウメ)

平太) ほれ、おトキちゃん

 お待たせ!

(目を覚ますトキ)

トキ) えっ?

 わっ! えっ、ああ…あれ?

平太) うん? 2人とも、

 何しちょうかね?

ツル) 決まっちょるでしょう。

 おトキちゃんが立ち寝しちょっ

 たけん、いつ倒れてもええよう、

 備えちょったの。

平太) ああ?

ツル) あ~何事もなくてよかった。

 だども…こげなことしちょるうち

 に人は…というか、私、花田ツル

 は、死んでいくんだろうねえ…。

平太) 何を言っちょうかね?

 あっ、おトキちゃん、

 夕餉、お待たせ。

トキ) あっ、

 ありがとうございます。

平太) ほんで、これが夜食ね。

トキ) すんません、

 ご面倒をおかけして。

平太) ええ、ええ!

 ちゃんとお代は頂戴するけん!

トキ) はい。

ウメ) 夜食?

ツル) あれ? 朝話してる時

 おらんかったかおウメは。

平太) 怪談を語るんだと。

ウメ) 怪談?

トキ) はい。先生が怪談を聞き

 たい言うもんで、私が、語っ

 て聞かせちょって。

ツル) 昨日もおとといも、

 丑三つ時まで語ったんだと。

ウメ) そげに?

トキ) はい。だから、私と

 先生の2人分お願いして。

平太) 大変だのう!

ツル) ほんに。

ウメ) けどそれで立って

 寝ちょったんですね。

ツル) あっ…。あっ、

 おトキちゃんだないかい?

トキ) えっ?

錦織) あっ…この時間は、

 ここだろうと思ってな…。

 久しぶり。

 

**********

 

<茶店>

錦織) 先生は、お元気か?

トキ) 変わらず。

 今はお一人でお散歩に。

 というか…学校でお会いに…。

錦織) ああ…

 まあ、そうなんだが…。

トキ) 中学校…。

錦織) それで…。

2人) あっ…。

トキ) フフフ! あっ、すんません。

錦織) 申し訳ない

トキ) あっ、いえ…あっ、はい。

 どうぞ。

錦織) いいのか?

トキ) はい。

錦織) うん…それで…君は確か…

 怪談が好き…だったよな?

トキ) あっ…あっ、はい。

 怪談は好きですが。

錦織) そうだよな。

トキ) はい…。

錦織) 昔東京の下宿先でそんな話

 をしていたし、確か、銀二郎君

 と2人とも好きだったよな?

トキ) フッ…ええ。

錦織) 実は…まあはっきりとは

 言えないんだが…怪談が、ヘブ

 ン先生の日本滞在記の、ラスト

 ピースになるのではと、思えて

 きてな。

トキ) 怪談が…。

錦織) なので…君から先生に…

 怪談を教えて差し上げてくれな

 いか?

トキ) 私から、ですか?

錦織) ああ。まあ私が言うのも

 なんだが…先生の、お力にな

 ってほしい。

トキ) 私が…。

 フッ、フフフ…フッ…フフ…。

錦織) うん?

トキ) いや、「私が言うのもなん

 だが」ってそげですよ。フフッ。

錦織) しかたないだろう。

トキ) フフフ…え~? フフフ。

 ご心配なく。もうやっちょり

 ますけん。

錦織) もうやっちょる?

トキ) 怪談を…教えて

 差し上げちょります。

錦織) 先生に? もう既にか?

トキ) はい。大雄寺で、怪談を

 知った日の夜から、毎晩欠かさ

 ず、怪談を語って差し上げちょ

 りますけん。もう、しばらく…。

 あ~…ただ、私が、英語が話せ

 ませんけん、何べんも繰り返し、

 ゆっくり語らんといけません。

 まあそれもあって…毎晩、えら

 ~い遅くまで…。

錦織) そうか。

トキ) フフフ…。

錦織) ああ…。そうか、

 それは…ありがとう。

トキ) フフッ、いえ。

錦織) いやしかしなるほど…その

 様子だと、怪談がラストピース

 だと思って間違いなさそうだな。

トキ) う~ん、そげかもしれま

 せんね。私には何にも言っちょ

 りませんが、あげに熱心に、何

 べんも聞いちょられますし…。

 まあでも…本当にそげだとする

 と…うれしいやら…荷が重いや

 ら…フフフ…。フッ…フフフ…

 フフ…。どげしました?

錦織) うん? いや…教えて差し

 上げてくれと言っておいて何な

 んだが…。言っておかねばなら

 んことがあってな。

トキ) フフ…えっ、何でしょう?

錦織) 先生は新聞記者で、滞在記

 を書くために日本に来ている。

 そして…怪談がラストピースで

 あるとすれば、怪談のことを書

 き上げれば、滞在記は完成し、

 先生は目的を達する。

トキ) はい…。

錦織) うん…。まあつまりだ…

 君が怪談を語れば語るほど、滞

 在記は完成に近づき、先生は…

 ここからいなくなるということ

 になる。

 

**********

 

(台所でぼんやり後片付け

をするトキ)

 

**********

 

(座布団とろうそくの

準備をする、書斎のヘブン)

ヘブン) オトキ シショウ!

 ハヤク! ハヤク! カイダン!

(ためらうトキ)

ヘブン) オトキ シショウ?

トキ) はい! ああ~…だ…何?
 何これ…えっ? な…何か?

 ああっ、すんません汚れが。

 うん? うわっ、わっ…。

ヘブン) ヨゴレ…。

トキ) うわ…

 うっ、頑固な汚れが…。

ヘブン) ガンコ、ヨゴレ?

トキ) あ~すんません。恐らく

 今日中には取れませんけん、

 今日は、怪談なしで。

ヘブン) アッ… ナニ?

トキ) あれ~? あっ、あっ…。

 あ~すんません…。

ヘブン) ナンデ!?

トキ) おっかしいな~? 

 おっかしいな~?

ヘブン) プリーズ。

トキ) おっかしい…。

(動かないトキを押しのけ、

頑固な汚れをあっさり取って

しまうヘブン)

ヘブン) ネガイマス。

トキ) あっ、そうだ! 

 あっ、お風呂! お風呂が…今

 ちょうどええ湯加減ですけん、

 先にいかがでしょうか?

ヘブン) フロ? ナゼ、フロ…?

トキ) なぜ? あの、すごく、体に

 …体にええ…。あ~…先生、寒い

 嫌い、暖かい好き、ですよね?

ヘブン) ア…モチロン。But…. 

 イマ、カイダン、スキ。

 カイダン、ハヤク! ハヤク!

トキ) そげですよね。

ヘブン) ソゲソゲ!

トキ) アハハハ…フフ…。

 では…。フフッ。

ヘブン) カイダン… 

 カタル… キライ?

(目をそらしてしまうトキ)

ヘブン) ワタシ… キク… スキデス。

 アナタノ ハナシ…アナタノ 

 カンガエ… ハナスノ コトバ…

 スキデス。

(少年のようなまなざしで、

トキを見るヘブン)

(うつむき、微笑むトキ)

(たすきを外す。

トキ) フフッ…はい。

 

**********

 

(和ろうそくに火をともす)

(向き合って座った2人)

トキ) 「これは、初代藩主、松平
 直政公の頃のお話。そのころ、

 大雄寺の東側に、小さな飴屋が

 あったそうで…」。

ヘブン) ミズアメ?

(微笑むトキ)

ヘブン) アリガトウ。

トキ) いいえ。

 「『ごめんなさいませ』。ある夜更

 けに、一人の瘦せこけた、まる

 でかげろうのような女が、『水飴

 を下さいませんか?』と、店を

 訪れた。そして、それは毎晩続

 きました。店主は…」。

 

**********

 

勘右衛門) ひい! ふう! みい!

 よ! いつ! む! なあ!

男性) 松野さ~ん。松野さん。

 郵便で~す。

フミ) えっ?

 松野ですが…。

男性) こんにちは、郵便です。

フミ) えっ…? 

 本当にうちにですか?

男性) はい。松野トキ様宛てに。

フミ) へえ~珍しい…。

 初めてだないですかね?

 おトキに手紙だなんて…。

勘右衛門) 誰からじゃ?

フミ) 山根…銀二郎…。

勘右衛門) ああ?

フミ) 銀二郎!

勘右衛門) 銀二郎じゃと…?

(封筒を太陽に透かして見たり…)

 

**********

 

「私が言うのもなんだが」…。ほん

それ! もう~ホント、ヘブン先生が

好きなんだから~。かわいいったら

ありゃしない。早く誤解がとけると

いいのにね。本当は相思相愛なのに。

そしてその思いゆえに、怪談が日本

滞在記のラストピースになるだろう

ことも予想できるし、それを書き上

げたら日本を離れることになること

も予想出来てしまう錦織が切ないよ。

 

そして、錦織の話を聞いて、無駄な

抵抗を試みるトキもかわいすぎる。

少年のように、キラキラしたまなざ

しで怪談をせがまれたりしたらもう。

話さないわけにはいかないよねえ…。

大好きな怪談。大好きな怪談を好き

になってくれた人に、怪談を語れば

語るほど、その人が日本を離れる日

を早めてしまうかもしれないという。

そんな時に銀二郎から手紙…ワオ!

 

 

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「ばけばけ」第59

第12週「カイダン、ネガイマス。」

 

 

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トキ) 今日は…起きる、

 お早いですね。

ヘブン) アッ、ズット…カクデス。

トキ) ずっと書く…?

ヘブン) ウン。

トキ) えっ、朝までですか?

ヘブン) 「トットリノ フトン」、

 ズット、ズット、ズット…。

トキ) え~?

ヘブン) カク…ネムル、デキナイ!

トキ) ああ!

ヘブン) カキタイ!

トキ) フフフ…。

 あれ? あれ金縛りは?

ヘブン) アッ、ワカラナイ…。

トキ) ええっ!?

 ええっ、せっかく、お祓い、

 行きましたのに~。

ヘブン) アア、アア…。

 アシタ、タノシミ!

トキ) フフッ…はい。

ヘブン) フフ…。

トキ) 失礼いたします。

ヘブン) アッ、ア~チョット…

 ネガイ、デス。イイデスカ?

トキ) 願い? はい。

ヘブン) 「トットリノフトン」、

 モット、キキタイ。

トキ) またですか?

ヘブン) ニホンゴ、ムズカシイ。

 But…。

(辞書を開く)

ヘブン) イミ、スベテ、シリタイ。

トキ) あっ、言葉の意味?

 怪談に出てくる。

ヘブン) ウン。イエス。ソー… 

 モット、モット、キキタイ!

トキ) もちろんです! 昨日も言い

 ましたが、何べんでも、何十ぺん

 でも話しますけん。

ヘブン) (英)めちゃくちゃ助かり

 ます。アリガトウ、シジミサン。

トキ) いいえ。

ヘブン) アッ…デハ、

 チュウガッコウ、ヤスム…。

トキ) えっ? ノーノー! 

 ノーノーノー!

ヘブン) フフフ…ジョウダン。

 デ…デモ… ソノ、キモチ、アル。

 スグ… カエリマス。

トキ) フフッ、大急ぎで…。

 待っちょります。

ヘブン) (小声で)ヨロシク 

 オネガイシマス。

トキ) フフッ、お願いします。

 はい、フフフ…。

(ウキウキ布団を畳むトキ)

ヘブン) ア、ア… チ… チミナ?

トキ) ちみ…?

ヘブン) ア…。

トキ) ちなみに?

ヘブン) アッ…イエスイエス! 

 チ…。

2人) ちなみに。

ヘブン) チナミニ。

トキ) はい。

ヘブン) チナミニ。

トキ) フフフ…。

ヘブン) ア~ …フトンノ… 

 ア~… トットリ… 

 「トットリノ フトン」。

トキ) はい。

ヘブン) ハナシ… ア~ハハウエ

 サマ ノ ハナシデスカ?

トキ) あっ、いえ…

 「鳥取の布団」は…。

ヘブン) ウン? ノー?

トキ) あっ…はい。え~「鳥取

 の布団」は…。「鳥取の布団」

 は…前の、夫から。あれは、

 島根の隣の、鳥取のお話で、

 その人が、鳥取の人だったけ

 ん…。あっ…夫…分かる

 ありますか?

ヘブン) ア~ アッ、

 イエスイエス。

トキ) ああ…。

ヘブン) シジミサン…メオト?

トキ) はい。あ~…もう、何年

 も前に、少しだけ。その人は、

 東京にいて、もう、会うこと

 はないですけん。

ヘブン) トウキョウ…。

 (英)そうですか、

 ちょっと驚いた。

(ヘブンを見るトキ)

ヘブン) フッ…。

(小さく微笑み、

さりげなく背を向けるヘブン)

トキ) あの、では…あの…

 「布団」は、やめて。今夜は…

 別の怪談を。まだまだ、まだ

 まだ山ほどありますけん。

ヘブン) アア…。

 

**********

 

ヘブン) (英)なんて

  すがすがしい朝だろう。

錦織) 「なんてすがすがしい朝だ」。

ヘブン) Everything looks different.

錦織) 「全ての景色が違って見える」。

(教室の隅に錦織)

ヘブン) (英)初めてこの国に

 来た時のことを思い出した。

錦織) 「初めてこの国に来た

 時のことを思い出した」。

 何があったんだ?

ヘブン) オーケー マサキ。

 Thank you.

 (英)正木、昨日はありがとう。

正木) (英)いえ。

ヘブン) (英)席へ戻って。

 聞き取りも完璧。

正木) Thank you.

ヘブン) ウン…オーケー。

  Next up…, Kotani. 

小谷) Yes, sir. 

ヘブン) フフッ。

 

**********

 

<放課後>

錦織) 泣いていた?

 怪談を聞いてか?

正木) はい…なぜかは、

 分かりませんでしたが。

丈) へえ~怪談なんかで…。

 西洋人がどうして?

正木) さあ? 怪談を、いたく

 気に入ったご様子で、もっと

 ほかにも話を聞いてみたいと、

 怪談に詳しい方を、探すおつ

 もりのようでした。

錦織) なるほどな…。

丈) ふ~ん…。

 

**********

 

<締め切った書斎>

ヘブン) ヨロシク…

 オネガイシマス。

(ろうそくの炎を前に向き

合った、ヘブンとトキ)

トキ) 人の命が、ろうそくより

 もたやすく消えていく時代の、

 お話でございます。「出雲の国

 の、持田の浦という村の、あ

 る百姓の夫婦は、ひどく貧し

 く、自分たちが食べるだけで

 精いっぱい。子供が生まれる

 度に、『ごめんよ、ごめんよ』

 と、全て、家の裏を流れる川

 に捨てていました。しかし、

 月日は流れ、ようやく暮らし

 に少しのゆとりが出てきた頃、

 初めて、生まれて来た子を、

 育ててみることにしました。

 ある、月夜の晩のことです。

 ♪ねえん、ねえんねえんや、

 ねんねこした子は、かわいこ

 よ。父親は、赤子を背負って、

 『今夜はええ月だ』と独りごち

 ておりました。すると…まだ

 しゃべるはずのない背中の子

 が、口を開いてこう言ったの

 です。『お父っつぁん、お父っ

 つあんが最後に私をお捨てに

 なった時も、こげに月のきれ

 ~いな晩でしたね』」。

(ろうそくの火を吹き消す)

トキ) 「子捨ての話」、という

 怪談でございました。

 難し、でしたよね?

ヘブン) ン…。

トキ) 分かる、ありましたか?

ヘブン) ア…ハンブン… 

 モット、ワカラナイ。

トキ) そげですよね。

ヘブン) デモ… 

 ワカル… キモチアル。

 チチ… ワタシ… ステタ。

 ハハ ノ コト… ステタ。

 ユルス ナイ…。

トキ) すんません…。あっ…

 そげな、こととは知らず…。

 あっ、すんません、ほかの

 話に、すれば…。

ヘブン) ノー ノー ノー ノー。

 アッ…。コステテ、カイダン、

 スバラシ。アリガトウ。

トキ) いえ…。

(ヘブンも頭を下げる)

トキ) あっ、でも…「子捨ての

 話」、 私、こうも思います。

 何べん、捨てられても…この子、

 同じ親のもと、生まれた。

ヘブン) ウン…。

トキ) この子の、親、思う気持

 ち…強い。それを知った…この

 親、この子、大切に、育てる思

 います。相手の、気持ち、知る

 ことで…。何て言うか…う~ん

 …。ええことに…う~ん…ええ

 ことに、なったら、ええなあっ

 て思います。

ヘブン) ワタシ… オナジコト… 

 スル ナイ。ワタシ… イイコト…

 エエコト…。フフッ…。ワタシ

 エエコト… エエコト… シマス。

トキ) はい。

ヘブン) シジミサンノ… カン

 ガエ、コトバ、スバラシ。

 カイダン… アリガトウ!

(頭を下げる)

トキ) こちらこそ。

(トキも頭を下げる)

ヘブン) デハ…。

2人) モウイッペン。

トキ) フフッ…ですよね。

ヘブン) ネガイマス!

トキ) はい。フフフ。

ヘブン) ハヤク、ハヤク!

トキ) え~? フフフ…。

ヘブン) オトキ シショウ!

トキ) 何べん…何べんでも。

 はい、では…。

 

**********

 

司之介) 遅いのう…遅いの

 う~! あ~遅いのう~!

勘右衛門) 分かっちょる、遅い

 ことは。お前がいちいち「遅

 い遅い」言わんでええ! 余計

 遅くなる。

司之介) いや余計遅くは

 ならんでしょう。

勘右衛門) なる!

司之介) ん~ですが…。

フミ) 全く…怪談のことと

 なったらあの子はねえ…。

勘右衛門) 遅いのう…。

司之介) えっ?

勘右衛門) 何じゃ?

 

**********

 

(橋のたもとで足を止め、

ヘブンの家の窓あかりを

振り返るトキ)

 

**********

 

(原稿書きの手を止めるヘブン)

(ゆっくり振り返る)

 

**********

 

距離をとると言いながら、何だ

かんだヘブンのことが気になる

錦織が可愛い。素直になればい

いのに。もどかしいったらもう。

 

「鳥取の布団」が、トキの元夫

由来のものであることを明かし、

ちょっと気まずくなって別の怪

談に切り替えるトキ。新たな怪

談「子捨ての話」に、感情移入

するヘブン。ヘブンもまた、親

に捨てられたから…。そんなヘ

ブンに、自分の思いを語るトキ。

 

何べん、捨てられても…この子、
同じ親のもと、生まれた。この

子の、親、思う気持ち…強い。

それを知った…この親、この子、

大切に、育てる思います。相手

の、気持ち、知ることで…。何

て言うか…う~ん…。ええこと

に…う~ん…ええことに、なっ

たら、ええなあって思います。

 

なるほど。確かにね。恨みとは

限らない。何べん捨てられても

同じ親のもとに生まれた…との

解釈は、思いつかなかったな…。

今度こそ…互いに大切にできた

らいいね。ええことになれば…。

 

そうそう! ヘブンのトキの呼び

方が、「シジミサン」から「オト

キ シショウ」に変わったのが…

めっちゃ良き! ここからだね~。

 

 

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「ばけばけ」第58

第12週「カイダン、ネガイマス。」

 

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

トキ) 「とある宿屋で、客が布団に

 入ると、『兄さん寒かろう』『お前

 も寒かろう』と、布団から声がす

 る。ある鳥取の寒い寒い雪の降る

 田舎町に、貧しく幼い兄弟が2人

 だけで暮らしていた。『兄さん寒

 かろう』『お前も寒かろう』。ボロ

 家には、家具も畳もなく、手元に、

 たった一枚の布団。2人が、その

 一枚の布団に体を寄せ合いくるま

 っちょると、『家賃を払え! 払え

 ねえならもらっていくぞ!』、と、

 家の大家が、2人から布団を取り

 上げ、『出てけ!』と。吹きすさ

 ぶ雪の中に兄弟を追いだした。

 『兄さん寒かろう』『お前も寒かろ

 う』。そう言いながら、2人は凍

 え死んでしまった」。宿屋のしゃ

 べる布団は、その大家が売った兄

 弟のものだった。かわいそうに思

 った宿屋の主人が、寺でお経を上

 げてもらうとようやく…布団はし

 ゃべらなくなったそうでございま

 す」。

(ロウソクの火を吹き消す)

ヘブン) ハア…。

トキ) 「鳥取の布団」、という

 お話でございました。

ヘブン) ハア~…。

(薄暗い書斎で向き合った2人)

ヘブン) ハア…。

トキ) 分かり…ましたか? 

 日本語で。

ヘブン) ア…スベテ… 

 ワカル ナイ。

トキ) あっ…全て…

 何もですか…。

ヘブン) ノー! ノー ノー !

 アッ、ア~…スベテ

 ワカル ナイ… ナイ…。

トキ) あっ…。

ヘブン) スベテ… ア~…。

トキ) 全ては、分からない?

ヘブン) ウン!

トキ) あっ…。

ヘブン) イエス!

トキ) あっ、ああ、ああ…。

ヘブン) ア~ 

 ハンブン、グライ…。

トキ) 半分? ああ…!

ヘブン) ハンブン… モット… 

 ワカラナイ…。

トキ) 半分もっと…

 いやそげですよね。

ヘブン) デモ… オモシロイ。

トキ) フフッ。

 あっ、よかった…フフフ。

ヘブン) ソー… 

 ワンモア、タイム。

トキ) あっ、ワン…?

ヘブン) フフッ、ア~…。

 モッペン… モッペン!

トキ) もういっぺん?

ヘブン) イエス! 

 モウイッペン… ネガイマス!

トキ) もちろんです! あの、

 何べんでも、何十ぺんでも、

 お話しますけん!

ヘブン) アリガトウゴザイマス!

トキ) こちらこそです。

 

**********

 

(和ろうそくの太い芯に

火をつけるトキ)

トキ) では…。

(炎を挟んで向かいあった2人)

トキ) フフッ…。

(笑ってしまう)

トキ) 怪談は…フッ…日本の人

 も…古い、時代遅れ、気味が悪

 いと、嫌がられることが何べん

 もありましたけん、聞いていた

 だけるのが…うれしくて。

ヘブン) ナルホド…。

 ワタシ… スキデス。

(笑みがこぼれるトキ)

トキ) ありがとう存じます。

 では…。「鳥取のとある宿屋に、

 客が布団に入ると、『兄さん寒か

 ろう』『お前も寒かろう』と、布

 団から声がする。』『お前も寒かろ

 う』。ボロ家には、家具も畳もな

 く、手元に、たった一枚の布団。

 体を寄せ合いくるまっちょると、

 『家賃を払え! 払えねえならもら

 っていくぞ!』、と。2人から布

 団を取り上げ、『出てけ!』と。

 吹きすさぶ雪の中に兄弟を追いだ

 した。かわいそうに思った宿屋の

 主人が、寺でお経を上げてもらう

 とようやく…布団はしゃべらなく

 なったそうでございます」。

(ロウソクの火を吹き消す)

トキ) はあ…。

(うつむくヘブン)

トキ) 失礼いたします。

(机の上のランプを灯す)

ヘブン) アリガトウ。

(うるんだ目のヘブン)

トキ) 分かりました?

ヘブン) ハンブン…。カナシイ…。

 トテモ カナシイ…。

トキ) はい…。

ヘブン)デモ…アニ、オトウト… 

 ズット、イッショ…ヨカッタ。

トキ) そうですね。

 スバラシ…。アリガトウ!

(微笑み、そっとヘブンを

見つめるトキ)

ヘブン) デハ…。

2人) モウイッペン。

トキ) はい。

ヘブン) フフフ…。

 ネガイマス。

トキ) はい! フフフ…。

 

**********

 

<帰り道>

トキ) ふう…はあ…。

(提灯を手にスキップ)

(橋のたもとで、

ヘブンの家を振り返る)

(窓にあかり)

 

**********

 

(スキップで遊郭街に入るトキ)

トキ) く~っ! く~っ!

なみ) えっ、おトキちゃん?

トキ) フフッ。

(張見世の格子を見る)

トキ) おなみさんこんばんは。

なみ) こんばんは…だなくて、

 こげに遅くまで何しちょったの?

トキ) えっ?

なみ) まともな人が出歩く時間

 だないがねえ。ほら、見てみ?

(いちゃつく男女が通る)

なみ) で、何しちょったの?

トキ) ちょっと…怪談を。

なみ) かいだん?

トキ) 布団を…。

なみ) ふ…布団?

トキ) では! フフッ。

(家の方へ走るトキ)

なみ) 布団…まあ!

 

**********

 

<朝>

(トキが目を覚ます)

トキ) んっ…。

(体を起こし、バンザイ)

トキ) んん~! あっ…。

 んん…。あっ!

(掛け布団を抱きしめる)

トキ) あ~布団~! フフッ。

 布団、ククク…。

 ん~布団~! アハハ…。

(3人が見てる)

トキ) おはようございます。

(鶏の鳴き声)

トキ) 何?

司之介) 「何?」だないが。

 随分とご機嫌じゃのう。

トキ) まあ…。

司之介) 昨日は…

 昨日はなして遅かった?

トキ) あ~…。

勘右衛門) 随分遅かった

 みたいだのう。

トキ) はい…遅うなって

 しまいました。

(司之介を見るフミ)

フミ) (小声で)聞いて。

司之介) おトキ…。

フミ) やっぱり聞かんで。

 あっ、やっぱり聞いて。

司之介) おトキ…。

フミ) あっ、やっぱり聞かんで。

 あっ、やっぱり聞いて。

司之介) くっ…どっちなんじゃ!?

フミ) 分からん! 聞きたくない

 けど聞かないかんし…。

トキ) 怪談。

司之介) 怪談?

トキ) そげ。

 怪談を、聞かせちょったの。

勘右衛門) 怪談って…おじょが

 好きなあの怪談か?

トキ) そげです。

 昨日お寺に、お祓いに行ったら、

 そこのご住職が、怪談を聞かせて

 くれて、そしたら…ヘブン先生が、

 それを、いたく気に入って、それ

 で、夜私が、「鳥取の布団」とい

 う怪談を、聞かせちょりました。

司之介) それは…。それは本当か?

トキ) 本当です。ヘブン先生は日本

 語がまだよう分からんけん、分か

 るまで、何べんも聞かせちょった

 ら、遅うなってしまいました。ご

 めんなさい! ご心配、おかけしま

 した!

司之介) …だそうじゃ。

勘右衛門) よし、 信じる!

 わしはおじょを信じるぞ。

フミ) 私も。怪談だったら、

 機嫌ようなるのも分かるし。

勘右衛門) ああ。

フミ) おトキ、よかっただ

 ない。話せる相手が現れて。

トキ) まあ…。

司之介) 何が「まあ」じゃ。

 斜に構えて! さっきは起きる

 なり「布団!」言うて布団を

 抱きしめちょったくせに。

トキ) うるさいな!

フミ) フフ…。

 

**********

 

(源助柱に向かい、

手を合わせるトキ)

トキ) あっ、おはようござい

 ます。今日もええ一日になり

 ますように。行ってきます!

 おサワおはよう! 早いね!

サワ) おはよう。遅くない?

トキ) ギリギリ! 

 だけん先行くわ。

サワ) うん。行ってらっ

 しゃい気をつけて。

トキ) おサワも!

 あっ、ねえ!

サワ) うん?

(しゃべりたいけど…)

トキ) あっ…行ってくる!

サワ) おお…。

 ご機嫌さんだねえ…。

 

**********

 

(玄関に入る)

トキ) (小声で)おはよう

 ございま~す。

ヘブン) シジミサン!

 オハヨウゴザイマス

トキ) えっ? 

 おはようございます!

 あっ、すんません、

 ギリギリで…。

ヘブン) ア~ イヤ…。キノウ、

 アリガトウゴザイマシタ。

トキ) いえこちらこそ、

 ありがとう存じました。

ヘブン) フッ…。

(目が合ってしまう)

ヘブン) あ…ドウゾ、ドウズ。

トキ) はい…はい、フフッ。

 失礼いたします。

ヘブン) ア~ ハジメテ、キテ… 

 ア~ ジャナイ、ダカラ…。

トキ) あっ、そげですよね。

ヘブン) アハハ…。

トキ) あっ…。

ヘブン) ソゲソゲ。

トキ) アハハ…! そげそげ…。

 

**********

 

銀二郎に教わった怪談、「鳥取の

布団」の話をヘブンに語るトキ。

いや~楽しそうで良き。興味津々

前のめりで聞いてくれる人がいて、

その反応を感じながら語るってい

うのは、語り部としてかな~り幸

せなことだと思う。しかももうい

っぺんとお代わりまで。うれしす

ぎるし、楽しすぎるよね、これは。

 

そして目覚めてもまだ幸せの余韻

にひたるトキ。布団を抱きしめて

身もだえする姿を怪しむ家族たち。

そりゃそうだ。帰りは遅いし、浮

かれてるし、何かあったのかと思

うよね。フミも、聞きたいような

聞きたくないような気持になるよ

ね~。それでも怪談を聞かせてい

たのだと知ってすぐ納得するのも

トキをよく知る母親ゆえというか。

 

夜更けの怪談の翌朝は…なんだか

ちょっと、前よりもっと、距離が

近づいたようなトキとヘブン。い

いねいいね~ニヤニヤしてしまう。

 

 

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