「風、薫る」第38回
第8週「夕映え」
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行彦の声) お母様、少しは機嫌も
よくなりましたか?
千佳子の声) 何を言っているの?
和泉の声) 千佳子。行彦も、
心配してるんだから。
(部屋の外にりん)
藤田) 何をしてるんだ?
りん) 和泉侯爵閣下と、
ご子息がお見えのようで…。
藤田) えっ?
黒川) 改めますか?
今井) いや、我々の仕事ぶりを
見ていただくいい機会だ。
(ノック)
今井) 失礼したします。
主治医の今井でございます。
和泉の声) どうぞ。
**********
今井) これはこれは、和泉侯爵
閣下と、ご子息もおいででござ
いましたか。お邪魔いたします。
和泉) いや…。診察か?
妻が、いろいろと手間を
かけてすまない。
今井) いえ。奥様の、不安な
気持ちも分かりますので。
今日は、いま一度奥様に病状を
ご説明して、お分かりいただけ
ればと。
和泉) それは助かる。
千佳子) 結構です。私は、病状
が分かっていないわけではあり
ませんから。
行彦) お母様。
今井) では、皆さんでご一緒に。
奥様、左のお胸にあるしこりは、
切除しなければ、やがて必ず大
きくなってしまいます。このま
まほ放っておくと、ほかの臓器
に飛び火して、更によくない状
態を引き起こしてしまうんです。
りん) あっ!
申し訳ありません!
藤田) 何をやってるんだ!
申し訳ありません。
千佳子) (せきばらい)
あ…私疲れました。話はまた
の機会にしてくださいますか?
(りんを見る千佳子)
**********
(掃除をするりん)
りん) ♪「霜におごるや
菊の花 ああ あわれあわれ
ああ 白菊 人の」
(りんをにらむ千佳子)
りん) あ…どうせなら、全部
きれいにした方が気持ちが
よいかと。
(知らん顔で本を読む千佳子)
りん) お体のお加減は
いかがですか?
千佳子) よければここには
いません。
りん) あの…ご不満でも、お怒
りでも、愚痴でも文句でも、
何でも、よかったら、私にお
話ししてください。
千佳子) 私がどうして
あなたに話を?
りん) 私は、奥様を受け持つ、
看護婦見習ですから。
千佳子) (ため息)
(千佳子に向き直るりん)
りん) 残念ながら、私に奥様の
本当のお気持ちは分かりません。
看護婦見習の他人です。ですか
ら、ご家族のように、気遣う必
要もありません。
(本のページを閉じる千佳子)
千佳子) 手術は受けたく
ありません。
りん) それは…。
千佳子) 手術を受けて生き長ら
えたいほど、強欲な、恥知らず
ではありません。華族と言って
も元は武家。武家の女らしく、
潔く死にます。
(まっすぐ千佳子の前に立つりん)
りん) 私も、元をたどれば、
武家の娘でございます。
千佳子) もしやとは思ったけれど、
なぜ武家の娘が看護婦になど…。
りん) 「看護婦になるなど、恥を
知れ」と、母には言われました。
千佳子) そうでしょうね。
りん) ですが、今では、母も力に
なってくれています。この仕事は、
この、手は、多くの人を助けると、
看護婦養成所で教わり、更に、働
きたいと思うようになりました。
私は、まだまだですけど…。でも、
奥様の、生きる助けになりたいと
思っています。何か…手術を受け
たくない訳がおありでは?
千佳子) 訳は…ですから…。
りん) 何か、私に、できることは
ありませんか?
(風の音)
(りんに目を向ける)
千佳子) あなたに…?
りん) (頷く)
(目をそらす)
千佳子) シーツを取り替えて
くださる? あなたのベッド
メイク、悪くないわ。
りん) はい。
**********
<瑞穂屋>
美津) 松原さん、あそこの、
猫を取ってくださる? 赤い方。
松原) くださる…?
あ、はい、分かりました。
美津) それで、こちらの本を
まとめて倉庫の方へ。
松原) はい、えっ?
あ…分かりました。
文) フフッ。
さすが奥様、働かせ上手。
美津) 何か言いました?
文) いいえ。フフフッ。今日
はお客様が多くなりそうです。
槇村) どうも~。
美津) いらっしゃいませ~。
あ、シマケンさん。
島田) どうも。
槇村) 兄です。前々から
瑞穂屋に来てみたいと。
宗一) 弟がお世話に
なっております。
槇村) 兄はお堅い、役人なんです。
文) え~そうですか。どうぞ、
ごゆるりとご覧になっていって
くださいませ。
槇村) 兄貴、奥はもっと面白いぞ。
宗一) おう、そうか…。
(島田に手招きをする美津)
美津) 兄弟でも、
随分と違うものですね。
環) おばあ様。
美津) 環。
安) お散歩に出たらお店に
行きたいと聞かなくて。
シマケンさんこんにちは。
島田) どうも。
環) こんにちは。
島田) こんにちは。
美津) 環?
環) こんにちは。
宗一) あ…おや、迷子かな?
環) 迷子じゃないよ。私、この
お店のことよく知ってるもの。
宗一) フッ、そうですか。
では教えてもらおうかな。
環) おにいちゃん何買いに来たの?
宗一) そうだな…。舶来の筆とか。
環) こっち。
宗一) おっ、そっちか。よいしょ。
(兄の宗一を目で追う安)
美津) シマケン様。
あのお方、お年は?
島田) ああ…確か槇村の2つ
上だから、27じゃ…。
美津) お仕事は?
島田) えっ、あ…東京府の
役人だと。確か…会計課。
美津) 家は?
安) ご結婚は?
島田) あ…根津で、
結婚は、まだ…。
美津) 安!
安) あっ、私…でも。
宗一) すみません。
安) はい!
宗一) お嬢さんが、これを落とさ
れたようで。親御さんですか?
美津) いいえ。
安は、嫁入り前の娘です。
宗一) えっ? あ、それは、
とんだご無礼を。
安) そそっかしい子ですい
ません。姉の子なんです。
宗一) あ…かわいいし、随分と
似ていらっしゃるので、勘違い
してしまいました。
美津) シマケン様。
仲立ちをお願い申します。
島田) はっ?
槇村) 兄貴~
面白いもんあったぞ。
宗一) おう。では、これで。
安) はい。
(ず~っと目で追う安)
**********
<病室>
直美) 丸山さんかかない。
丸山) はい。
直美) 片桐さんおせんべいベッド
にこぼさないでください。
片桐) はい…はい、すいません。
直美) 千葉さんは、まだ固形物
食べちゃいけないって先生から
言われましたよね?
千葉) 一口だけ…。差し入れな
んだ、見逃してくれよ~。
直美) 認められません。
(没収する直美)
杉山) よいしょ…あっ…。
直美) えっ?
りん) あ…廊下で足が
痛そうだったから。
直美) あ…。
(支える直美)
直美) ありがとう。
杉山さんまたウロウロしてた
んですか? 安静にしてないと
また足折れちゃいますよ。
杉山) ウロウロじゃない。体が
なまらないように鍛えてたんだ。
俺は、汽車の運転方だ。汽車っ
てのは、石炭が燃える暑い中、
ず~っと…。
直美) 足のためにジッと
しててください。
杉山) 見習いさん、俺は、あん
たと違って足を治すことばっか
り考えてられないんだよ。あっ
…早く退院しても、働けないほ
どほかが弱ってたら、生きてい
けやしないんだ!
**********
<裏庭>
直美) 言われちゃった…。
しかも患者に気まで遣わせて。
りん) うん…。
直美) 患者の気持ち、分から
ないからって、開き直るのも
違うか…。
りん) うん…。ケガが治るだけ
じゃ生きていけない。汽車の
運転方として、働きたい。
直美) 好きなおせんべいを
食べたい。
りん) うん…。
そういうものかもしれない。
直美) ああ…。
そういうものかもしれないね。
**********
<個室の千佳子>
千佳子) ♪「庭の千草も
虫の音も 枯れてさびしく」
**********
直美) りん、これでうまく
いくといいけど…。
(直美が本屋から出てくる)
女性) 何? あの頭。
女性) え、何、短~い。
直美)フッ、そんなに
驚かなくたって…。
老人) お前は、夕凪か?
(振り向く直美)
老人) 夕凪…。
直美) 人違いじゃありませんか?
老人) あ…いや、そうか。
そんなわけ…。
夕凪は、もう…。じゃ。
直美) ちょっと待ってください!
夕凪さんっていう人は、
私に似てるんですか?
老人) ああ。けど、よく考えたら、
夕凪はもういい年だ。
直美) その、夕凪さんって?
老人) 女郎がいたんだ。
昔、少し世話になった。
直美) そのお女郎さんは、
どこに? どこにいたんですか?
男性) ああどうも。
老人) おお~。
(荷車や人が行き交う中、
老人の後を追う直美)
**********
(路地の陰で銭を渡す老人)
(男が現れる)
寛太) いや~どうも先生。
(男は小日向と名乗っていた寛太)
寛太) こちら段差があるので
お気をつけください。
**********
安の婚活センサー(イメージは妖怪
に反応する鬼太郎w)が、槇村兄に
激しく反応。すごいな安、恐ろしい
子w 姉がぼんやりな分、その手の能
力が育まれたのだろうか? 巻き込ま
れるシマケン。仲立ちするんか~い。
そして、直美に似た女郎を知ってい
るという男に遭遇する直美。そりゃ
気になるよね。後を追えば、詐欺師
の勘太の姿が。ろくでもない予感…。
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