この日は特別な日だった。

クリスマスだ。

 

私の夫は外食することがあまり好きではない。

コロナが流行ったことで、その勢いはさらなりだ。

絶対に行きたがらない。

 

私はどこかレストランに行ってみたかったのだけれども。

実のところ、クリスマスにどこかデートに行くということをしたことがないのだ。

 

私は夫に希望を言えなかった。おそらく断られるだろうと思っていたからだ。

コロナのこともあるし、そもそも外食が好きじゃない、という状況で、「行きたい」とは言いずらかった。

 

外食どころか外出すらしたがらない夫が出した結論は、デートはなし、というものだった。

 

そのかわり、というわけではないが、夫が家でローストチキンを焼いた。

一週間前にオーブン機能付き電子レンジを買い、二日前にはニワトリをまるっと一羽買ってきた。

 

 


 

ケーキも予約して、家でプチクリスマスパーティーである。

シャンパンも320mlのミニボトルを買ってきて、二人で一緒に開けた。

 

私はお酒にかなり弱く、夫はめちゃくちゃ強い。

 

一口飲んだだけで私の顔は赤くなり、ほろ酔い気分だった。

だから、シャンパンのほとんどは夫が飲んだ。

 

そもそも妊娠を希望していたので、お酒は飲まないようにしていたのもある。

けれど、この日だけは特別だからと少しだけ、飲むことにしたのだ。

 

そんなに飲んではいない、はず。

それにもし妊娠していたとして、4週までならそんなに影響はない、はず。

 

そう思っていた。

けれど、数日後、これも後悔することになるのだった。

 

私の心配が杞憂で終わるのかは、子どもが生まれないことにはわからない。

 

だが、しかし、である。

いらぬ心配を増やしたくないのなら、妊娠を希望している人は一滴たりともお酒など飲まない方がいい。

 

子どもに影響が出ないとは限らないのだから。