息子は13トリソミー症候群(パトウ症候群)
13番目の染色体が3本ある
染色体異常で生まれました。
産前の検査では一度も奇形や異常を
発見されることなく外に出てきて
びっくりどっきり。
2024年現在支援学校の小学一年生
途中色々あって
完全寝たきりの人工呼吸っ子です。
そんな息子と家族のこれまでを
記憶を呼び戻しながら
書いています。
ただの検査のつもりが緊急帝王切開。
母である私もですが夫も何が起きているか理解できるまで時間がかかったはずです。
夫の視点では何が起きていたのでしょうか…。
職場で私からの伝言を聞いた夫は車を走らせ産婦人科へ急いでやってきました。
手術室の外では私の父と母が待っていました。父も語りませんでした。
母「もう生まれたみたい。なんだか大変なことになったけど…おめでとう。まだ手術をしているみたい。」
スタッフからは最寄りの病院のカンガルー号(赤ちゃんを乗せるための設備が整った車両)が出払っているので、カンガルー号を待つか、ドクターヘリで遠くの病院に行くか調整している、と説明をされました。
夫「嫁には会えるんですか。」
そう聞いてやっと手術室に入ることができました。
夫「大丈夫?」
私「…うん大丈夫。赤ちゃん、見た?」
夫はまだ処置を受けている赤ちゃんの方へ向かいました。赤ちゃんはバギングをしてもらって呼吸を確保しているようでした。
先生はかなり焦った様子で夫に言いました。
先生「口が切れてますね!口唇ありますね!手と足、奇形がありますね!」
夫に確認するように何度も「奇形」という言葉を連発したそうです。
夫は私に赤ちゃんの姿を見せるためにスマホで写真を撮影し、私に見せてくれました。
夫「目が開いてる」
それから遠くの病院に行くことが決まり、看護師長も同行して救急車でヘリポートのある最寄りの消防署へ。
そこからドクターヘリに乗り換えて、病院へと向かいました。機内では女医さんがバギングをしながら赤ちゃんに話しかけてくれていました。
女医さん「お名前、決まってますか?」
「きすけくん?いいお名前ですね。きすけくん、大丈夫よ。ゆっくり息をしてみてごらん。大丈夫だからね。」
機内から見る景色は海も空も真っ青でとてもきれいだったそうです。
車だと一時間はかかる目的地の病院には10分ほどで到着しました。
病院のヘリポートに降り立つと、医師と2名ほどの看護師が保育器を準備して待機していました。
そこから夫と息子は別行動でしたが、夫が息子に
夫「きすけ、がんばれよ!」
そう声をかけると小さな腕が上に上がったのを見ました。
NICUの待合室に通された夫は救命の意思を確認された後、気管挿管や酸素使用、輸血など処置に必要な同意書などの書類にたくさんの署名をしました。それが終わってしまうとただ待つしかありません。どうすることもできず待っていると、看護師がやってきて言いました。
看護師「まだまだ処置には時間がかかりますよ。一階にコンビニがありますから、お食事をされて少し休まれてください。」
夫は看護師にうながされ、階下にあるコンビニに向かい水を買って口にして、職場や自分の両親や姉兄に連絡も済ませました。
何がどうなっているのか分からない。
でも動いていたし、きっと大丈夫だろう…。
でも奇形がたくさんあったから何かしらの障害はあるには違いない…。
待合室に戻ると、医師から説明があるからと別室に案内されました。
心臓の主治医の検査も行われたようです。
先生「今、口から挿管しています。おそらく染色体異常があると思います。いや、十中八九あると思います。」
「幸い心臓に穴が空いているというような緊急性のある所見は心臓には見られません。」
「いくつか見られる奇形の特徴から13トリソミーという染色体異常が考えられます。いずれ検査を行うことになりますが、すぐには結果は出ません。もしも、私の考える染色体異常であれば9割が死産、生まれてきても1週間、一ヶ月持たない可能性もあり、非常に生存率が低いです。ネットなどで検索してもネガティブな情報ばかり出てきてしまうのですが…。そこのところをご理解下さい。」
そんな説明を聞いて「大丈夫」と思える人はどのくらいいるでしょうか。でも、その時一緒にいた看護師さんから力強い声掛けをしてもらいました。
看護師「私はあきらめてないから。一緒に頑張りましょう!」
夫「とにかく助けてほしい。障害のあるなしに関わらず救ってほしいです。」
説明が終わる頃には時間は夕方になっていました。その日は面会はできませんでした。
車を産婦人科に置いてきた夫は私の姉に迎えにきてもらい産婦人科へ向かいました。
道が混んでいたのもあって、行きとは違い2時間ほどの重苦しいドライブでした。
夫に聞き取りを行い書いてみました。
当時のこと当時も中年でしたが数年経ってお互いに筋金入りの立派な中年に成長したので、記憶はだいぶあやふやです。
息子のこととなるとどうしても母親が中心で、父親の気持ちを吐露する場面はとても少ないんじゃないかなと思います。
実際私も真剣に耳を傾けたことはなかったです。
息子のお世話に明け暮れてきたここ数年。夫もかなりストレスを抱えていたのに、私自身苦しいことが多かったので聞く余裕がありませんでした。その結果が最近のトラブルの元になったのかも…?
誤変換など気をつけているつもりではあるのですが、年々思ったように文字を入力するのも下手になってきています。
改行など読みづらいところも多々あるかと思いますが、ご了承ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
アイス食べて冷えたい…