「キラはフリーダムに乗って、再び戦場に出ました」
ミネルバに合流する前、オーブに寄ったアスランはラクスからそう告げられた。
そして、戦場に出たキラの行方が気になっていた。
考えた末、アスランは合流したミネルバのクルーに捜索を頼んだ。
「MSの捜索ですか?」
「はい、ミネルバが忙しいのは分かっています。けどパイロットは大事な親友なんです。捜してもらえないでしょうか?もちろん、自分も探しに出ます」
「分かりました、いいですよ」
「・・・・・・ありがとうございます」
そしてアスランが歩いていると、シンに会った。
「どうしたんですか?」
「俺の親友が、戦場に向かったまま行方が分からないんだ」
「アスランさんの親友?」
「だから、今から出撃する」
「1人で行くなんて無茶ですよ。だったら俺も行きます」
「それはいいが、今ここで戦力を減らすわけにはいかないだろう」
「そんなこと言ってる場合じゃありませんよ。大事な親友なんでしょう?」
「それはそうだが・・・」
「だったら早く行かないと。親友が死んでもいいんですか?」
「・・・・・・分かった、一緒に行こう。ただし、危なくなったらすぐに戻るんだ」
「分かりました」
その後、アスランとシンは捜索のため出撃した。
出撃を見送ったルナマリアとレイは心配していた。
「大丈夫かしら、シンが出撃して」
「どういうことだ?」
「だって・・・アスランさんの親友って、フリーダムのパイロットなんでしょ?」
「フリーダム・・・シンが憎んでるあのMSか」
「だから心配なのよ。シンがアスランさんの親友を殺してしまうんじゃないかって」
「・・・・・・そうだな」
「だから、私たちもできるだけのことをしましょ」
「ああ」
出撃したアスランとシンは二手に分かれて捜索を始めた。
「確か、アスランさんの親友が乗ってるのは青と白のMSだって言ってたな・・・」
そこでシンはあることを思い出した。
2年前、自分の家族を殺したMS-フリーダムも青と白のMSだった。
「・・・・・・ダメだダメだ、こんな時に思い出しちゃ」
そう言い聞かせてシンは捜索を続けた。
しばらくして、MSらしき物体を見つけた。
「あれがそうなのか・・・?でも、動く気配が全くない・・・・・・」
そこでシンはMSの状態を確認するため近づいた。
MSは青と白・・・アスランが捜しているものと同じだ。
だが、シンはその機体に見覚えがあった。
2年前に自分の家族を殺したMS、フリーダム。
そのフリーダムがまさに目の前にいる。
「フリーダム・・・?!生きてたのか・・・・・・!!」
捜索のことを忘れ、シンはフリーダムに攻撃を仕掛けた。
「お前だけは・・・絶対に許さない・・・・・・!!」
一方のフリーダムもインパルスの攻撃を防御する。
そしてしばらくの間、2体は戦った。
だが、フリーダムの圧倒的な強さにシンは危機を感じた。
「なんて強さだ・・・このままじゃ、やられる・・・・・・!」
その頃、アスランは捜索を続けていた。
そこでアスランはインパルスが戦闘しているのを見つけた。
「あれは・・・・・・インパルスと、フリーダム?!キラ!」
アスランはすぐさま2体の元に向かった。
「やめるんだ、2人とも!」
「アスラン!」
「アスランさん!」
「フリーダム・・・キラは俺の親友だ。」
「それじゃあ、アスランさんが捜してたのは・・・・・・」
「フリーダムだ。とにかくミネルバに戻るんだ。キラも一緒に来い」
「分かった」
3体はミネルバに向かった。
そしてアスランはミネルバのクルーにキラを紹介した。
「2年前の戦いを勝ち抜いてきたということで十分戦力になると思います」
「だったら、前線に出してもかまわないってことね」
「はい」
その様子を見ていたシンはこんなことを言った。
「・・・・・・俺はこんな奴と一緒に戦いたくないね」
「シン!」
「こいつは・・・・・・俺の家族を殺したんだ!」
「!!」
そう言ってシンはその場を後にした。
「・・・・・・すまない」
アスランがキラに謝った。
「彼は・・・・・・家族を亡くしたんだね」
「ああ。2年前・・・・・・オーブと地球軍の戦いで家族を亡くしたらしい。そしてフリーダムが家族を殺したと思い、憎んでいる」
「・・・・・・そう」
「やっぱり、少し言いすぎたかな・・・・・・」
シンは歩きながら考えていた。
-キラはアスランの親友。
それを分かっていながら、ついあんな言葉を口にしてしまった。
それに、アスランからキラもたくさんのものを亡くしたと教えられた。
しかし、だからと言ってフリーダム-キラがシンの家族を殺したという事実に変わりはないのだ。
それから、何度も戦闘や作戦会議が行われたが、シンはキラと話すことはなかった。
「・・・・・・ガイア?」
「ああ、ザフト軍が奪われたMSのうちの1機だ」
「そのMSがどうかしたの?」
「・・・・・・ガイアのパイロットをシンが捜している」
「シンが?」
それはアスランがミネルバに合流する前のこと。
シンの乗るインパルスはガイアと戦闘をしていた。
そして2体ともが戦闘不能状態になり、無人島に墜落した。
「まいったな・・・とにかく救難信号を出さないと」
シンは救難信号を出し、助けが来るのを待った。
しかし、おとなしく待っているのも意味がない。
そこでシンは今いる場所の状況を確認するべく、その場を歩いてみることにした。
「ほんとに、なにもないんだな・・・・・・」
しばらく歩いていると、人影を見つけた。
「(誰かいる・・・・・・?)」
そこにあったのは、先程まで戦っていたMS、ガイアだった。
そしてそのそばにいたのは・・・・・・1人の少女。
「(女、の子?)」
ヘルメットを外しているらしく、彼女の金色の髪がよく目立った。
そしてふと、横顔が見えた。
「(あの子、あの時の・・・・・・?!)」
そう、彼女はアーモリーワンでぶつかった少女だった。
パラ・・・
驚きのあまり、シンは動いてしまった。
そしてその衝撃で小石が転がり落ちた。
少女はその音に気づき、こっちを向いた。
「しまった・・・!」
-殺される。
そう思い、シンは持っている銃を構えた。
「あんた・・・あの機体のパイロットね?」
そう言うと、少女はナイフを構えた。
「君こそ・・・ガイアのパイロットだったんだ」
その後2人は武器を構えたまま、なにも言わなかった。
しばらくして、シンが口を開いた。
「君は、あの時ぶつかった女の子・・・・・・」
「・・・・・・え?」
「どうしても謝りたかった。だから・・・もう一度、会いたかった」
「私も・・・」
「?」
「私も・・・あなたに、会いたかった・・・・・・!」
そして2人は、持っていた武器を下ろした。
「・・・・・・はい」
シンは泣いてしまった少女にたまたま持っていたハンカチを渡した。
「・・・・・・ありがとう」
少女はハンカチを受け取り、涙を拭いた。
「・・・・・・そうだ、俺たちまだ名前言ってなかったよな。俺はシン・アスカ。君の名前は?」
「ステラ・・・ステラ・ルーシェ」
「ステラか・・・・・・いい名前だな」
「・・・ねえ」
「ん?」
「私を殺さないの?」
「殺すって・・・なんで?」
「私はあなたの敵だから」
「殺さないよ」
「え?」
「だって俺・・・・・・ステラのこと、好きになったから」
「・・・ほんと?」
「こんな時にうそなんかつかないって」
「私も・・・シンが好き」
「え、ほ、ほんと?」
「・・・・・・うん」
そして2人は軽くキスをした。
-それが、2人にとって初めてのキス。
少しして、シンとステラは別れることとなった。
2人はまだ敵だからだ。
それ以来、シンはステラがどうしているのかが気になっていた。
「・・・・・・ということらしい」
「確かに、それは心配だね」
「それに・・・俺も同じだ」
「アスランも?」
「俺もカガリをオーブに残してきた。今1番そばにいないといけない時なのは分かっているんだが・・・・・・」
「それなら心配ないよ」
「え?」
「カガリは今、アークエンジェルにいるから」
「・・・・・・アークエンジェル?!」
「実は僕もアークエンジェルに乗ってきたんだ」
「でも、ラクスはそんなこと一言も・・・」
「アスランに心配かけたくなかったんだよ、きっと」
そしてその頃、アークエンジェルは一体のMSを発見していた――。
第1話 End
あとがき
「真実を見据えて」とは別の形で書きたかった話がこの話です。
シンが思いっきりキラを憎んでる、みたいなのが書きたかったんです。
で、種運命14話予告の影響も多少受けてます 笑
しかし、最初に考えた文章が全くなくなってしまいました・・・・・・ 苦笑
でもこれはこれで気に入ってます。